フェンタニルで死亡するアメリカ人は年間70000人前後、しかもこの闇取引の決済が中国のマネーロンダリングのシステムに組み込まれている。
2024年4月、下院の中国問題特別委員会(当時の委員長=マイケル・ギャラガー)は一年に及んだ調査報告書を提出し、「中国共産党が税金の還付を利用してフェンタニル化学物質の製造と輸出を補助している。補助金、助成金その他の手段を用いて、中国は米国人に損害を与える一方で中国企業を豊かにしている」と指摘した。
「バイデン政権が中国の化学企業やメキシコの麻薬カルテル、大手製薬会社などによる違法薬物取引に対してまったくの無策で失敗を繰り返した。南部国境を不法移民に開放したことにより、何百万人もの不法移民とともに、これらの違法薬物の流入が全米に拡大した」。
米国は麻薬による夥しい死者という惨事に直面した。半年ごとにベトナム戦争中の死者数に匹敵する死者を出している。死者の大半はフェンタニルが混入した麻薬による。多くはメキシコの麻薬カルテルによって通常の鎮痛剤や抗うつ剤として販売されている。
報告が続く。
「中国はメキシコの麻薬カルテルに違法フェンタニル薬を製造する原料を供給し、米国内の中国人組織犯罪者がその収益の洗浄を担っている」
2017年から2020年にかけて行われた国務省などの調査は、留学ビザで入国した1,000人以上の中国共産党系の留学生が、不動産購入のためと称して、アメリカの銀行に10億ドル以上の麻薬資金を預けていた。
麻薬戦争を金融の分野に持ち込み、マネーロンダリング業者だけでなく、汚職を黙認、協力する銀行員にも法的責任を負わせる時が来ている。
5月7日、カナダのトロント・ドミニオン銀行(以下TDと略すことがある)が6億5,300万ドルの麻薬マネーロンダリング計画に関与していたとウォールストリート・ジャーナルが報道した。
司法省がTD銀行のマネーロンダリング犯罪の捜査を開始し、中国のマフィアと麻薬密売人らがカナダのトロント・ドミニオン銀行を利用して米国でのフェンタニル販売による資金洗浄を行っていたとした。
こういう手口が発見された。
中国人は年間5万ドルしか外貨持ち出しが出来ないが、大學授業料の平均は6・6万ドルである。教科書代など他諸経費が1万ドル、食費や賃貸は月に5000ドルかそれ以上かかる。
どうするのか。
中国人留学生は犯罪の意識が無く気軽に利用するのが地下銀行である。携帯電話のメッセージで『アルバイト』を探していると打ち込むと、地下銀行システム関係者が学生に連絡し、配達人と会うように指示する。そこで学生は現金の束を手渡される。生徒の両親は、同額(プラス手数料)を(中国国内の)口座に振り込むよう求められ、その金がフェンタニル原料を製造化学会社の口座に振り込まれ、メキシコの麻薬カルテルの未払い金を清算する。
地下銀行の典型的決済システムである。
外交問題評議会の国際資本移動の専門家、ブラッド・セッツァーは、「2024年第1四半期時点で中国からの資本逃避は年間約5,160億ドルのペースだ」と具体的な数次を上げた。
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