歴声庵

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米沢藩の戊辰戦争における参戦理由 その1

2009年08月03日 21時01分22秒 | 戊辰戦争・幕末維新史
 戊辰戦争時に奥羽越列藩同盟に参加して新政府軍と戦った、奥羽越後諸藩の参戦理由については、「会津の正義に共感した」等と言う会津観光史学の妄言とは違う、諸藩によって異なるそれぞれ理由があると私は思っています。
 米沢藩の参戦理由についても諸説あるものの、『歴史評論631巻(02年)』に掲載された上松俊弘氏による「奥羽越列藩同盟の成立と米沢藩」に書かれた、「甘粕継成が主導する軍政府が新政府軍との開戦を主導した」との説を私は支持しています。しかし支持すると言っても、甘粕が開戦を主導したと言う根拠となる史料を、実際に自分で見てみたいとは思っているものの、根拠となる『米沢藩士 甘粕継成日記』は東大史料編纂所に所蔵されている分しかなく一般公開はされていないので、アマチュアの私では見る手立てが無いと言うのが現状です(涙)
 だからと言って、ただ上松氏の支持を表明するだけでは無責任かと思うので、甘粕が開戦を主導したと言う明記された史料は見れなくても、せめて甘粕=軍政府の動向が伺える史料は読んでおこうと思って、昨日都立中央図書館にて『上杉家御年譜』の17巻と18巻、そして『史談会速記録』19巻に収録された、当時米沢藩総督だった千坂高雅の口述筆記をコピーしてきました。
 『上杉家御年譜』は名前の通り、藩主別に藩内の出来事や人事などを記録された年表で、これに軍政府の成立や人事に関しての記述がされてないか期待しています。千坂の口述筆記については前述の上松氏が同論文において、甘粕が開戦を主導した事に関して引用としている史料なので、少なくともこれを読めば千坂が、甘粕の開戦主導について述べているのを読めると期待しています。
 まだ両史料ともざっとしか読んでいないので詳細についてはこれからですけれども、何とか米沢藩の開戦理由について自分が納得出来れば良いのですけれども。実際上松氏の説を支持している以上、今回の事は半ば自己満足なのですけれども、一応米沢ファンを自称している以上、これくらいはしないといけないかなと思っています(^^)
 とりあえず何か進展がありましたら、また当ブログ上にて書かせて頂く所存です。