ステルスドラゴンとは潜龍=中国共産党中枢、のことです。
日本と中国の関係について、いま日本の大学に浸透した中国人学者がいつのまにか「教授」に納まり、日本人学生に中華史観を吹き込み、メディアでは論客扱いされている。13の大学にある孔子学院は野放し(米国では多くが閉鎖された)中国人留学生の特待生には授業料免除のほか月額18万円前後の援助が与えられる。彼らは中国へ帰国すると「反日派」になる。
以上、どうも日本は知略知力で中国に敗けている。
孫子の兵法を重んじる中国は敵をあざむくことを最も得意とするが、現在の中国の侵略先は台湾であり、侵攻のシナリオは時間の問題である。
認知作戦(Cognitive Operation)とはSNS浸透作戦による相手国民のマインド・コントロールである。これによる戦争を中国では「知能化戦争」と称し、これは中国の得意分野である。中国のハッカー要員はおよそ5万人と推定される。今後中国は現実の武力と共に「知能化戦争」で他国への侵略作戦を進めるであろう。
自衛隊のサイバー部隊は近未来の計画でも4千人程度、中国のサイバー部隊は20万人。日本の自衛隊の防衛大綱には仮想敵の明示が無い。中国は台湾と尖閣諸島を自国領と明記した法律を制定している。
限定的な領土戦争だったウクライナ紛争が、いまや西側全体と中国に支援されたロシアとの間のグローバルな経済的対立に発展した。これはすでに世界大戦である。
プーチンについて、2023年1月号フォーリンアフェアーズは:1.和解成立の可能性は低い、2. 苦戦を強いられたロシアは核を使用する可能性がある、3.中国の属国として生き延びる、の3つのシナリオを示した。
ノルドストリームのパイプを破壊したのは米国の秘密作戦であった。ウクライナは米国の支援を受けて戦争を継続しているので、これは米国の代理戦争である。
そして中国はロシアが疲れ切るのを待ってロシアを属国化する腹づもりである。
経済面では中国は米ドル基軸体制の転覆を謀っている。ウクライナ戦争によりロシアは西側から制裁を受けたためにドル、ユーロ決済を減らし、人民元決済に変更して経済活動を継続している。現実的には中国経済の成長率は鈍化しているので、人民元が基軸通貨として大きな割合を占めるのはいまから10年後ではないか、とは著者の推測です。
一方、中国の問題点はなにか。コロナ対策で北京で二ヶ月のロックダウンが施行されたので、中国の若者の海外移住願望は強く、日本に移住した数は一説に78万人とも言われる。この隣人達と共存するのは大変難しい。
日本の対外的態度として、岸田首相は2023年2月ウクライナに55億ドルの財政支援を表明しましたが、膝元では失われた30年からの回復もならない経済状態で他国の戦争支援とは不思議です。しかし国民はこれを特に問題にしないようです。
本書では中国と日本との問題点が多数指摘されておりますが、いずれの領域でも狡猾な隣国と、日本はどう付き合って行くのか、お花畑で遊んでいてよいのか、著者は警鐘を乱打しております。
目覚めよニッポン!
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます