kintyre's Diary 新館

野球(西武ファン)や映画観賞記等を書き綴っています。野球のオフ期には関心の高いニュース等も取り上げています。

今日も負け!何が原因?、西武の最下位低迷要因を探る~投手編

2011-07-15 11:26:54 | 野球・埼玉西武ライオンズ2011

<勝利への執念>

もうすっかりチームは横浜状態で、負けるのは悔しいのだけどファンも選手達も負けに慣れてきた?のかな。西武は「勝って当たり前」の時代が広岡~森監督時代にあり、この場合の「勝って当たり前=日本シリーズ」という図式だったんですね...

前置きはここまでにして、要は、昨季終盤においてマジック4まで到達しながらも2位に沈みロッテにCSで敗退。ここからシーズンオフを挟んで、いまだに流れが悪いまま断ち切れない気がします。
思えば3.11東北大震災でプロ野球開幕が4月にずれ込んで、キャンプからの調整もやり直しになり「練習試合」という名目でオープン戦をこなし調整を続けたものの、その練習試合では今のチーム状況を暗示するような決定力不足が既に垣間見れていた。

震災後の不安でミンチェを除く外国人選手が「無断帰国」した上に開幕直前に滑り込みで帰国したものの、母国で調整をサボっていたのは明白で外国人投手は2軍スタートとつまづく。
抑えを予定していたシコースキーは右肘痛で早々にリタイアして帰国。代役として中継ぎで好調だった岡本篤を起用し、これが1カ月ほどハマっていたが、交流戦後半から失速し、リーグ戦再開後は貴重な先発投手だったルーキー牧田を起用している。不安視されていた中継ぎ陣はミンチェに安定感があり、彼が7~8回の間を安心して任せられる存在になっている。左腕ではサイドスローに転向した松永が星野に替わる存在として認知されてきたのは大きいが、グラマンが左肘痛で2軍落ちしており復帰目処も未定で、左腕は松永と2軍落ちしている江草がどこまで1軍で戦力になるか?
「イップス」藤田、長田は今年は戦力としての計算は立たないが、最近、木村が150キロ超の直球で安定してきたのは明るい材料。

先発陣は涌井、帆足、岸、西口、石井一で固定され、連戦時には平野が加わるが、エース涌井で貯金を作れないのが低迷の原因でもある。涌井は右肘の不調で一度ローテを離れたが現在は普通にローテで投げている。帆足も交流戦後半に左肘痛で離脱したが、こちらも、現在はローテで投げている。
岸は開幕時には足の故障で1軍登録はGWからで、その後も彼らしい投球は全体的に見られない。ベテランの石井一と西口は交流戦期間中は変則ローテだったが、西口は統一球になって防御率も良くなったが勝運を引き寄せるまでには至っておらず、石井一に関しては防御率4.50前後で推移しており「6回3失点」ペースの成績で打線の援護が得られなければ、自力で勝利を手繰り寄せることは難しく要所での失投が目に付くが身体的には西口共々問題無い。
ローテの谷間には平野、最近では菊池を起用したりで連戦を消化しているが、ベテラン2人を中5日で起用するのは長期的には難しく、菊池やルーキー大石の起用、若しくは抑えに別の投手を当てて牧田を復帰させるなどの策も必要であろう。

エース涌井がこれからも今日の様な無様な投球を続けていてはチームの浮上は有り得ず、球宴後の登板まで2軍で汗を流すしかない。投手陣には統一球導入は追い風であるが、銀仁朗の配球にも問題がありそうで今まで細川のリードに頼っていた投手陣は、これからは自ら投球を組み立てる努力をバッテリーコーチも含めてしていかないとダメだ。
特に、走者が塁上にいる時の牽制の少なさも問題で、SB戦では俊足走者に良いように走られていたので注意が必要だ。
先発投手は、兎に角、味方打線が先取点を取ってくれるまで試合を作る粘り強い投球が求められますね。

 


西武、オリックスに3連勝も後味悪い「故意死球」で両軍もみ合いに

2011-07-11 22:02:00 | 野球・埼玉西武ライオンズ2011
チ  ー  ム 
オリックス
埼玉西武

  【責任投手】
○岸3
勝2敗
●木佐貫1勝6敗

【本塁打】
栗山2号(西)

 【戦評】
今日の試合は帰宅後、4回裏途中からTV観戦。途中経過を携帯でチェックしていたけど、初回から5点を奪った様子で「中村がまた本塁打かな?」なんて想像して戻って確認したら、2番原から7番大島まで6打者連続出塁と打線が繋がっての5点で、これは今日は楽勝...なんてムードに浸っていたけど、確かに楽勝なんだけど、6回裏の「あわや大乱闘」劇にはTVで観ていて「ムッ」としました。

 

このシーンについては↑の映像を添付しましたのでご覧頂いて判断して下さい。場面を解説しますが、6-1の6回裏でこの回にも2点を追加して8-1。投手は横浜から今季加入した左腕高宮で打者はナカジ。1ボール0ストライクになったところで、何故か、オリの福間投手コーチがマウンドに。解説の兄やんも私も「この場面と展開で投手コーチが何の用?」って思いました。
この謎が解けたのが、この後の問題シーン。高宮が投じた2球目は捕手斉藤の構えたミットとは全然違いナカジの左腕を直撃する死球。福間コーチが指示したのは「中島にぶつけろ!」だった。誰が見ても高宮の投球は明らかに「当てる意志」がアリアリ。
オリの岡田監督は普段から死球に敏感なコメントを寄せているけど、自チームの投手が当てた時は知らんぷり。何故か山田バッテリーコーチまでが激高していて、それを挑発と受け止めたナベQ監督までが激高して収拾がつかず。その間にも柳田球審は止めに入る訳でもなく、ここでも柳田球審(元ヤクルト-近鉄)の西武嫌いぶりが発揮されてスタンドのファンからも野次が飛んだりと...もう滅茶苦茶。

死球に関しては当てられたチームを応援しているファンは怒るだろうし、当てた方のファンは「何を怒っているんだ、ふざけるな!」で議論が噛み合う事は無い。私はライオンズファン、西武投手陣の与死球が多いのも当時ハムの高橋信(現・読売)への頭部死球で後遺症を与えたことも知っています。
高橋信への死球は気の毒ですが、与えた藤田もその後、右打者の内角を攻めることが出来なくなり精彩を欠いている(現在2軍調整中)のも事実。今季も岩崎(現在2軍調整中)が千葉ロッテのサブロー(現・読売の大村)にぶつけて怪我をさせてしまった。しかし、これらはアクシデントであり、今日の試合の様に投手コーチが「ぶつけろ」何て指示しません。

You Tubeに掲載されたこの映像のコメント欄には過激な書き込みがあるようですが、高宮はこの後、中村を併殺に仕留めベンチに戻ってくる際に、満面の笑みを浮かべていて、それを塁上からコーチと共に見ていたナカジが再びキレそうになっていた。ナカジは8回の打席に入る時、明らかに怒りを表情に出し本塁打狙いの強振をしたけど3塁ゴロに終わった。
西武の試合で実際に乱闘になるのは稀だ。以前、死球を巡って細川捕手が千葉ロッテのベニーに暴行されたけど、ナカジも中村も死球で乱闘になったことは記憶に無い。西武の選手はぶつけても「精々睨み返す」程度と思われ舐められているかも。そのナカジがあそこまで怒りを露わにするのは、「狙われた」と感じたからでしょう。乱闘を奨励するつもりは毛頭ありませんが、どうみても今日のは「故意死球」ですよ。MLBだったら数人の退場者が出る騒ぎになったでしょう、日本人はそれでも大人しいし選手の中で一番興奮していたのもフェルナンデスでしたね。

試合終了後、西武の光山コーチ(元近鉄)がオリベンチに向かって行ったところを別のコーチが止めさせたりと、3連勝して終わった試合なのに後味の悪さだけが残った。
ヒーローインタビューの岸の表情も浮かない顔つきで、原だけはしっかりと嬉しそうに受け答えをしていたのが印象的だった。

オリ4連戦は3-1と勝ち越しましたが、ここからはビジターでの9連戦が待っている。特に、千葉での3連戦は苦手の唐川が明日の先発で、昨季から相性の悪いマリーンズ戦にも勝ち越さないと本物とは言えないね。


映画『メタルヘッド』を観て

2011-07-10 23:02:54 | アメリカ映画 2011

11-45.メタルヘッド
■原題:Hesher
■製作年・国:2010
年、アメリカ
■上映時間:106分
■字幕翻訳:山門珠美
■鑑賞日:7月10
日、シアターN渋谷(渋谷)
■料金:1,800円

 
□監督・脚本・製作・編集:スペンサー・サッサー
□脚本:デヴィッド・マイコッド
□撮影監督:モーガン・ピエール・サッサー
□編集:マイケル・マクスカー
□衣装:エイプリル・ネピア
□音楽:フランソワ・テータ
◆ジョセフ・ゴードン=レヴィット(ヘッシャー)
◆ナタリー・ポートマン(ニコール)
◆デヴィン・ブロシュー(TJ)
◆レイン・ウィルソン(ポール・フォーニー)
◆パイパー・ローリー(マデリン・フォーニー)
◆ブレンダン・ヒル(ダスティン)
◆キャロル・リンチ(中古車ディーラー)
◆モニカ・スタッグス(ママ)
◆フランク・コリソン(葬儀進行係)
【この映画について】
アナーキーで変わり者のヘッシャーと名乗る男が、母の死から立ち直れない13歳の少年とその父や、人生を見失った女の前に突然現れ、彼らの傷ついた人生を彼なりのワイルドな行動の数々で過激に再生していく過程を、ヘビーメタルの爆音サウンドと共に描くヒューマンドラマ。若手映像作家スペンサー・サッサーがメガホンを取り、愛と再生の寓話(ぐうわ)で長編デビューを果たした。
『ブラック・スワン』のナタリー・ポートマン、『インセプション』のジョセフ・ゴードン=レヴィットら演技派スターたちの共演も見逃せない。(この項、シネマトゥデイより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
自動車事故で母を失い、心に大きな傷を負った13歳の少年TJと、妻の死から立ち直れないその父親ポール。二人は今はポールの母マデリンと一緒に三人で生活しているが、ポールは抜け殻のようになって妻の死が受け入れられなず、息子TJも母を失ったことで心に傷を負っている。
ポールは事故車を中古車ディーラーに売却し生活の足しにしようとするが、TJは母との思い出が詰まった車がディーラーの手に渡るのは阻止したかったが、彼には車を買い戻す術は無かった。しかも、ディーラーの息子ダスティンは、TJと同じ学校に通う上級生で、学校で陰湿ないじめを受けていた。

そして、人生を見失い、スーパーのレジ係として働く女性ニコール。彼らの前に突然、長髪で半裸の謎の男ヘッシャーが現れる。大柄なヘッシャーはTJが自転車を走らせていたある日工場現場で転倒してしまう。その怒りを建築中の建物に向かって石を投げてガラスを割る。すると、そこをねぐらにしていた長身で長髪の男が現れTJに制裁を加えた。
その時、警備員の車がやって来るがその男はオンボロのバンで去って行った。

だが、その日以来、ヘッシャーと名乗るその男は、TJの祖母の家に勝手に住みついて、大音響でヘヴィメタルを流しながら、下品で乱暴な言動によって様々なトラブルを起こす。だが、過激でパワフルな彼のバイタリティは、暗く沈んでいた者たちを勇気づける。それによって、彼らはもう一度前を向き、新たな人生を歩み始める……。

スーパーのレジ係で、スーパーの駐車場でダスティンに暴行されていた所を二コールに助けられたTJ。自分の人生に二コールとヘッシャーの二人が関わって来て、更に、一緒に住む祖母マデリンとヘッシャーにも新たな関係が出来始める気配が。何時まで経っても立ち直れない父ポールに嫌気が差して自力で何とか車を取り戻そうと努力するTJ、そんなTJを自分なりに見守るヘッシャー、仄かな恋心を二コールに対して感じながらもヘッシャーに裏切られるTJ。

そんなこんなである日、突然現れたヘッシャーに堪忍袋の緒が切れて絶交を宣言し家から追い出したTJ。そこに、心臓病を患っていたマデリンが自宅で倒れて急死する。妻の死からの悲しみが抜けきれないうちに、今度はマデリンの死。そのマデリンの葬式に、姿を消していたヘッシャーがいきなり会場に現れ...ヘッシャーはマデリンとの約束を果たしに来たと言い、参列者を唖然とさせる行動に出た。

ストーリーはこんな感じですが、このヘッシャーを演じたジョセフ・ゴードン=レヴィット、彼は、「(500)日のサマー」で好きな女性に失恋してしまう頼りない青年役を演じていたのだが、ここでは一転して正反対な「パンク野郎」を好演している。いったいどちらが彼の個性なのか迷うほど、ここでは「ヘッシャー」で強烈な個性を発揮している
そもそも原題の「ヘッシャー、Hesher」とは名前ではなく「大のヘビメタ好き」を意味する俗語だそうで、劇中でもヘビメタバンドの「メタリカ」の曲が数曲使われていて映画の良いアクセントになっている。
この映画にはヘッシャー対TJ親子、ヘッシャー対マデリン、TJ対中古車ディーラー父子、二コール対TJ、ヘッシャーといった関係が違和感なく描かれている点は脚本の上手さを感じる。だが、あくまでも中心は母であり妻を失ったTJ親子の心の葛藤がメイン。二コール・キッドマン演じるレジ係の女性の物語は、あくまでもサイドストーリー的な位置付けで、「ブラック・スワン」でアカデミー賞主演女優賞を受賞した彼女が主演では無いので、彼女の演技や主役的な位置付けを期待して観にいくと「肩すかし」を喰らうかも。
ニコール・キッドマンがこういう小品?的な作品に出演していると言う話題性で観た方ががっかりしないが、孤独な人生を送るアラサー独身女性ってこんな感じ?ってな演技は良かった。彼女の登場シーンは出るシーンと出ていないシーンがはっきりしていて、あくまでも、TJとヘッシャーが中心です。

それにしてもジョセフ・ゴードン=レヴィットは「(500)日のサマー」で演じた草食系男子からは想像も付かない役所で、これ程までに極端なキャラをよくぞ演じたと賛辞を個人的に贈りたい。脇役ではTJの父を演じたレイン・ウィルソンも良い味出しています。
ミニシアター系での上映だったので、DVD発売時に観る方が多いでしょうが是非ご覧ください。


フェルナンデス、中村の2発で連敗は「6」でストップ!

2011-07-09 22:40:36 | 野球・埼玉西武ライオンズ2011

              プロ野球観戦記録NO.14
             ○埼玉西武 7-4 オリックス○

チ  ー  ム 
オリックス
埼玉西武

【責任投手】
○涌井5
勝6敗
S牧田2勝4敗3S
●近藤1勝1敗

 【投手-捕手】
(オ)近藤、香月、高宮、桑原、伊原-斉藤、鈴木
(西)涌井、星野、ミンチェ、牧田-銀仁朗

 【試合観戦評】
昨日まで6連敗中で今月未勝利のライオンズ、投打が噛み合わずに楽天の背中を追う位置にまで落ちてしまうなんて情けなさすぎる。連日、暑い最中に応援に行っているファンに申し訳ないと感じているのだろうか?

 

今年も今日から始まった「2011ライオンズ・クラシック」は西鉄ライオンズ初代監督三原脩氏生誕100周年記念としてのイベントとなり、試合前のセレモニーでは西鉄OBである中西太氏(三原氏の女婿)と豊田氏が来場し、遥か後輩の現ライオンズナインに「野武士魂」をファンの前で注入したのでした。
そんな偉大なOB2氏の前で無様な試合は出来ません!初回、先頭の栗山がT-岡田のエラーで2塁に到達し2番原のバントで3進、3番ナカジ四球で出塁、4番中村の中犠飛で1点先取という流れるような攻撃で初回に点を取ったのは何時以来かな?これは、今日こそ連敗ストップ出来るぞ!ってムードがスタンドに漂いました。
中盤にオリに同点にされたものの、直後の5回裏、2死無走者からナカジが四球で出塁し中村が安打で繋いだチャンスにフェルが3ランを放ち5-2と3点リード。

 

これで涌井も楽になるだろうと思った矢先の6回裏途中で降板し継投に。点を取っても奪われる苦しい展開で1点差にまで詰め寄られるも、7回裏に、再び2死無走者からナカジが四球を選び、ここで中村が桑原から目の醒めるような弾丸ライナーが左翼席へ飛び込む2ランで決着した。
ここまでの得点シーンが「ナカジ四球→中村犠飛・安打・2ラン→フェル安打・3ラン」とクリーンアップ3人が四球で出塁して、4番と5番が還すという理想的なパターンでオリを下した。

投手陣はエース涌井は褒められる内容では無いが何とか勝利投手に輝き、星野はダメだけどミンチェと牧田の2人は安定感がある。特に、9回に牧田の名前がコールされると球場全体が凄い声援に包まれ盛り上がった。チームの投手からは唯一の球宴出場で疲労蓄積も心配だが、その牧田は打者4人で無得点で抑え3セーブ目。

これで今月初勝利は情けないけど、取りあえず連敗を止めたのから、今度は連勝とシリーズ勝ち越しに向けて全力を傾けてもらいたい。

                    【2011プロ野球観戦履歴】

NO. 日 付 球  場 対戦チーム スコア 勝敗 先発(L) 先発(相手) 勝利投手 メモ
1 3/02 東京ドーム 読売 2-3x × 大石 澤村 金刃 オープン戦
2 5/03 西武ドーム 千葉ロッテ 5-10 × 涌井 成瀬 成瀬 本拠地初戦
3 5/04 西武ドーム 千葉ロッテ 2-8 × 石井一 唐川 唐川 リーグ戦
4 5/05 西武ドーム 千葉ロッテ 5-3 西口 渡辺俊 西口 リーグ戦
5 5/21 西武ドーム 中日 13-4 山井 交流戦
6 5/28 西武ドーム 東京ヤクルト 3-2 石川 交流戦
7 5/29 西武ドーム 東京ヤクルト 10-1 帆足 増渕 帆足 交流戦
8 6/01 西武ドーム 読売 4-1 涌井 金刃 涌井 交流戦
9 6/05 横浜スタジアム 横浜 4-5 × ハミルトン 牛田 交流戦
10 6/11 西武ドーム 阪神 0-4 × 石井一 能見 能見 交流戦
11 6/18 東京ドーム 読売 1-2 × 涌井 内海 内海 交流戦
12 6/19 東京ドーム 読売 1-10 × 牧田 澤村 澤村 交流戦
13 6/26 西武ドーム 東北楽天 5-4 石井一 川井 石井一 リーグ戦
14 7/02 西武ドーム 北海道日本ハム 2-4 × 涌井 武田勝 武田勝 リーグ戦
15 7/09 西武ドーム オリックス 7-4 涌井 近藤 涌井 リーグ戦

 


映画『127時間』を観て

2011-07-08 21:44:30 | アメリカ映画 2011

11-44.127時間
■原題:127Hours
■製作年・国:2010
年、アメリカ
■上映時間:94分
■字幕翻訳:林完治
■鑑賞日:7月1
日、TOHOシネマズシャンテ(日比谷)
■料金:1,000円

 
□監督・脚本・製作:ダニー・ボイル
□脚本:サイモン・ビューフォイ
□撮影監督:アンソニー・ドッド・マントル、エンリケ・シャディアック
□編集:ジョン・ハリス
□美術:スティラット・アン・ラーラーブ
◆ジェームズ・フランコ(アーロン・ラルストン)
◆アンバー・タンブリン(ミーガン)
◆ケイト・マーラ(クリスティ)
◆クレマンス・ポエジー(ラナ)
◆ケイト・バートン(アーロンの母)
◆リジー・キャプラン(ソニア)
【この映画について】
『スラムドッグ$ミリオネア』でアカデミー賞8部門に輝いたダニー・ボイル監督が、断崖に腕を挟まれ動けなくなった男性の実話(アルピニストとして活動しているアーロン・ラルストン氏の実体験をもとにした原作「127時間」)を映画化。
落石に運命を決められた瞬間から、生命の限界を迎えるまでの127時間、死の恐怖に直面し、絶望の底で“人生”を体験する。そして遂に彼はある“決断”を下す―何が何でも生きるために…。
第83回アカデミー賞で作品賞、主演男優賞をはじめとする6部門でノミネートされた。“生きたい”という情熱を体いっぱいで演じ切ったジェームズ・フランコの陽気さとクールさ、そして並はずれた演技力は驚嘆の一言だ。
(この項、gooより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
タフなヒーロー気取りで人と深く関わらずに生きてきたアーロン・ラルストン。開放的な陽気さとクールな一面を合わせ持つ魅力的な青年だ。2003年4月25日の金曜の夜、彼はいつものように1人でロッククライミングを楽しむため、慣れ親しんだユタ州、ブルー・ジョン・キャニオンに向けて出発する。妹のソニアからの留守電メッセージが流れるが、準備に忙しいアーロンは電話に出ることは無かった。

朝、車から降ろしたマウンテンバイクにまたがり、ビッグ・ドロップへと向かう。道に迷ったクリスティとミーガンに出会ったアーロンは洞窟へのガイドを買って出る。岩と岩の狭い隙間から、真下に広がる泉にダイブするアーロンに驚き、心から楽しんだ彼女たちから、別れ際に明日のパーティに誘われる。
2人と分かれたアーロンは、目的地のビッグ・ドロップに向かう途中、落石に右腕を挟まれ、狭い谷底から一歩も動けなくなってしまったのだ。助けを求める叫び声は無人の荒野に虚しく響き渡る。知識と経験を総動員して岩を撤去しようとするが、ガッチリと挟まった岩はピクリとも動かない。死を目前にして初めて自分の人生と向き合うアーロン。自分勝手に生き、両親にも、友達にも、恋人にも決して心を開かなかった。

衰弱してゆく身体を引き裂くように襲い掛かる後悔、それと同時に湧き上がる“生きたい”という生への執着と情熱。そして生命の限界を越えた127時間後、遂に彼は決断する……。

うんともすんとも言わない巨岩に挟まれた腕、彼の生への執念からあらゆる知恵と経験から手段を講じたが、遂に、アーロンは究極の措置を取った。それは...持参した登山ナイフで自らの腕を切り落とすという決断だった。登山ナイフという本来の目的外の使用に、彼の腕は感覚を失ったままひたすら生の為に腕にナイフを突き刺すアーロン。
彼の執念が実り、腕と引き換えに何とかこの窮地を脱出し、地上に到達した彼は途中通りかかった二人に救助された。
彼は岩に閉じ込められていた127時間、この間に彼の脳裏には自分の人生についてあらゆる場面が走馬灯のように駆け巡っていた。親に対する感謝や妹の結婚式をすっぽかしてしまったことや、アルバイト先の店長が救助要請を出してくれることへの期待や、クリスティとミーガンとの再会など。
その後、彼はこの体験を元に各地で講演活動に忙しいそうだが、それでも、キャニオニング(渓谷歩き)は今でも一人で続けているそうだが、行く前には必ず家族に行き先と予定を告げてから行くことにしたそうだ。

映画としては大部分が主演ジェームズ・フランコの独演で、共演者の登場シーンも冒頭の二人の女性程度。更に、場面も殆どが岩山と岩石に挟まれて窮地に陥るシーンだけ。こういう限定的なシーンの連続でも、ボイル監督はアーロンが生への執念を見せる場面を工夫し退屈させない。
ジェームズ・フランコの演技も、絶望的な場面ばかりの演技では得てして暗くなりがちだが、彼の個性で決してめげない明るさと生への執念をみせる演技はアカデミー賞主演男優賞候補に相応しいものだった。最後に、本物のアーロンが登場したのも、本作の出来ごとに真実味を持たせる意味でも正解だった。


松本復興相、波紋呼ぶ被災地2知事恫喝発言!

2011-07-04 22:32:15 | 時事ニュース・国内

松本復興担当相は、就任後初めて岩手、宮城両県を訪ね、達増岩手県知事村井宮城県知事と両県庁で個別に会談した。松本復興相は達増知事(元民主党)に対し「知恵を出したところは助け、知恵を出さないやつは助けない。そのぐらいの気持ちを持ってほしい」と述べ、復興政策には被災自治体の主体的な取り組みが不可欠との認識を示した。

宮城県の村井知事との会談で、同県が復興計画案で掲げた漁港集約方針に水産業者が反発している問題に言及。「県でコンセンサスを得るべきだ。そうしないと我々は何もしない。ちゃんとやってもらいたい」と語り、まずは宮城県内の意見集約を要請した。

こう書くと松本復興相が被災地の県知事と直接面会して要望を聞いたことになるが、要はその時に知事に対しての言葉遣いが問題視されている。まるで国と地方自治体の間に主従関係があるようで、明らかに上から目線での恫喝的発言は選挙で選ばれた被災地の代表者でもある知事を下に見ており被災者の感情を逆なでする行為だ。
そもそも宮城県庁での村井知事との会談に知事が「遅れて入室」してきたことに逆切れしたことが端緒だ。この接遇に対して、宮城県庁秘書室によると「会談時間の数分前に松本復興相を応接室にご案内し、お茶を出したり、報道陣のテレビカメラの設置が完了したのを待って、時間通りに知事が入室した」。つまり、入室が遅れた事実はないという。県庁で知事の来客がある際には、「誰であっても知事よりも先に応接室へ入室してもらうのが一般的」(秘書課)という。来客が資料を整理しているときなどに知事がその場にいたら、逆に失礼に当たるという配慮もある。

それでもこのお方にはそういう「しきたり」も通用しなかったらしい。何しろ「県知事なんて大臣より下」との意識が強いからそんなことより俺様のプライドが許さん、そんな線でしょうか?
自衛隊違憲を党是(村山首相就任時に撤回したけど)としていた「社会党(現、社民党)出身」の松本復興相は自衛隊出身の村井知事に対して「長幼の序が分かっている自衛隊ならそんなことやるぞ」と皮肉るような発言をした。
これに対して防衛省広報は「確かに階級のある部内では長幼の序という考えがあるかも知れない。ただ、部外の人と会談するときには当てはまらない。そもそもどうやって上下関係を付けるのか判断できない」とのコメントを出している。

枝野官房長官は記者会見で、「松本氏は強い責任感と使命感のもとで仕事をしている。私からあえて(真意を)確認する性格のものではない」と聞き取りはしない考えを示した。
自民党の逢沢国対委員長は「『被災地が、われわれの言うことを聞かなきゃ応援しないぞ、復興を手助けしない』なんていうことは、暴言以外の何物でもない」と批判している。

菅首相は3度も復興相就任を固辞していた松本氏を押し切る形で復興大臣に任命したことで、野党側からも、また、民主党内からでさえ任命責任を問う声が出ている。菅内閣の末期的症状は救いようが無いとしか言えない。

◇松本復興相 発言の要旨
<岩手県庁での達増知事との会談>
俺九州の人間だから、東北が何市がどこの県とか分からない。
本当はね、仮設住宅はあなたたちの仕事だから、仮設よりも次の恒久住宅みたいなのを我々は構想する。だから、どういう知恵が出せるか、これからは知恵合戦だ。
知事は県産品ばっかり売っているから、青森とか北海道の業者呼んで、その人たちに、例えば、県内で雇ってやれよと言えばいい。そのくらいの気持ちでやっていかないと。ちょっともどかしかったのは、緊急雇用創出基金とかいうのも提示をしたが、地方に伝わっていない。どんどん使いな。

俺なんかちゃんとアイデアもっているだろ。ずっとこの仕事やっているから、ずっと指示しているから。国は今、進んだことやっているから、まずそこに付いてこないと。
知恵出したところは助けますけど、知恵出さないやつは助けない、そのくらいの気持ちを持って。だから昨日、宮古市の山本(正徳市長)にも言ったけど、もうアレがほしいコレがほしいはダメだぞ、知恵出せよ、という話をした。あれ俺の弟みたいなものだから。甘えるなと言った。


中村の21号2ランも実らずハムに3連敗で最下位転落!

2011-07-03 17:09:28 | 野球・埼玉西武ライオンズ2011
チ  ー  ム 
北海道日本ハム
埼玉西武

 【責任投手】
○ケッペル8
勝2敗
S武田久1勝0敗21S
●石井一3勝4敗

【本塁打】
中村21号(西)

 【戦評】
交流戦後の10連戦も今日までですが、ここまで4-5と負け越しているので何としても勝って最低でも5-5のタイと同一カードの地元での3連敗だけは避けたいのは当然。先発は石井一とケッペルでした。
先取点を与えず、先取点を先に奪いたかったのですが2回にハム打線に3連続2塁打(小谷野牽制死あり)を浴びて早くも1点を許す。中盤は安定した内容だったが6回に2点を与え6回投げて3失点という防御率通りの投球内容で降板した。
直後の6回裏に中村の2ラン本塁打で3-2と1点差にまで接近するが、7回表に、太陽が2死無走者から貧打の捕手鶴岡に安打を許したのをきっかけに杉谷にタイムリーを浴びる失態。TV解説の片平さんも銀仁朗の配球ミスを指摘していた通り、厳しいコースに投げないとダメだ。そもそも杉谷はプロ初安打を今シリーズで打ったばかりの選手なのに、そんな選手に打たれていては勝てないのは当然か?

 

7回裏には先頭熊代の2塁打を活かせず無得点、8回裏のにも先頭の片岡が珍しく2塁打で出塁も3番ナカジは三振で5番栗山は2ゴロゲッツーでお終り。ハムの選手には繋ぐ気持ちが感じられるが、西武ナインには「俺が決める!」の気持ちばかりが先だって繋ぐ気持ちは無し。栗山もナカジもゲッツーが多い選手だが、「5番栗山」から「2番栗山」に戻した方がチームの為にも良い。
最後は武田久にこの試合始めて3者凡退に退けられ3連敗、そして、チームは最下位に転落した。不振のブラウンに替わる外国人選手の補強もなさそうで、球宴前に再び13連戦が待っている。ズルズルと行けばナベQ監督の進退問題に火が付きそうだ。

これで10連戦は4-6と2つも借金を増やすだけの結果で終わり、月曜と木曜は休みで間の2日間をSBと対戦する。岸-ホールトン、西口-和田の対戦が予想される。

[ナベQ監督の言い訳けを聞け!](カッコ内は管理人のコメントです)
ここのところ点を取った後に取られるというゲームが多く、流れというものが野球にはあるからね。あそこで1点差まで詰め寄ってるから直後を抑えなければという感じ。(では、何で太陽なのか?平野投入でも良かったのでは?「勝利への執念」がベンチに足りない!)
杉谷に打たれたところは配球ミス。前進守備を敷いているのに、高めのストレートを要求してはだめだね。話になっていない。(コーチは銀仁朗に普段からどういう指導をしているの?監督はそれを把握しているのか?)

結果的に4勝6敗。今日のゲームは勝たなければならなかったのだけれど、先制されてしまい、どうしても後手に回ってしまった。(先手を打つべく作戦をベンチは立てているの?)
先発がゲームを作っていかなければならない。この3連敗というのはチームにとっては痛いんだけれど、明日1日空くので、明後日からのホークス戦で仕事できるようにしたいと思います。(先発もそうだけど打線にも問題があるのは明白。)


フェルナンデスの代打本塁打で追い上げるも、主軸が打てずハムに連敗!

2011-07-02 22:12:33 | 野球・埼玉西武ライオンズ2011

             プロ野球観戦記録NO.13
          ×埼玉西武 2-4 北海道日本ハム○

チ  ー  ム 
北海道日本ハム
埼玉西武

【責任投手】
○武田勝6
勝5敗
S武田久1勝0敗20S
●涌井4勝6敗

 【投手-捕手】
(ハ)武田勝、榊原、宮西、増井、武田久-大野
(西)涌井、江草、ミンチェ-銀仁朗

 【試合観戦評】
10連戦を8試合(ホーム2-3、ビジター2-1)消化して4-4の五分と、まるで首位チームの様な余裕などあるはずないのに、相変わらず勝率5割は遠くAクラス確保より楽天に追い抜かれないようにしなければならない情けないチーム状態の中での週末の試合の先発は涌井と武田勝。武田勝は防御率1点台ながら、信じられないほどバックの援護が無い「勝運の無い投手」ですが、涌井も連敗中でどうなるのでしょうか?

試合は2回に中島の3塁への送球エラーで1点をミスミス与えてしまい、3回には2四球と2安打で2点を失い早くもスタンドには重苦しいムードが漂い始め...。打線は2回に2死無走者から連続四球で塁上を賑わしたが銀仁朗が凡退。最近、チャンスに彼に廻って来てそこで終わるケースが多い。3回には浅村、片岡の連続安打があったが2塁走者浅村がハムのピックオフプレーに反応できず牽制死の大チョンボ。結局、ナカジも三振で無得点のまま。
両チーム共に中盤は淡々と進み、西武は7回に2死1塁から代打のフェルが宮西のスライダーを捕える2ラン本塁で3-2と1点差に詰め寄る。


1点差になったものの直後の8回表に失点し再び2点差に。それでも8回裏は安打と四球で無死1,2塁と絶好のチャンスを迎えるが、2番片岡はバントを2度失敗した挙句に見逃し三振という、ベンチの期待もスタンドのファンの期待も裏切る結果に。バントミスを右打ちで進塁させることも出来ないでは試合に勝てる訳がない。後続のナカジも「お約束のゲッツー」で3アウト。これで席を立ったファンは多かった。
片岡は三振に倒れても悔しそうな素振りも見せずに元気なくベンチに戻って行ったが、このままでは何番を打たせても同じ結果を招くだろう。結果論になるが、仮にバント成功で1死2,3塁になれば併殺の可能性も少なくナカジの遊ゴロでも1点入っていたかも。

最大のチャンスを逃して2位のチームに勝てる訳が無く、今日は3番ナカジで悉く打線が途切れてしまった。主軸が打てず、エースがピリッとしない投球ではチームの浮上は当面難しそうな試合内容だった。
ハムには機動力を存分に使われ、バッテリーの警戒心が足りないので走られ放題で銀仁朗のリードにも問題がありそうだが、その辺は光山コーチもしっかりと指導しなければダメだ。作戦面ではハムが活かした機動力を本来はホームの西武がするべき作戦だ。ここのところベンチの作戦上の無策(ナベQ監督も腕組みをしているだけではダメだ)がチームを活気づけさせていない要因でもあると私は思う。
片岡の不振で足が使えなくても、エンドランや若手俊足選手の単独盗塁など西武は本来機動力を使うのが伝統なのだがどうなっちゃったのかな?

                  【2011プロ野球観戦履歴】

NO. 日 付 球  場 対戦チーム スコア 勝敗 先発(L) 先発(相手) 勝利投手 メモ
1 3/02 東京ドーム 読売 2-3x × 大石 澤村 金刃 オープン戦
2 5/03 西武ドーム 千葉ロッテ 5-10 × 涌井 成瀬 成瀬 本拠地初戦
3 5/04 西武ドーム 千葉ロッテ 2-8 × 石井一 唐川 唐川 リーグ戦
4 5/05 西武ドーム 千葉ロッテ 5-3 西口 渡辺俊 西口 リーグ戦
5 5/21 西武ドーム 中日 13-4 山井 交流戦
6 5/28 西武ドーム 東京ヤクルト 3-2 石川 交流戦
7 5/29 西武ドーム 東京ヤクルト 10-1 帆足 増渕 帆足 交流戦
8 6/01 西武ドーム 読売 4-1 涌井 金刃 涌井 交流戦
9 6/05 横浜スタジアム 横浜 4-5 × ハミルトン 牛田 交流戦
10 6/11 西武ドーム 阪神 0-4 × 石井一 能見 能見 交流戦
11 6/18 東京ドーム 読売 1-2 × 涌井 内海 内海 交流戦
12 6/19 東京ドーム 読売 1-10 × 牧田 澤村 澤村 交流戦
13 6/26 西武ドーム 東北楽天 5-4 石井一 川井 石井一 リーグ戦
14 7/02 西武ドーム 北海道日本ハム 2-4 × 涌井 武田勝 武田勝 リーグ戦

映画『テンペスト』を観て

2011-07-01 13:51:00 | アメリカ映画 2011

11-43.テンペスト
■原題:The Tempest
■製作年・国:2010
年、アメリカ
■上映時間:110分
■字幕翻訳:佐藤恵子
■鑑賞日:7月1
日、TOHOシネマズシャンテ(日比谷)
■料金:1,000円


□監督・脚本・製作:ジュリー・テイモア
□原作:ウィリアム・シェイクスピア
□撮影監督:スチュアート・ドライバーグ
□衣装デザイン:サンディ・パウエル
□美術:マーク・フリードバーグ
□音楽:エリオット・ゴールデンサール
◆ヘレン・ミレン(プロスペラ)
◆ラッセル・ブランド(トリンキュロー)
◆リーヴ・カーニー(ファーディナンド王子)
◆トム・コンティ(ゴンザーロ)
◆クリス・クーパー(アントーニオ)
◆アラン・カミング(セバスチャン)
◆ジャイモン・フンスー(キャリバン)
◆フェリシティ・ジョーンズ(ミランダ)
◆アルフレッド・モリナ(ステファノー)
◆デヴィッド・ストラザーン(アロンゾー)
◆ベン・ウィショー(エアリエル)
【この映画について】
ミュージカル「ライオンキング」の舞台で斬新な演出を施し、世界に一躍名をとどろかしたジュリー・テイモア。映画界にも進出した彼女は、シェイクスピア原作の『タイタス』で先進的な映像スタイルを見せる。続く『フリーダ』『アクロス・ザ・ユニバース』といった監督作品で、映画にも才能があることを示した。本作では『クイーン』でアカデミー主演女優賞を得たヘレン・ミレンを起用し、原作のシェイクスピア作品では男性だった主人公プロスペローを女性のプロスペラに変更。
本年度アカデミー賞衣装デザイン賞にもノミネートされた見事な衣装、実力派の俳優たちが織り成す演技のアンサンブルと、見どころには欠かない出来上がりになった。(この項、gooより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
娘の婚礼からの帰途にあったナポリ王アロンゾーは、海上で突然の大嵐に襲われる。王弟セバスチャン、忠実な老顧問官ゴンザーロ、ミラノ大公アントーニオらが乗った難破船は、命からがら孤島に流れ着く。
しかし、アロンゾーの息子ファーディナンドを見失っていた。この嵐は、この孤島に住むプロスペラが魔術を使って起こしたものだった。プロスペラは名君だったミラノ大公の妃で、夫の亡き後は女大公として民に愛されていた。

しかし12年前、弟アントーニオとアロンゾーらの謀略で、一人娘のミランダと共に粗末な船で追放された。プロスペラは孤島で魔術の腕を極め、空気の妖精エアリエルを操り、怪物キャリバンに雑事をさせて暮らしながら、裏切り者たちに復讐を果たそうと目論んでいた。
ミランダは、エアリエルの歌声に導かれた王子ファーディナンドと出会う。お互いの美しさに一瞬で恋に落ちる2人だったが、これもプロスペラの計らいだった。アロンゾーたちは、森で王子を探していた。ゴンザーローとアロンゾーは、エアリエルの魔法で深い眠りにつく。アントーニオはセバスチャンに、ナポリ王座への野心をたきつけて、2人を殺すようそそのかす。しかし剣が振り下ろされる寸前、アロンゾーとゴンザーローはエアリエルの声で起こされ、計略は失敗する。プロスペラに不満を抱いていたキャリバンは、王の道化師トリンキュローと酒蔵係ステファノーと出会う。2人に飲まされた酒に感動したキャリバンは、2人を主人と仰ぎ、プロスペラを殺してこの島の王になれとけしかける。アロンゾーたちはエアリエルの罠にかかり、12年前の罪を咎める声を聞く。錯乱する一行。プロスペラの復讐の結末は? 若い恋人たちの運命は?

シェイクスピア作品の映画化は珍しくはなく、このテンペストも1991年にピーター・グリーナウェイ監督で製作された「プロスぺローの本」という題の映画をみた記憶がある。1991年作では「プロスペロー」を英国映画界の重鎮であり名優のジョン・ギールグッドが演じていて、当時開発中だったハイビジョンカメラを使っての映像が美しかった記憶があるが、グリーナウェイ監督作品は分かり辛さも残していた。
しかし、今回の作品では主役を「プロスペラ」(プロスペローの女性名詞)という女大公にしたことで、母プロスペラと娘ミランダの関係が自然に描かれているのが特徴。そのプロスペラを演じるのは「クイーン」でエリザベス女王を演じて見事にアカデミー賞主演女優賞を獲得した「デーム」の称号をもつヘレン・ミレンだ。彼女こそ、この主役を演じるのに適任な女優はいなかったと思えるほど、ここでの彼女の演技は素晴らしいの一言に尽きる。彼女は若いころからシェークスピア作品を舞台で経験してきており、今回の映画化に際してテイモア監督から直に主役を女性に置き換えるアイデアを聞かされた時に、自身もそのアイデアを温めていたとのことで意気投合し出演を決めたそうだ。
ヘレン・ミレンを取り巻く共演陣の顔触れもそれぞれの年代での演技派揃いで、ベン・ウィショーの演じたエアリエルも良かった。また、この作品では衣装の素晴らしさと映像の良さ(ロケ地はハワイ島など)も併せ持っており、この辺は女性監督ならではの感性が良い方向に出ていた。


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