こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

夏のおすすめ音楽 その6: トレイシー 「Far From The Hurting Kind」

2006-08-10 20:16:45 | 音楽帳
1983年、ポール・ウェラーはTheJamを解散してスタイル・カウンシルを立ち上げた。そのポール・ウェラーが設立したリスポンドレーベルから出たのが、このトレイシー(・ヤング)の「Far From The Hurting Kind」というアルバムだった。
1984年のことである。

トレイシーというと、この時期、トレイシー・ソーン、トレイシー・ウルマンもいたが、トレイシー・ヤングは、「トレイシー」で日本には紹介された。

トレイシーのアルバムを聴いて、「地味だけど、味わいがあるな」と思った。
そして、繰り返し聴いていくごとに、そのつややかで澄んだ伸びやかなトレイシーの優しい声、(甘くは無いが、優しい)それに、みずみずしい楽曲のとりこになった。

アルバムは、1曲目「(I Love You) When You Sleep」という曲で始まる。
これはエルビス・コステロの曲で、あとあと自分でもカバーすることになる曲。

夏になると、このアルバムを僕は聴く。
極めて、簡素な楽器で演奏されており、さらっとした風のような肌触りの、乾いた音なのだが、その中にも、ほんのりした優しさや、切なさが同居している。
それは、彼女の声ゆえなのかもしれない。
その素直な歌い方に、僕は、身構えること無く、素直に入っていけた。

夏ということでは、「I Can't Hold On 'Till The Summer」という曲もある。

トレイシー・ヤングは、このアルバム1枚と数枚のシングルだけで消えていくが、それもまた、80年代のNewWave特有の花火のような、瞬間の輝きのようであった。

<んん~、この「青さ」がたまりませぬ>

案外、80年代のNewWave好きにも、このアルバムは比較的知られていないだろうし、余り聞き込んだ人も少ないだろうが、名盤である。
是非、聴いて欲しい1枚である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夏のおすすめ音楽 その5: 一風堂 「ラジオ・ファンタジー」'81

2006-08-08 20:38:51 | 音楽帳
一風堂のこの1981年の「ラジオ・ファンタジー」は今でも、夏になぜか聴きたくなる。
多分出会ったのがそういう季節だったのもあるが。
「NightMirage」もそうだが、一風堂=春から夏に聴く、という図式になってしまう。

夏によく聴くのは、「Tomotolo-Waiya(トモトロ・ワイヤ)」という曲と「ラジオ・コスモス」という曲だ。

「トモトロ・ワイヤ」というのは不思議な呪文だが、日本的な仙波さんのパーカッションがたまらなく良い。不思議なもので、この時期、制作の坂本さんの「左うでの夢」でも、仙波さんはパーカッションをしており、土屋昌巳のパクリ精神はここでも健在である。(いい意味で)
「ラジオ・コスモス」も同様で、YMO+中華もどきサウンドがたまらない。

しかし、テクノの名盤というのに、未だCD化はされていない。
仕方なく、レコードをデジタル化して聴いているのだが、レコードのプチプチ音が激しく、早くCDで、死ぬ前には聞きたいものだ。

一風堂のレコードは、ことごとくCDになっていない。
一説には、そろそろCDになるという噂もあるが・・・。

ちなみに、この大好きなジャケット【写真】は、これまた大好きな大竹伸朗である。パンのような奇妙な生き物の向こうには、海のような水平線。
夏には、かけたくなるレコードの1枚である。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

8月5日 土曜日 「土曜ワイドラジオTOKYO」を聞く

2006-08-05 12:35:46 | 雑記帳
今週は、いよいよ難解な仕事の課題の山で、疲れた。

どういう訳か、最近、夜は深く眠れない。
その替わりに、昼間、異様に眠くなる。まるでナルコレプシーのように。

そして、日中は、とにかくだるい。
これは、夏バテというものだろうか?
と思い、仕事中に、ネットで「夏バテチェーック」をしてみたが、答えは「あなたは大丈夫!」と出た。

***

と、いう訳で、深くは眠れぬが、何だかだらだらと横になるうち、起きるのも11:00を過ぎてしまう。
ラジオをプチッとひねる。

大好きな「土曜ワイドラジオTOKYO」を聞く。

これは、本当にオススメのラジオ番組である。土曜というウィークエンドのほのぼのさが漂い、このゆったり感が良い。
永六輔さんと、外山惠理(とやまえり)さん【写真】の友達のような親子のような、ほのぼのした掛け合いに、人間嫌いの自分もよく珍しくニコニコしてしまう。

かつてラジオ小僧だった自分が笑っているのは、日常生活よりもラジオを聴いているときかもしれない。

背景の音もペンギン・カフェ・オーケストラもやった「カッティング・ブランチーズ・フォー・ア・テンポラリー・シェルター」や、木琴や打楽器の可愛い音が沢山かかる。

***

外山惠理さんと言えば、昔、雨宮塔子さんの後を継いで「チューボーですよ」のアシスタントをしていた記憶が強いが、コロコロした可愛い声と、大きな目と、素のボケが印象的な可愛い人である。
最近は、すっかりこの「土曜ワイドラジオ」でしか聴くことがなくなったが。

墨田区出身で、ぬあんと、実家はあの有名な「言問団子」のお店だという。
これを知って、非常に親近感を覚えた。

***

「土曜ワイドラジオTOKYO」は、毎週土曜日8:30~13:00にTBSラジオでやっている。
朝からゆったり聴きたいのだが、どうも、お疲れのかたちんばは、いっつも遅刻してしまい、遅くからの参加になってしまう。
もったいないなあ、と思いながらも、しばらくは、こんなお疲れの土曜日が続きそうである
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夏のおすすめ音楽 その4: XTC 「ヨット・ダンス」'82

2006-08-04 22:50:29 | 音楽帳
このXTCの「ヨット・ダンス」は、タイトルどおり、海の波間にヨットが行きかう静かの海を見ているような穏やかさを感じる。

XTCのこの曲の入った「イングリッシュ・セツルメント」【写真】は、私が高校1年生の1982年の春から夏にかけて発売になった。
以前にも増して、POPになったXTC。
プロデューサーがヒュー・パジャム。1981年のポリスの「ゴースト・イン・ザ・マシーン」に続き、繊細な音色、繊細な音作りが美しい。

高校生になって初めての夏、この「ヨット・ダンス」も入った自作のカセット・テープを作って海に行った。
この夏には、「ヨット・ダンス」をよく聴いた。

ン、チャッチャ、ン、チャッチャ、というワルツの曲。
サウンドストリートでも幸宏と教授が、「なぜか、最近、このようなフォークのような不思議な曲が多い」といっていたのを記憶している。

そういえば、当時のストラングラーズもそういった曲を作っていた。
イギリスでは、ファンカラティーナが登場した頃だったのである。
確かにそういった時代の流れはあった。
ヘアカット100の曲や、ファンカポリタンの「AsTheTimeGoesBy」、ピグバグ(Pigbag)など、ハイチ・レゲエなどのムードがロックと入り混じったムーヴメントが起こりつつあった頃である。

ジャムなども「TheGift」でホーンを入れたファンクっぽい音楽を発表したし、ブロンディも今ビールのCMで使われている「夢見るNo.1」や「IslandOfLostSoul」なんて曲を出したし、B-52'Sは「メソポタミア」でトーキングヘッズのデヴィッド・バーンを迎えてオリエンタルっぽさを出していたし、そのバーン自身もバレエの音楽として「回転花火」でバリのガムランを導入し、トム・トム・クラブも同様に南洋的な音をはじき出し、細野さんは「フィルハーモニー」でガムランや民俗音楽、ミニマル・ミュージックの色を出していたし、ファン・ボーイ・スリーが登場したのもこの時期。

実に想い出深い1982年の春から夏への流れだった。

ヨット・ダンスを毎年、夏になり、聞くたびに、あの1982年の豊かな遠き夏を思い出して、ココロが踊る。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夏のおすすめ音楽 その3: ミルトン・ナシメント 「The Call (Chamada)」

2006-08-02 13:20:33 | 音楽帳
この曲を知ったのは、84年くらいの東京12チャンネルの「日立サウンドブレイク」だった。

当時、MTVが流行になっていた頃、かたや、毎週独自の映像に音楽を選曲して、1つのストーリーを作る環境イメージビジュアルを展開していた。

12チャンネルは、ひそかに、いつも先を行って、マニアックな番組を作っていたが、これもそういった番組。

土曜、夜の11時からの30分、僕は毎週、その詩的な番組を楽しみにしていた。

1984年11月の回、南国の美しい島の上空からの映像に伴い、ブライアン・イーノの「ファースト・ライト」で始まった。
密林の茂り、首を上下に垂れるヤシの木の間から、青い空が見える。
この映像にあわせてかかったのが、このミルトン・ナシメントの「The Call (Chamada)」だった。

鳥の声、木々のざわめきの中、スパニッシュなギターをバックに、男とも女ともつかない高い声のヴォーカルが、詩にはならないコーラスを歌う。
ひたすら、自然の音しかない世界に響くその声は切なく、空に届くかのようだ。

是非、そういったシーンの風景に出会ったら、聴きたいと思いながら、僕は、夏になるとこの曲を聴く。
目をつむると、そのシーンまでもが浮かぶような曲である。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夏のおすすめ その2: 木陰にて ~坂本龍一 「サイケデリック・アフタヌーン」

2006-08-01 23:00:00 | 音楽帳
90年代に発売された教授のアルバム「スウィート・リベンジ」について、自分は、良い聴き手では無い。
正直あまり好きでは無い。

1回聴いたきり、聴きこんでいないというのもある。
このアルバムの「意図」が自分には見えないのだ。

但し、この中で、「サイケデリック・アフタヌーン」だけは素晴らしい。
夏には、この夏の日差しの中の木陰のような音楽が聴きたくなる。

元々、民族音楽の研究家になって、世界をフィールドワークに巡りたかったという坂本龍一。
その長年、自分の中に溜め込んだものが、ポロポロと音楽に湧き出て、それまでも色んな音楽として実を結んできたが、ここに来て、ボサノヴァへの熱が始まり出した頃の1曲。

ヴォーカルも教授にしては、はっきりと聞こえ、英語らしくも聞こえる。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする