カセットをシリーズ化し出した、その2巻目。
A面1~4曲目はNHK-FM「軽音楽をあなたに」から。すべてライヴであり、レコードにはない魅力的なヴァージョン。
この日、学校からまっすぐ帰って、夕方聞きながらエアチェックしたものだった。
この4曲は、新譜「URGH!MUSIC WAR」に収録された曲。
新譜と言っても、実際この2枚組LPが国内発売になったのは9月21日のこと。
そして、5・6・7曲目は、クロスオーバーイレブンからの曲。
この並びを視て「そういえば・・・」とカセットテープを今年買ったラジカセに入れてみると、記憶は正しかった。
実際は8曲目が入っている。
途中で切れたためにインデックスカードに記載は無いが、ジャパンの「マイ・ニュー・キャリア」が入っている。ティム・ブレイクの音が細くなって行き、消えていく後に出てくるジャパンへの繋がり。その合い間にある静けさの中のFMノイズ。
それがわたしには絶妙で、切れてしまった曲を消さずに残していた。
■Japan 「My New Career」(Old Grey Whistle Test, Dec. 1980)■
ひとりきりになりたいなんて
思ったことはなかったくせに
とにかく僕はそっと家を抜け出して
ここまで来てしまったんだ
南に住む人々は
ささいな人生の浮き沈みを繰り返しながら
まっすぐ前を向いて歩いてる
確かな足取りで
彼らが僕たちの唄をうたってる
外の人々には何も聞こえないけれど
彼らが僕たちの唄をうたってる
僕の新しい人生のはじまりに
やっと気づいたんだ
違う生き方もあるということに
船が港に着くたびに
出発の時はやってくるのだから
南へ行けと彼らは言うよ
太陽は僕の町には沈まない
僕を物憂い気分にさせるのは
この熱風の中の疾走
僕は誰ひとり傷つけたりしていない
ことに 君を傷つけるような真似は
1981年すり切れるほど聴いたジャパンのLP「孤独な影」。1980年作品。
デヴィッド・シルヴィアンがこの曲を創ったのは、まだ21歳。
すでにジャパンとしての4作目。
少年の中で鬱屈したものを表現として昇華させ続け、相当な自己との闘いの末、到達した4枚目。この方向感はすでにこの時点で確固たるものとなっており、その後進むべき道を明示している。
LP「孤独な影」は、じぶんの中でも(YMO群を除いた)生涯の100枚の中の一枚である。