6月29日は午前中に奈良博の特別展「聖徳太子と法隆寺」を鑑賞し、午後1時30分から奈良博での公開講座「特別展 聖徳太子と法隆寺」を聴講しました。
その後、京都仲間のKさんと、師匠のTさんの3名で忍辱山円城寺を訪ねました。
名勝庭園を始め多くの文化財を所蔵されている円城寺ですが、中でも大仏師運慶のデビュー作品がこちらの大日如来坐像(国宝)です。
運慶作の大日如来坐像(国宝)です。
大正10年の修理の際、台座蓮肉頂板(てんばん)裏から運慶直筆の墨書銘が確認されています。
その内容は安元元年(1175)11月24日に注文を受け、ほぼ11ヶ月後の安元2年(1176)10月19日に寺に納められた事やその時の仏身料について書かれています。
元は本堂に安置され、平成2年(1990)に建立された多宝塔に安置され、現在は相應殿に遷座されています。
防犯上、高さ1mくらいのガラスに囲まれていますが、至近距離で拝する事ができます。
室町時代建立の本堂(重文)です。
ご本尊は平安時代の阿弥陀如来坐像(重文)です。
藤原期の定朝様式の阿弥陀さまで上品上生の定印を結ばれ、ふっくらとしたお姿が印象的です。
ご本尊を守護されている四天王は鎌倉時代の作で重文です。
聖徳太子二歳像「南無仏太子」です。
聖徳太子像は宗派を超えて、多くのお寺でお祀りされています。
楼門(重文)は応仁2年(1468)の再建で本堂からや庭園の池越しに見る景観もいいですね。
本堂の東側に鎮座されている春日堂と白山堂でともに鎌倉時代の創建で国宝です。
明治期の神仏分離を免れるために仏堂風に「堂」と称したようです。
庭園は平安時代後期の作庭で国の名勝庭園です。
浄土式と舟遊式とを併せ持つ庭園です。
運慶作の大日如来坐像(国宝)がメインのお寺ですが、他にも多くの文化財を所蔵されている柳生街道随一の名刹です。