■13日の金曜日■
金曜日の朝の路。桜、ハナミズキなど樹々の芽が大きくふくらんでいるのを確認した。きれいな黄緑いろした若い芽。ここ数日のあたたかさのお蔭。
そんな昨日の深夜。島の帰途を歩くが、ネコたちに遭わない。おなじみのメンバーは誰もいない。
もうみんな寝ているんだろう。そんな静かでおだやかな島の夜。
外で過ごすものたちには、寒さの心配もしないで良いから、みんな熟眠の夜だったのかもしれない。
いっぽう自分は、薄いお湯割りを呑みつつ音楽を聴いたり・寅さんを見たり・・・。
眠らねばならないのに、堕ちていかない。
■本日・ウィークエンド■
結果、4時に寝て、7時のアラームに起きる。しんどくてじたばたし、充血する眼に目薬を差し、深い緑茶を飲み、朝風呂に浸かり、何とかかんとか外に出る。
都心・仕事場への朝は人がほとんどいないすがすがしさはあるけど、陽も黄色く、空の蒼さのあざやかさ度合いも低い。花粉なのか黄砂なのか、そんなようなものが空中に舞っている気がする。
朝9時ごろには、まだ朦朧として眠くていっこうに仕事に手が伸びなかった。毎年3月は疲れることが多い。
資料やパソコンを前にして思案。ぼんやり。
んん~と両手を頭の後ろで組んで、椅子にもたれて考えを巡らせているうち、つい眠りに落ちていたり。
今日の付き添いラジオはTBS。土曜日なので、インターFMから切り替える。
数杯温かいお茶を頂くうちに、やっと心身にエンジンが掛かった。そこから調子が好転した。
電話も人も少なく、落ち着いた日になっていく。
日没後だけどまだ周囲が深いブルー。そんなタイミングに仕事場を去り、風の中に出る。
2時間くらい街を放浪した。
■ルパート・ホルムズ 「エスケイプ」1979■
鳥さんたちは春の気配を感じて勢揃い。
外を歩けば、ジンチョウゲの香りが漂う。
花そのものも美しいけど、この花の香りが街を包むようになると、春を感じる。
中学生になって、毎週土曜日は半どんで、昼過ぎに帰るとFM東京の「ポップス・ベスト10」のチャートをノートに付けながら、光が満たす部屋で放送を聴いていた。
そんな頃、ルパート・ホルムズに出会った。
なんで今この曲なのか?は、聴いていた季節が春だったので。
調べるとビルボードのチャートには、1979年12月1日に6位と、前週の12位からジャンプアップして、ベスト10に登場している。
LP4枚を出しても売れなかった下積みを経て、初めて日の目を見たルパートさん。
このジャケット写真の彼は、学者みたいな感じ。
この曲「エスケイプ」は3週後の12月22日にビルボードチャート1位となったもの。
三ノ輪の部屋のベッドに転がり聴いていると、目の前にあった大きなすりガラス窓から、天気の良い日はたっぷりの日差しが射し込んで幸福感に満たされた。
この曲を聴くと、そのシーンと、親がいっつも焼いてくれた、シャケの良い匂いがぷーんとしてきたのを想い出す。