金鳥のCMでは無いが、「ニッポンの夏」らしい、清水靖晃の1982年の作品「案山子」。
実に「へたうま」な、猫ちゃんのジャケットが余りに可愛すぎる。
<曲目>
1睡蓮
2案山子
3このように詠めり(その1)
4セミ取りの日
5このように詠めり(その2)
6夢では
7海の上から
8美しき天然
***
このレコードに初めて出会ったのは、当時まだアンダーグラウンドなミニコミ誌の匂いを残していた「ぴあ」のレコード紹介だった。
毎回10枚程度のレコードを紹介し、そこで、読者へのレコードプレゼントをしていた。
多分、このとき、この「案山子」と同時に紹介されたのは、ブライアン・イーノの「オン・ランド」、フィリップ・グラスの「グラスワークス」、細野さんの「フィルハーモニー」、立花ハジメの「H」などだった気がする。
鉛筆をなめなめ、ハガキで応募するのに、どのレコードにするか、迷ったが、余りにもの「強力盤」が多くて、それも当然欲しかったのだけども、当たる確率が高いこの「案山子」を選んだ。
清水靖晃は、マライアでその存在も知っていたし、1Stのソロアルバムも坂本龍一が協力していたし、音楽は「多分イイだろう」しかし「有名ではない」、そこに目を付けたのだ。
そして、ぬあんと、このレコードを予想通り当ててしまったのである!
僕は、当時、巣鴨高校に通っていたので、帰り道てくてく池袋まで歩いて、池袋のレコード屋さんで、このアルバムを受け取った。
想い出の1枚である。
***
YMOとも繋がりの深い生田 朗(いくた あき)も2曲作詞している。(生田さんは既に亡くなっています。そーいえば、ユキヒロの「EGO」にも生田さんに捧げた曲がありましたね)。
日本語の詩・清水さんのへたうまで土着的なサックス・ミニマルな節回し・おもちゃっぽいドラム(というよりタイコ)の音・透明なピアノ・サックスで奏でられるカエルの鳴き声・チンドン屋のメロディ・セミの鳴き声・木琴・歪んだヴォイス・ラジオのノイズ・・・・
それらが入り混じり、清水靖晃独自の、日本的でありながらへたうまなワールドが展開しています。
日本人たる自分に恥じない清水靖晃にしか作れない、ワビサビが所詮わからないガイジンには作り出せない、実におおらかでほがらかな音世界です。
また、横文字(英語)世界にしか憧れずに、ラヴソングしか作れない、沢山のダメダメなガラクタ日本人ミュージシャンには一生作れない世界です。
そういう意味で、実に「稀有」な音楽だと思います。
一番好きなのは「セミ取りの日」。
セミ取り網を持った少年が、麦わら帽子をかぶり、袖なしの白いシャツに短パンで、海の見える夏の田んぼと林の風景の中を走っていくのが見えるかのようです。
セミの鳴く中、蚊取り線香をたいて、扇風機を回して、麦茶を縁側で飲みながら聴いて欲しいレコードです。
実に「へたうま」な、猫ちゃんのジャケットが余りに可愛すぎる。
<曲目>
1睡蓮
2案山子
3このように詠めり(その1)
4セミ取りの日
5このように詠めり(その2)
6夢では
7海の上から
8美しき天然
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このレコードに初めて出会ったのは、当時まだアンダーグラウンドなミニコミ誌の匂いを残していた「ぴあ」のレコード紹介だった。
毎回10枚程度のレコードを紹介し、そこで、読者へのレコードプレゼントをしていた。
多分、このとき、この「案山子」と同時に紹介されたのは、ブライアン・イーノの「オン・ランド」、フィリップ・グラスの「グラスワークス」、細野さんの「フィルハーモニー」、立花ハジメの「H」などだった気がする。
鉛筆をなめなめ、ハガキで応募するのに、どのレコードにするか、迷ったが、余りにもの「強力盤」が多くて、それも当然欲しかったのだけども、当たる確率が高いこの「案山子」を選んだ。
清水靖晃は、マライアでその存在も知っていたし、1Stのソロアルバムも坂本龍一が協力していたし、音楽は「多分イイだろう」しかし「有名ではない」、そこに目を付けたのだ。
そして、ぬあんと、このレコードを予想通り当ててしまったのである!
僕は、当時、巣鴨高校に通っていたので、帰り道てくてく池袋まで歩いて、池袋のレコード屋さんで、このアルバムを受け取った。
想い出の1枚である。
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YMOとも繋がりの深い生田 朗(いくた あき)も2曲作詞している。(生田さんは既に亡くなっています。そーいえば、ユキヒロの「EGO」にも生田さんに捧げた曲がありましたね)。
日本語の詩・清水さんのへたうまで土着的なサックス・ミニマルな節回し・おもちゃっぽいドラム(というよりタイコ)の音・透明なピアノ・サックスで奏でられるカエルの鳴き声・チンドン屋のメロディ・セミの鳴き声・木琴・歪んだヴォイス・ラジオのノイズ・・・・
それらが入り混じり、清水靖晃独自の、日本的でありながらへたうまなワールドが展開しています。
日本人たる自分に恥じない清水靖晃にしか作れない、ワビサビが所詮わからないガイジンには作り出せない、実におおらかでほがらかな音世界です。
また、横文字(英語)世界にしか憧れずに、ラヴソングしか作れない、沢山のダメダメなガラクタ日本人ミュージシャンには一生作れない世界です。
そういう意味で、実に「稀有」な音楽だと思います。
一番好きなのは「セミ取りの日」。
セミ取り網を持った少年が、麦わら帽子をかぶり、袖なしの白いシャツに短パンで、海の見える夏の田んぼと林の風景の中を走っていくのが見えるかのようです。
セミの鳴く中、蚊取り線香をたいて、扇風機を回して、麦茶を縁側で飲みながら聴いて欲しいレコードです。