kintyre's Diary 新館

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映画『私が愛した大統領』を観て

2013-09-28 18:28:41 | 映画・ドラマ、アクション

13-78.私が愛した大統領
■原題:Hyde Park On Hudson
■製作年、国:2012年、イギリス
■上映時間:94分
■料金:0円(ポイント使用)
■観賞日:9月28日、TOHOシネマズシャンテ(日比谷)



□監督:ロジャー・ミッシェル
◆ビル・マーレー
◆ローラ・リニー
◆オリヴィア・コールマン
◆サミュエル・ウェスト
◆オリヴィア・ウィリアムズ
◆エリザベス・マーヴェル
◆エリザベス・ウィルソン
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
 ニューディール政策などで有名な第32代アメリカ大統領フランクリン・デラノ・ルーズベルトの知られざる素顔に迫った伝記ドラマ。ルーズベルト大統領の一番の理解者として彼を支え続けた女性デイジーとの深い絆と、第2次世界大戦前夜の英国王ジョージ6世夫妻が渡米した際のエピソードの裏側を描く。
1930年代のアメリカ。第32代大統領フランクリン・デラノ・ルーズベルトが忙しい執務の合間に安らぎを覚えるのは、恋人のデイジーとドライブに出かける時間だけだった。ある日、英国王ジョージ6世とその妻エリザベスが、ニューヨーク州ハイドバークにあるルーズベルト邸を訪ねてくる。ルーズベルトとジョージ6世は、迫り来るドイツとの開戦危機に備え、大統領の執務室でトップ会談を行う。その深夜、衝撃的な事実が明らかになる。初めて大統領の秘密を知ったデイジーがとった行動とは……。

「英国王のスピーチ」の主役だった英国王ジョージ6世と第32代米国大統領フランクリン・ルーズベルトが、ルースベルトの私邸(母の実家)で会談した時のエピソードに、従妹デイジーとの深い関係を絡ませた。
「英国王のスピーチ」では兄が離婚歴のある米国人女性と結婚したことで退位し予期せずに英国王に即位したジョージ6世の吃音矯正の話だったが、ここでも吃音を気にする場面はあるが前面に出ている訳ではない。米国からの支援を貰う為に、気の進まない中での訪米で老獪なルーズベルトとの対面と男同士の酒を酌み交わしながらの交流は和やかに映るが緊張感もはらんでいた。
その一方で激務の合間を縫ってデイジーとのドライヴに出かけるルーズベルトが見せる顔は政治家としてのそれとは違う、その顔こそがデイジーに彼が求めていたものだろう。別居中の妻と一緒では得られない安らぎの瞬間が彼女との間にはあった。
だが、女性関係の広さに?悩まされたデイジーは一時距離を置くが関係は続く。

ストーリー的にはジョージ6世夫妻をピクニックに誘う件が一番面白かった。アメリカ庶民の味、ホットドッグで国王夫妻をもてなすことにプライドを傷付けられたと怒り心頭の王妃と怒りを鎮めよう必死な国王の姿もユニークだ。英国王としての威厳も示しながら、訪米の目的を理解している国王は参加者と共にホットドッグを食し友好を深めることに成功した。このエピソードは実話らしくラストで当時の映像も流れる。
原題はルーズベルトの私邸が有る場所のことであり、邦題だとデイジー視線の大統領とのイメージにあたるが、本編の流れからするとルーズベルトの私邸での出来事だから、デイジーの視線だけの作りにならないのはやむを得ないと思う。
大統領を演じたビル・マーレーはコメディ系の役者だが、今回は歴史的にも有名な大統領を好演していた。彼を取り囲む母、妻、給仕達とのやり取りに彼の個性であるコメディタッチの会話が活かされていた。映像は英国ロケだが、これも非常に良かった。 


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