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“安倍後継”抗争突入!国難を乗り切れるのは誰なのか… 「9月解散」説も急浮上 識者「岸田、石破、菅の3氏には十分に資格」(ポスト安倍、熾烈後継争い)

2020-09-01 | 日本の政治・経済

2020.8.30

記者会見で辞任の意向を語る安倍首相=官邸(代表撮影)

安倍晋三首相が28日に電撃辞任を表明したことで、自民党は後継総裁をめぐる抗争状態に突入した。現時点で「ポスト安倍」には、菅義偉官房長官と、岸田文雄政調会長、石破茂元幹事長らを推す声が出ている。総裁選はかつて、「武器を持たない戦争」といわれ、党内各派閥が今後の人事や党資金を見据えて、激しい攻防を繰り広げてきた。次期首相には、新型コロナウイルス対応や、日本経済の立て直し、米中対立が激化するなかでの日米同盟の維持など、課題が山積している。この「国難」を乗り切れるのは一体誰なのか。永田町では、「9月解散」説も急浮上している。 

自民党は、安倍首相(党総裁)の後継を選ぶ総裁選について、党員・党友らの直接投票は行わず、国会議員らの投票で決める両院議員総会で選ぶ方向。党幹部は「15日の投開票」を軸に調整している。

「ポスト安倍」の有力3候補の中では、新型コロナ対応や外交政策などの継続性を重視して、菅氏を推す声は強い。

政権のスポークスマンとして長期政権の屋台骨を支え、連立政権を組む公明党とのパイプも太い。二階派(志帥会、47人)率いる二階俊博幹事長との関係も良好だ。

特定の派閥は持たず、河井克行前法相ら側近議員の不祥事も相次ぎ、周辺には「私自身は(総裁選出馬は)全く考えていない。目前の課題である新型コロナ対策に全力で取り組んでいきたい」と語っていたが、それでも党内では無派閥の支持議員が数十人いる。「令和おじさん」として「選挙の顔」への期待も大きい。

一方、安倍首相の「意中の人」といわれてきたのが、岸田氏だ。

岸田氏は訪問先の新潟市で、「ポスト安倍」への意欲を記者団に問われ、「次を担うべく、しっかり努力していく気持ちは変わっていない」と強調した。

この後、東京に戻り、岸田派(宏池会、47人)の緊急会合に臨んだ。いまなお派内に影響力を持つ古賀誠元幹事長も交え、対応を協議した。

岸田氏は、2012年の第2次安倍政権発足後から約4年7カ月間、外相を務め、安倍首相の信頼も厚い。人柄も良く、政策通だが、「発信力不足」「地味だ」と言われ続けた。過去に総裁選への出馬経験がなく、18年には派内の主戦論を退け、安倍首相支援に回った。

今回は、最大派閥の細田派(清和会、98人)や、第2派閥の麻生派(志公会、54人)の支援にも期待しているが、両派がまとまるかは不透明だ。

「ポスト安倍」の世論調査でトップを走るのは石破氏だ。これまでに3回、総裁選に出馬したが、いずれも敗れてきた。28日夜は、テレビ各局の報道番組をはしごして出演した。

番組内でも、石破氏は「世論調査で多くの支持をいただいている私が、浅学非才で任に耐えませんと言えると思いますか。そんな無責任なことはできない」などと述べ、並々ならぬ意欲を見せた。

ただ、自ら率いる石破派(水月会、19人)の党内基盤は弱い。安倍政権の政策を批判し続ける姿勢があだとなり、かえって党内での支持の広がりに欠けている。

■上念司氏「財務省の言いなりにならない人物」

3人以外にも、河野太郎防衛相(57、麻生派=54人)や、茂木敏充外相(64、竹下派=54人)の動きも注目されている。国民的人気の高い小泉進次郎環境相(39、無派閥)は今回、出馬しないとみられる。

自民党内では、総裁選の勢いのまま「9月解散、10月衆院選」という政治日程も浮上している。総裁選と衆院選に勝利でき、国内外の課題を処理できる人物は誰なのか。

政治評論家の伊藤達美氏は「安倍首相の次は、コロナ対策に加え、外交や経済など、安倍路線を継承して発展させる仕事ができる人でなければ選ばれにくい。岸田、石破、菅の3氏には十分に資格がある。理屈だけではなく、阿吽(あうん)の呼吸で党と政府とをまとめられる能力も問われる。三者三様に、正々堂々と決意を語って戦ってほしい」と語る。

日本の周辺では、共産党独裁国家の中国が東シナ海や南シナ海での軍事的覇権を狙い、「自由」「民主主義」といった日本と同じ価値観を持つ米国と対立を深めている。核・ミサイルを保有する北朝鮮とは日本人拉致問題も抱える。憲法改正など残された課題も多い。

次の政権は、こうした苦境に立ち向かう信念、覚悟が問われている。なかでも、コロナ禍からの経済の立て直しへの目配りも大切だ。

今年4月から6月までのGDP(国内総生産)の実質伸び率は年率換算でマイナス27・8%と歴史的に落ち込んだ。

経済評論家の上念司氏は「ポスト安倍は、経済を安定させられる人物が一番いい。増税せず、財務省の言いなりにならない人物が求められる。その意味では、岸田氏は財務省に近すぎる。石破氏の経済路線は、これまでの安倍首相の路線と違い、リスクが高い。あり得ない。3人の中では、霞が関もグリップできている菅氏が有力ではないか」と語っている。


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