11-48.スーパーエイト
■原題:Super 8
■製作年・国:2011年、アメリカ
■上映時間:112分
■字幕:岸田恵子
■鑑賞日:7月18日、渋谷TOEI
■料金:1,800円
□監督・脚本・製作:J・J・エイブラムス
□製作:スティーヴン・スピルバーグ
□撮影監督:ラリー・フォン
□編集:マリアン・ブランドン、メアリー・ジョー・マーキー
□音楽:マイケル・ジアッキーノ
□美術:マーティン・ホイスト
◆カイル・チャンドラー(ジャック・ラム)
◆エル・ファニング(アリス・デイナード)
◆ジョエル・コートニー(ジョー・ラム)
◆ガブイエル・バッソ(マーティン)
◆ノア・エメリック(ネレク空軍大佐)
◆ロン・エルダード(ルイス・デイナード)
◆ライリー・グリフィス(チャールズ)
◆ライアン・リー(ケアリー)
◆ザック・ミルズ(プレストン)
【この映画について】
監督にTVドラマ「LOST」シリーズ等のヒットメーカー、J.J.エイブラムス、製作に巨匠スティーブン・スピルバーグという最強タッグが生み出した、SF超大作。舞台となるのは、ちょうど少年だったJ.J.が8mm映画作りに熱中していた1979年。そんなノスタルジックな空気の中で、ちょっと間が抜けているけれど憎めない少年たちが偶然に秘密を知ってしまい、冒険に出るストーリーは『グーニーズ』を、町にざわざわと異変が起こっていく様子は『未知との遭遇』を、そして作品の根幹には『E.T.』のスピリットを感じさせる。
つまり本作には、J.J.も大好きだったスピルバーグ作品のエッセンスが、山ほど詰まっているのだ。そして『クローバーフィールド/HAKAISHA』で見せた“主役は最後の最後まで見せない”J.J.お得意の恐怖演出も冴え渡り、懐かしさと新しい世代の映画術が融合した、世代を問わずに楽しめるエンターテインメント作品になっている。(この項、gooより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
1979年のオハイオ州。ある夜、主人公・ジョー・ラムを含む六人は、自主制作のゾンビ映画を作るため、スーパー8mmカメラを持って線路のすぐ近くで撮影をしていた。しかし、映画の撮影中に線路上で米空軍の物資を運んでいた貨物列車と線路を走っていた一台の車が激突し、後の大事故となる。列車が大炎上するほどの大事故であったが、ジョー達は奇跡的に全員無事であった。
電車に衝突した車の運転手、ジョー達の通う学校の生物教師であるウッドワードは、ジョー達に「今見たことを決して誰にも言ってはいけない。そうしなければ君達と、君達の親も殺される」と意味深な言葉を残したが、その言葉の真意はわからないまま時間は過ぎていった。そして、その夜から街では、住民が失踪、犬が逃げ出す、停電が続くなどの奇怪な事件が続出し、仲間のアリスも何者かに攫われてしまった。
騒動の原因であると推測された貨物の正体はジョー達が撮影した映画に偶然映っており、それを知ったジョー達は謎を解明するために学校へ忍び込み、ウッドワードの記録を辿る。記録では謎の貨物の正体とは高度な技術と超能力を持った宇宙人であった。ウッドワードはそれの研究機関の一員であり、その宇宙人を軍の手から離そうと考えていたのである。
アリスを攫った者の正体を知ったジョー達は、アリスを探すために街で調査を行い、列車から脱走した貨物、すなわち宇宙人の隠れ家を発見する。宇宙人はそこで捉えた人間を食し、地球から出るための準備をしていた。そこにはアリスもとらわれており、間一髪でアリスを救出できたジョー達は地上へ。
ジョー達が地上へ出た頃に宇宙人は既に地球から出るための準備を完成させており、地球を脱出した。アリスは父と、ジョーも父と再会を果たし、親子としてもそこに邂逅があった。
この映画は最近のスピルバーグ作品らしく事前にストーリー構成等が一切発表されずに、予告編も作成されたがそれだけでは内容を把握することすら出来ずに、従って、劇場で購入したプログラムにもストーリーは掲載されず。こうしてこの映画への期待感を最大限煽っておいて公開するという手法だが、簡単に言えば「スーパー8」は青春映画の代表作「スタンド・バイ・ミー」と「E.T.」と「グーニーズ」の良い所どりをして、そこにJ.J.(ジェフリー・ジェイコブ)エイブラムスの個性とスピルバーグならではのワクワク感をまぶして完成させたような出来だ。
8mm映写機で自主映画を製作する少年たちと彼らのアイドル?であるアリスとの関係は「スタンド・バイ・ミー」を想起させるし、謎の宇宙人が地球から自分の星へ戻るラストは「E.T.」かな?、この2つの流れに「グーニーズ」のスピード感が加えられているというのが私の雑感。
俳優陣は大物は見当たらず、アリス役のエル・ファニングは名子役として名を馳せた姉ダコタと共に子供ながら落ち着いた演技を見せる。エル・ファニングは場面毎に描かれ方が異なり、一緒に映画製作をしているときや父と一緒に時とでは表情や魅せ方まで違う。姉ダコタは年齢的に子役の枠を脱して「ランナウェイズ」ではパンク歌手の役を演じているが、大人の魅力を兼ね添えた演技派として脱皮し第一線級のスター女優としての地位を築けるか注目される。
妹エルは、まだまだこれから話題作などに出演して姉とは違う個性を発揮できるかに注目したい。
エンドロールでは、子供たちが製作して完成させた「ゾンビ」が映されるので、エンドロールと同時に席を離れずに最後まで観ましょう。