I Love Nature

自然の中で見つけたステキなモノ

黄島探険記 その4

2007年04月30日 | 五島のお話

                 いよいよ洞穴の中へ!

急な岩場を下り、熔岩海岸まで出ると、ぽっかりと口を開けた熔岩洞穴が現れました 入り口は少し広くなっていて、天井も背の高い大人でも届かないほど高くなっています。

       

入口には不動明王と思われる2体の石像が立っていて、まるで洞窟の中にある何かを守っているかのようです。この先にいったい何があるんだろう

洞窟の中は真っ暗なので、フラッシュを焚いて撮影しました。すると、壁面が白くキラキラと輝いているのが分かります。中はすこしひんやりとしていて、よく見えませんでしたが足下には所々水が溜まっているようでした。

                   

道の両側にはこのようなロウソクが置いてありました。今回は懐中電灯を持参しましたが、なければこのロウソクに火を点けながら進んでいくのかな?それもまたおもしろそう!

これは洞穴の壁面です。山口県の秋芳洞のようにつららのようなカタチの立派な鍾乳石はありませんが、どうやら徐々に垂れ下がってきているようです

       

先に進んでいくと、案内板の解説にもあったように、高さ1mほどの場所もありました。頭を低くしながら前へ前へと進んでいきます。足下がぬかるんでいる場所もあるので、懐中電灯で足下を照らしながらゆっくりと進みます。

       

ここが例の40度の傾斜がある場所。ちょうど入り口から100mほど入ったところにあります。懐中電灯で照らしても先がほとんど見えず、かなり不気味な雰囲気なので、川漁師さんが前回2人の娘さんと下見で訪れた時はこれ以上進まなかったそうですが、11人いれば大丈夫 みんなで急な坂道を手を使いながら上っていきます。

        

40度の傾斜を上りきったところにあったのは、なんと祭壇でした!どうやら御大師様が祀られているようです。普段はいっさい光が入らない洞窟の奥に、こんなきらびやかな祭壇があるとは本当に驚きでした。 一人じゃ絶対来られない場所です

                   

真っ暗でお顔は見えませんが、奥に鎮座しているのはおそらく弘法大師だと思われます。島の人が定期的にお参りしているのかな?

                   

ちゃんと手水鉢もありましたよ。この水は自然に溜まったものなのでしょうか?とってもきれいな水でした 祭壇の横から覗いてみると、洞窟はまだまだ続いていて、一説にはここで鶏を放したところ、福江島の富江にある洞窟から出てきたといいます。もし、それが本当なら、黄島と福江島は海の下で繋がっているということになります。それってすごくないですか ロマンだなぁ~

                   

祭壇のあった場所から先は、さすがに行けそうになかったので、そこでUターン。帰りも頭をぶつけないようにっと。

入口に戻ってきました! ずっと真っ暗な洞窟の中にいたせいか、外のあかりがとってもあたたかく感じました

                   

外に出てみると、私の右足はなんと泥まみれ 天井や壁面に気をとられ、足下の水たまりに全く気付かなかった私は、ぬかるみに足を取られてしまったのです。みんなで同じ場所を通ったのに、ここまで汚れていたのは私だけでした 川漁師さんの長女sakuraちゃんの靴はこんなにきれいなのに~ みなさんも洞窟に入る時は足下にご注意を

ふと見ると、洞窟のすぐ表に一本のクワの木が生えていました。こんな熔岩の塊の中で、しかも潮風の強い悪環境の中でも成長できるものかと、植物の生命力に改めて感心させられました。地球って、火山の噴火や地震などによって破壊を繰り返しながらも、こんなに力強い野生の植物たちによって環境が維持されているんですね

自然が創りだした黄島の熔岩洞窟は、想像以上に神秘的かつ魅力的な場所でした 一人では怖くて絶対に行けませんが、みんなで行ったら本当に楽しいです!こんな体験はなかなかできないと思いますよ。みなさんもぜひ自然の神秘に酔いしれてみて下さい。オススメですよ~

『黄島探険記その5』へ続く


黄島探険記 その3

2007年04月30日 | 五島のお話

                 いざ、熔岩洞穴へ!

遊歩道の途中から海側へ出る道へ入ると、緑のトンネルが現れます。この先に今回のメインである熔岩洞穴があるのだとか。一体どんな洞窟なんだろう 一歩一歩進むたびに自然と胸が高鳴ります

        

緑のトンネルの中は何とも言えない神聖な雰囲気が漂っています。何かを祀ってあるのかしら?

        

トンネルを抜けると、目の前に広大な海が現れました!

                 

この辺りに案内板があり、ここから洞穴の方へ下っていきます。黄島の熔岩洞穴は県の天然記念物に指定されており、案内板には以下のような説明が書かれてありました。

黄島は面積1.47㎢の火山島で、火山砕屑岩(さいせつがん)と熔岩から構成されている。島の東部には、標高91mの噴石丘が形成され、径400mの円弧状火口があり、火口底やその周囲には火山弾が散在している。

この島の東部から南部にかけての海岸は、玄武岩の溶岩流が高さ20~30mの崖を形成し、厚さ1~2mの溶岩流が10数枚重なって露出する。崖面には、多数の熔岩洞が見られるが、指定の熔岩トンネルは海面2mの高さのところに開口し、北に向かってほとんど一直線に延びている。これは、火山活動によって噴出した柔らかい玄武岩溶岩が波打ちながら流れ出る際、溶岩の表面と下部が固結して、内部の固結していない溶岩が流出して空洞を形成したものである

奥行きは132m、トンネルの高さは1~7.2m、幅員は2~5.75m。底は前半50mまでがほとんど水平で、その先は次第に高くなり、入口より90~100mの間は40度の傾斜になっている。

模式的溶岩トンネルで、内部の壁面には流痕、鍾乳石が見られる。

ふむふむ、なるほど。つまり溶岩が通ったあとにトンネルが形成されたというわけか。40度の傾斜って書いてあるけど、40度っていったらけっこう急な上り坂ですよね その先は一体どうなっているんだろう?    

           

熔岩洞穴へと続く道は、ご覧の通りとても急になっているので、ロープを伝いながら慎重に下っていきます。これがまためっちゃ楽しい!身の軽い子どもたちは先頭を切ってどんどん下っていきます。 

                   

熔岩海岸が見えてきました。洞穴はもう目の前!

       

来ました!これが熔岩洞穴への入り口です 

いよいよここから洞穴探検が始まります!

『黄島探険記その4』へ続く


黄島探険記 その2

2007年04月30日 | 五島のお話

                    春の黄島には珍しい花がいっぱい!

島の約半分を占める番岳をぐるりと一周できる遊歩道を歩いていると、たくさんの新緑と春の花々が目に飛び込んできます。途中に小さな沼のような水たまりも2ヶ所あり、それぞれの住人が姿を現してくれました

                   

1ヶ所目の沼では、大きなウシガエルを一匹発見!少し距離が遠かったので写真に納めることはできませんでしたが、肉眼では捉えることができましたよ。

                    

2ヶ所目には1羽のカモの姿が!仲間とはぐれちゃったのかな

                    

新緑の中にはクワ科のクワの木もたくさんありました。こちらはクワの実。まだ緑色ですが、しばらくすると黒く色づき、食べられるようになります。ジャムにするととっても美味しいそうですよ もう少ししたら採りに行ってみようかな?

                   

こちらは黄島にたくさん咲いていた花。今まで見たことがない花で、名前は分かりません。真っ赤な花びらの中に、白い模様が入っているのが特徴で、ちょうど今が満開の時期のようです

こちらは以前紹介したサトイモ科のムサシアブミ。今回は川漁師さんが仏炎苞(ぶつえんほう)を割って中身を見せてくれました。仏炎苞の裏はきれいな縞模様で、中には棒状の肉穂花序(にくすいかじょ)があり、花粉を運んでくれる虫をうまく捕らえる仕組みになっています。しかもあとで分かったことですが、雄花と雌花ではその仕組みが少し異なっており、効率よく受粉する仕組みができあがっているようなのです。(くわしくはコチラ!)

                   

こちらはトベラ科のトベラ。海岸にはえる常緑低木で、とってもいい香りがします。「トベラ」という名前は、「トビラ」が訛ったもので、節分にこれを扉に挟み、鬼を払うことにちなむのだそうです。

                   

みなさんの関心を最も引いていたのが、このアケビ科のアケビ。というのも、ご覧の通り、雄花と雌花のカタチが異なっているからです。どちらもおもしろいカタチをしてますよね!「アケビ」という名前の由来には様々な説があるようですが、中でも『ムベは開かないが、アケビは開くから「アケウベ」→「アケビ」となった』という説を覚えておくと、アケビとムベの特徴を一度に覚えられていいかもしれませんね (→去年嵯峨島(さがのしま)でいただいたムベの写真はコチラ!)

       

黄島の遊歩道は、子どもたちの興味を次から次へと惹きつける野生の植物でいっぱい しかし今回は、子どもたちよりもむしろ大人たちの方がその魅力に取り憑かれていたようです。思いがけないものを発見した時の目の輝きは、大人でも子どもでも同じなんですよね!川漁師さんのネイチャーガイドを聞きながら、シニアのみなさんの目がキラキラと輝いていたのがとても印象的でした

今回の黄島探険のメインである熔岩洞穴にはまだまだ辿り着きません 次回をお楽しみに~

『黄島探険その3』へ続く


黄島探険記 その1 

2007年04月29日 | 五島のお話

                 いらっしゃ~い(黄島にて)

生物博士の川漁師さん率いる「某シニアの会」の皆さんと一緒に、福江島の東側に浮かぶ黄島(おうしま)に行ってきました!

今回のツアー日程は以下の通りです

 7:35 福江港出港(定期船「おうしま」にて) 料金:往復1520円(子ども半額)

 8:12 黄島港到着

      黄島探険(黄島小中学校・熔岩洞穴・ミノハエ鼻など)

12:00 昼食

      自由行動

15:30 黄島港出港

16:05 福江港帰港

今回も例のごとく黄島の自然を満喫しようというツアーです。メンバーは大人7人、子ども4人の合計11人。七ツ岳トレッキングに引き続き、川漁師さんが案内人をつとめて下さるということで、今回も楽しいツアーになりそうな予感!さてはて、どんな発見があるのやら

 

定期船「おうしま」は小さな旅客船で、定員は20人ほど。この日の乗客はなんと私たちのみでした。チケットはなく、行きの船で船員さんに往復料金を払えば、帰りは顔パスで乗ることができます。航行中でも船の後部にある甲板に出ることができるのですが、そこはまるで遊園地のアトラクション状態!行きはめっちゃ揺れたけど、かなり楽しかったです 興奮状態のまま、具合が悪くなる暇もなく、船は30分ほどで黄島港に着きます

                 

港に着くと、お弁当を頼んでおいた民宿「やました」の奥さんが私たちを出迎えてくれました。港の目の前にあるこの民宿は、黄島唯一のお宿。お昼のお弁当はおにぎり3個+トコブシ・卵焼きなどのおかず+お茶500mlで、お値段なんと500円!お昼頃、ちょっと雨が降ってきたので、部屋も貸して頂いたのですが、部屋代などはいっさい取られませんでした。すご~く良心的な民宿です

         

現在は人口50人ほどのとても静かな島ですが、かつて黄島が鰹漁や鯨漁などで栄えていた頃、人口は1000人を越え、立派な家が何軒も立っていたといいます。こちらの石垣は事業主である平山家のもので、高さは2mほどもあり、そのしっかりとした佇まいは、当時の黄島の繁栄を思わせます。

         

民家の間にある細い道を抜け、まずは黄島小学校と黄島中学校へ向かいます。

  

こちらが黄島小学校。港から歩いて5分ほど着きました。数年前に廃校となり、今はからっぽの状態です。

         

こちらは黄島中学校。小学校のすぐ隣にありますが、やはり廃校となり、現在は子どもの姿を見ることはできません。

                 

一昔前は、こんな風にかわいい子どもたちの姿も、賑やかな笑い声も、学校の敷地いっぱいにあったんだろうなぁ。学校がなくなるということは、島の人たちにとってとても悲しい出来事であったに違いありません。ここに再び子どもたちの声が響き渡る時は来るのでしょうか…。ちょっと切ない気持ちになりました

  

校庭には、子どもたちの代わりに、たくさんのシロツメクサとノースポールの花が元気よく咲いていました。昭和25年には122人いた児童の数は年々減り続け、平成5年にはわずか9人となっていたそうです。誰にも使ってもらえない遊具は、廃校となった今もなお、子どもたちが帰ってくるのを待っているように見えました。

一行は、島を一周できる緑いっぱいの遊歩道をたどり、熔岩洞穴へと向かいます

『黄島探険記その2』へ続く


オドリコソウ(踊り子草)

2007年04月20日 | 植物のお話

                     踊っているように見えますか?

野草の名前って本当におもしろい。

可愛い花を咲かせるのに、『ヘクソカズラ』なんて不名誉な名前を付けられてしまったものもあれば、この『オドリコソウ』のようにステキな名前を付けられたものもある。すべてはその植物を発見し、命名した人のセンスにかかってるってこと

                 

オドリコソウはシソ科の植物で、花が笠をかぶった踊り子が並んで踊っているように見えることから、その名前が付けられたのだそうです。うんうん、そう言われると、確かにそんな風に見えますよね!

                 

もし私がこのオドリコソウに名前を付けるとしたら、どんな名前にするだろう?

うーん、うーーん、うーーーん、………。

いろいろ考えてみるけど、なかなかしっくりくる名前が思い浮かびません

植物学者牧野富太郎さんは、なんと2500種もの植物の命名をしたといいます。その2500種の中には、一つとして同じ名前の植物は無いわけですから、植物の外観や特徴を的確に捉え、命名するセンスは本当にすばらしいですよね!私もあやかりたいなぁ。(牧野富太郎さんについてはコチラ→『高知県立牧野植物園』

春は1年の中で草花が最も生き生きとしている季節。名前を知らない草花を見つけたら、自分で命名してみるのもおもしろいかも知れません。もしかしから、牧野さんに負けないあなたの命名センスが発揮されるかも知れませんよ~


日曜大工

2007年04月17日 | 手作りのお話

                    念願の両刃のこぎりを購入

我が家では、工具を使っていろんな作業をするのはもっぱら私の方。うちの両親も然りで、ノコギリを器用に使いこなすのは、父ではなく母の方でした。そんなDNAを受け継いだ私が今回製作したのは、カラーボックスを使った靴箱。今まで靴箱として使っていた白のカラーボックスの収納力をアップすべく、作業開始です!

                 

もともと靴箱として使っていたのは、3段のカラーボックス2個。幅41㎝×奥行き30㎝のカラーボックスに入るのは、せいぜい6足が限度。2個あっても12足しか入りません。これを20足収納可能にしようというのが今回の目的です。

                   

まずは1本200円程度の三角材を奥行きに合わせてカットします。切り口は丁寧に紙ヤスリでやすって、表面を滑らかにしておきます。ペイントは敢えてしませんでした。

                 

各段のちょうど真ん中の高さに線を引き、カットした三角材を木工用ボンドで接着します。ボックスを立てていると、ボンドが乾かない内は重力で落ちてきてしまうので、斜めに寝かせて乾燥させます。一番下の段にはショートブーツが入るようにそのままにしておきます。

                   

幅45㎝×奥行き30㎝の合板(ベニヤ板では強度が弱いので)を2枚購入し、ボックスの幅に合わせてカットします。棚の奥行きに合わせると逆に靴が取り出しにくかったので、ちょうど半分の15㎝にカットしました。20㎝くらいあった方が良かったんですけど、切りが良かったので、ちょっと節約しちゃいました

                 

ご覧の通り、格段に4足ずつ靴を収納することができるようになりました 合板の強度が期待したより強くなかったので、上段にはなるべく軽めの靴を入れるようにしています。さて、これで合計20足収納可能になりました しかし、このままでは見た目にもゴチャゴチャ感があるので、目隠しカーテンを作ることにします。  

                   

これまでため込んでいた布を引っ張り出し、うちの玄関にあった布を探してみると、ちょうど麻の混じった綿のチェックの布がしっくりきたので、靴箱のサイズに合わせてカットし、端をミシンで処理して、目隠しカーテンのできあがり

最初は上部を輪にしてそこに棒を通そうかと思っていたのですが、カーテンを開けやすくするために、リネンのリボンを輪にして6箇所に付けることにしました。下部はちょうどフリンジのようになっていて可愛かったので、ミシンで処理せずそのままにしておきました。

                 

これで見た目もスッキリのカラーボックス靴箱完成 転勤族の我が家には大きな家具はNG。なので、こうしてちょこちょこDIYを楽しみながら、家具を増やさない工夫をしています。しかし、物を増やさないようにと思いながらも、いつの間にか増えてしまっているのが現状。今度の引っ越しまでに無駄な物を減らさなければ…。ふぅー…

なにはともあれ、日曜大工をたっぷり楽しんだkero-keroなのでした さて、今度は何を作ろうかな~?


ムサシアブミ(武蔵鐙)とマムシグサ(蝮草)

2007年04月16日 | 植物のお話

                     私、きれい? 

サトイモ科の植物には、おもしろいカタチの花をつけるものが多いんです。今日はこの春見つけたサトイモ科の植物を2種類ご紹介します

                 

こちらは先月とある山中で見つけたマムシグサ(蝮草)。背の高いものは1メートルを優に超えるこのマムシグサは、茎のような部分(本当は茎ではないそうです)の模様がマムシに似ていることから、マムシグサという名前を付けられてしまったのだそうです。サトイモ科の花の特徴は、仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる花びらのような葉に、1本の棒のようなカタチをした肉穂花序(にくすいかじょ)が包まれているということ。花屋さんでよく見かける真っ白なカラーも同じサトイモ科の植物です

        

仏炎苞の色は2色有り、黄緑色の方をカントウマムシグサ、紫色の方をムラサキマムシグサというそうです。個人的には黄緑色の方が好きですが、この辺りでは紫色の方が数は多いようです

       

一方、戸岐神社の奥にある金比羅山のなが~い階段沿いにたくさん生えていたのは、マムシグサと同じサトイモ科のムサシアブミ(武蔵鐙)。両脇に見える大きな三つ葉のような葉っぱがそうです

                   

葉っぱがかなり大きいので、仏炎苞はあまり目立たないのですが、よく見ると、こぶし大の仏炎苞が2つ顔をのぞかせていました

        

ムサシアブミという名前は、武蔵国(現在の東京都・埼玉県)が生産していた鐙のカタチに似ていることから付けられたのだそうです。マムシグサと違って茎のような部分が短く、仏炎苞は先がくるくると巻いており、中身がよく見えません。以前からこの大きな三つ葉の存在は知っていたのですが、今回やっと正体が分かり、スッキリしました

しかし世の中にはおもしろい植物があるものですね!ムサシアブミもマムシグサも今が見頃なので、興味のある方はぜひ探してみてください。どちらかと言えば、暗い林床がお好みのようですよ~


戸岐(とぎ)ゾーン

2007年04月15日 | 五島のお話


      戸岐ゾーン←                       →奥浦ゾーン

奥浦にある堂崎天主堂は五島の観光スポットとして有名ですが、天主堂の方へ行かず、真っ赤な戸岐大橋を渡り、ひたすら北へ向かうと、そこには福江島の秘境とも言うべき世界が広がっています。今回里帰りをしに五島へ帰ってきた教え子bianchiを連れ、彼もまだ行ったことがないという戸岐ゾーンへドライブに行ってきました。

戸岐ゾーンの見所は4箇所あります。手前から言うと、①半泊→②ゲゲゲの岬(仮称)→③きんなご網代→④間伏。どの場所もあまり人気のない静かな場所で、ほとんど地図やガイドブックにも載っていませんが、その分自然が多く残されており、昨年初めて訪れて以来、kero-keroお気に入りの場所となっています。

ではでは、bianchiのご要望にお答えして、戸岐ゾーンを簡単に紹介します

①半泊(はんとまり) 進行方向へ向かって右

半泊教会があり、現在確認できる民家は三軒ほど。きれいな海と、時々大きな貝殻の混じった、角のとれた色とりどりの石が敷き詰められたビーチが広がっています。春は山桜がとってもきれいですよ

②ゲゲゲの岬 進行方向へ向かって左

地図にも載ってない場所なので、正式名称は分かりません。(なぜゲゲゲかって?詳しくはこちらをご覧下さい。→『新規開拓その1』) ここで確認できる民家は二軒ほど。やはり角の取れたきれいな石が敷き詰められたビーチがあり、腰を下ろして静かに耳を傾けると、石が波にさらわれる時に奏でる美しい音色が聞こえてきます。半泊でも聞こえますが、こちらの方が石が大きいので、より深い音に聞こえます。防波堤がないせいか、波も少し高いようです

                   

ゲゲゲの岬では、妖怪にこそ出会えませんが、こちら↑のカワイイわんこが必ず出迎えてくれますよ~ 

③きんなご網代 進行方向へ向かって左

波止場があり、確認できる民家は三軒ほど。いずれも漁師さんのようです。海の色がとってもきれいで、釣り客もちらほら訪れる場所のようです。今回はあまり見ることができませんでしたが、去年の秋に訪れた時は、小さな魚が群れをなしてたくさん泳いでいました。

                   

きんなご網代は、こちらのステキな看板が目印です。魚偏に長いと書いて『きんなご』と読むようですが、辞書には出てこないんですよね~ 誰が作ったんだろう

④間伏(まぶし) 行き止まり

車を下の方に停めて、民家が三軒ほどたつ山の方へ歩いていくと、途中から舗装されていない細道に入ります。道端に咲く花々を観察しながら20分ほど歩いていくと…

      

噂に聞いていた白亜の灯台を発見 辿り着くまでに結構汗かきました

                   

この灯台は糸串鼻灯台といって、この戸岐ゾーンの最北端にあります。残念ながら木が生い茂っていてほとんどまわりの景色を眺めることはできませんが、しかし、ここまでくれば、戸岐ゾーンを制覇したといってもいいでしょう 間伏で地元の方に出会ったのですが、地元の人でも行ったことがない場所なんだそうですよ。

以上戸岐ゾーンを駆け足で紹介しました。bianchi、思い出した?


森のぬし

2007年04月13日 | 五島のお話

久々に半泊(はんとまり)を訪れてみました。秋に来た時には分からなかったのですが、半泊には山桜の巨木がいっぱい!少し時期が遅かったので、すでに散り始めていたものも多かったのですが、遠くからでも所々ピンク色に染まっているのが分かります。

葉の赤い山桜は、花の色もうっすらとピンク色。うっそうと茂る他の常緑樹に負けじと、一生懸命背伸びをしているように見えます

       

青空に映える山桜を眺めながら、しばらく散策していると、なんともおもしろい樹を発見しました 青々とした葉を枝いっぱいに茂らせ、大きな岩を背負うように枝や根を伸ばし、道行く人を見下ろすように立っている、なんだかとっても気になる樹。不思議なカタチをした幹の部分に注目すると…

        

なんだかこっちを向いて笑ってるみたい いったい何という樹なんでしょう?見る角度によって表情を変えるこの樹の根本からは、美味しそうな湧き水が滴り、キラキラと輝いていました。

水はこの地球上に生きるすべてのものにとって、なくてはならない命のミナモト。この樹も、水がなければ生きていけない。もちろん、私たち人間も。森の木々も私たちも、同じように水を飲み、呼吸しながら生きている。 みんな生きてるんだなぁ。

このキュートなお顔の「森のぬし」と向かい合いながら、ふとそんなことを思ったのでした。

春の半泊は様々な色にあふれ、海は優しい波音を立て、とっても穏やかな雰囲気に包まれています。私たちが出会った森のぬしに、あなたも会いに行ってみませんか?森の木々を注意深く観察してみると、思いがけない出会いがあるかも知れませんよ~


春の草花

2007年04月11日 | 植物のお話

サクラソウ科ルリハコベ

直径1㎝ほどの小さな花も、マクロで接写すると青・黄・ピンクの配色が美しい、とても愛らしい花であることが分かります。ちょうど同じサイズの花を咲かせるオオイヌノフグリ(ゴマノハグサ科)と一緒に、家の近くの空き地にたくさん咲いていました。和名は花が瑠璃色でハコベに似ていることに由来するそうです。これまできっとどこかで私の視界に入っていたのでしょうけど、今回初めてその存在に気が付きました

      

ケシ科キケマン

キケマンという名は黄色のケマンソウから来ているそうです。これも道端で見つけたのですが、こんなにきれいな花なのに、ルリハコベ同様今まで全く気が付きませんでした。 黄色いフジの花が土から生えているようで、とってもきれいです

アブラナ科ハマダイコン

五島ではよく見かける花です。アブラナ科同士仲がよいのか、黄色のナノハナに混ざって咲いていることもよくあります。浜辺に行くと必ずと言っていいほど咲いているハマダイコンは、野生化したダイコンで、肥料をやるとダイコンができるらしいです。本当かな

尋ね花 その1

これは福江島の北端にある間伏(まぶし)で見つけたベニバナのような花。直径2~3㎝ほどの花で、茎は細く、2輪ほどひっそりと咲いていました。誰かが植えたようでもなかったので、多分野草だとは思うのですが、群生はしていませんでした

      

尋ね花 その2

こちらも間伏で発見した野草。ホトケノザに似ているので多分シソ科の植物だと思うのですが…。ナミキソウが近いかなと思うのですが、確信はありません。花がしっかりと立ち上がり、繊細な模様があるのが特徴です。

アケビ科ムベ

以前、嵯峨島探険に行った時に、地元の方が食べさせてくれたのがこのムベの実。甘くて美味しかったなぁ。こちらも間伏で発見しました。

アケビ科アケビ(雌花)

ムベと同じアケビ科の植物ですが、花は全然違います。しかもアケビには雌花と雄花があり、それぞれ形が違うという特徴を持っています。こちらは間伏の糸串鼻灯台付近で発見しました

トウダイグサ科イワタイゲキ

この花を見るといつも思うのは、「なぜこんなに劣悪な環境に自ら身を置くのか」ということ。トウダイグサ科の植物のほとんどが潮風のあたる岩場や崖地に生育するといいます。地下茎がとても発達していて、岩の隙間に深く深く伸びているのだとか。こんなに厳しい環境にありながら、とても明るくチャーミングな花を咲かせるこの花には、逞しさと同時にあたたかな優しさを感じます

マメ科ハマエンドウ

カラスノエンドウ(通称ピーピーマメ)の花にも似ていますが、こちらはサイズが二回りほども大きいハマエンドウ。浜辺に生えるエンドウマメという意味で、サヤの付いた実もちゃんとなるそうです。もしかしたら目の錯覚かも知れませんが、時間帯によって花の色が赤紫から濃い紫色に変わるものもあるようですよ

マメ科ニシキミヤコグサ

もともと黄色い花を咲かせるものをミヤコグサといい、黄色から橙色へ色を変えるものを別にニシキミヤコグサと呼ぶそうです。同じ茎から2色の花を咲かせるニシキミヤコグサは、五島に来てからよく見かけるようになりました。花は1.5㎝くらいの大きさで、ちょうどカラスノエンドウの色違いのような感じです

この日は半泊・きんなご網代・間伏方面を散策しましたが、1日でこんなに様々な草花たちと出会うことができました。どの草花もただ美しく花を咲かせているだけではなく、刻々と変わる厳しい自然環境に耐え、子孫を残すべく、次々と新たな命を育んでいる。その強さには脱帽します。春の陽気に誘われ、山野を散策しながら、私も野に咲く草花たちに負けないように、強く、逞しく、そして美しく(…はムリか)生きていきたいと思ったkero-keroなのでした


箕岳(みたけ)の桜

2007年04月10日 | 五島のお話


              4月7日(土) 桜吹雪が舞う箕岳公園

地元の人に「福江の桜の名所は?」と尋ねると、ほとんどの人が真っ先に挙げるのが、上崎山町にあるこの箕岳公園。箕岳も鬼岳同様もともとは火山だった山で、見た目も鬼岳に似ていて、私の中では「鬼岳の子分」というイメージのある場所です。中央の広場をぐるりと取り囲むように植樹された桜の木は、すでに満開の時期を過ぎ、少し緑色の葉っぱが出ていましたが、春風に舞う桜吹雪がとってもきれいでした

        

広場から300mほど続く階段を上っていくと、箕岳の展望台にたどり着きます。展望台の上には無料で使える双眼鏡があり、遠くに浮かぶ島々の様子垣間見ることができます

                   

こちらは崎山・福江方面。手前は最近整備された農地のようです。奥の方には包丁島、多々良島、蠑螺島、椛島など、数々の小さな島が浮かんでいるのが見えます。

                   

少し富江方面に目をやると、赤島と黄島の姿も見ることができます。どちらも有人島で、福江港から船が出ています。一度上陸してみたいなぁ(→福江島周辺に浮かぶ島へのアクセスはコチラ

箕岳の中腹から広場の方を見下ろすと、たくさんの桜と、箕岳の兄貴分(←あくまでも私のイメージ)鬼岳の姿を望むことができます。あと一週間早かったら満開だったんだろうな~ でも葉っぱの赤い山桜と緑のソメイヨシノのコントラストと、桜吹雪がとってもきれいでした また来年、満開の時期を見計らって訪ねてみたいと思います 

 

箕岳公園

所在地 五島市上崎山町
アクセス 福江港から車で約20分
駐車場 有り(無料)
トイレ 有り


尋ね花

2007年04月09日 | 植物のお話

                    謎の宿根草

これまで名前が分からない花は、図鑑やインターネットで調べてこのブログに紹介してきましたが、この花はいくら調べても名前が分かりません 一つ一つの小さな花は直径2㎝ほどで、チューリップと同じのような葉の形をした、春咲きの宿根草です。どなたかこの花の名前をご存じの方はいらっしゃいませんか?

                    

                         つぼみ

                    

                          はな

去年もこの時期に写真を撮って調べたんですけど結局分かりませんでした 園芸種だとは思いますが、とても力強く、美しい花です。「知ってる!」と思われた方、または「○○かも!」と思われた方、ぜひご一報下さい。情報をお待ちしております


思いがけず…

2007年04月07日 | 植物のお話

先日佐世保に住む義弟のお見舞いに行った帰り道、一緒に行った義理の両親に波佐見のしだれ桜を見せたいと思い、波佐見に立ち寄ってはみたものの、残念ながらすでに葉桜となっていました。このまま帰るのもなんだし、嬉野にある轟の滝の桜を見せてあげようと、県道1号線を嬉野方面へ走っていたところ、道路の左手下方に広い範囲に渡って白く染まった場所を発見 得意のUターンをかまし、その正体を突き止めに戻ったところ、なんと何十本もの桜の木にぐるりと取り囲まれた大きなダムが現れました 


                

                

ココは佐賀県武雄市にある庭木ダム。夕暮れ時で光が足りず、あまり良い写真を撮ることができませんでしたが、夕日を浴びた桜はほんのりと紅色に染まり、昼間に見る桜とはまたひと味違った趣がありました

   

「こんな景色を見たのは初めてだ…」

薄紅色の桜を眺めながら義父がポツリとつぶやきました。義母も私が写真を撮るため車を止める度に車を降り、まるで心奪われているかのようにうっとりと満開の桜を眺めていました。こんな場所があるとは思いがけず、偶然発見した庭木ダム。私もこんなにたくさんの桜が一堂に咲いているのを見るのは初めてかも知れません。無数の桜の花に囲まれ、義弟の元気そうな姿を見て安堵したせいか、桜の花が私たちの心をぽかぽかと温めてくれているような、そんな感覚を覚えました。

今年は波佐見のしだれ桜を見ることはできなかったけど、そのお陰でまた新たな桜スポットを発見することができました やっぱり寄り道はしてみるものですね!桜の見頃も間もなく終わりますが、みなさんは今年のお花見を楽しみましたか?五島の山桜の見頃もいよいよ今週くらいまでのようですよ~


しぇふ亭

2007年04月06日 | 美味しいお話

                    唐比(からこ)ゾーンで見つけたステキなお食事処

約2ヶ月ぶりに実家のある諫早へプチ帰省してきました 常にどこからかお食事処の情報を仕入れてくるyokoママが今回紹介してくれたのは、森山町を通る国道251号線を、島原方面に向かって左手に少し入ったところにある『しぇふ亭』。最近おもしろい施設が増えている唐比ゾーンにまた新たなお食事スポットの登場です

 

                   

見ての通り、建物自体は平屋建てのこぢんまりとした佇まい。昭和の雰囲気を残したまま、古民家をちょっとステキに改装した『しぇふ亭』は、中に入るとまるでおばあちゃんの家に遊びに来たような懐かしい感覚を覚えます。

                   

和箪笥の置かれた畳の部屋に座り、お昼のランチ(1500円)を注文し、縁側にさりげなく置かれた古民具や、庭の緑を眺めながら料理を待っていると…

                   

それぞれセンスの良い器に少しずつ盛りつけられた料理が出てきました タマネギの甘さを十分に引き出した優しい味のスープが、空腹の胃にゆっくりと染み渡っていきます。

                   

次に出てきたのが大皿に彩りよく盛りつけられた天ぷら。ブロッコリーの天ぷらって初めてだったんですけど、なかなかいけます!また天つゆでも抹茶塩でもなく、カレー風味の塩が添えられていたのも初めてでした。とっても美味しかったので家でもやってみようと思います

天ぷらのあとは、紫イモのペーストの中にチーズが入った温かい料理、椀物、ご飯、みそ汁、お新香が出てきました。どれも優しい味で、まさに和の食事という感じ。でも最後に出てきたのは…

                   

なんと熱々のハンバーグ!これがまたとっても美味しいんです 素揚げしたレンコンなどカラフルな野菜を盛りつけることで、見た目にもすごくきれいな一品に仕上がっています 最後にメインが来ても、飽きの来ない優しい味の料理が少しずつ出てくるので、最後まで美味しく食事を楽しむことができますよ~。

                   

そしてランチの最後は女性にうれしいデザート&コーヒー これまたチョットずつなのですが、ゆっくりといろんな種類の食事をいただいた後のデザートは、このくらいで十分!三十路女kero-keroの胃にはちょうどいい量でした。私の味覚も大人になってきたんだなぁ~

                 

床の間のディスプレイもステキでした 料理を待っている間、あたたかい灯りの側に生けられた木蓮の花に、しばらくうっとりと見とれてしまいました しぇふ亭に広がる和の空間は心を穏やかにしてくれるようです。

                   

諫早方面から国道251号線を愛野方面へ向かい、唐比のファミリーマートを過ぎると左手に見えてくる小さな看板が目印です。小さなお店なので事前に予約することをオススメします あ!日曜日は定休日なのでくれぐれもご注意を!

 

しぇふ亭

電話 0957-36-3616
定休日 日曜日(夜は完全予約制)
駐車場 あり(2~3台)


さくら

2007年04月01日 | 五島のお話

                    翁頭池周辺にて

桜の季節になりました!福江島をドライブしていると、全体がピンク色の桜より、赤みを帯びた葉が出ると同時に白い花を咲かせるヤマザクラの方をよく見かけます。

                 

道路際に他の樹木に混じって何気なく咲いているヤマザクラ。もともとこの場所に自生していたのでしょうか?

                   
                   

同じヤマザクラでも花の形が微妙に違うようです。上の写真のサクラは八重咲き!?

                   

翁頭池のほとりに咲いていたヤマザクラ。先週の日曜日はまだ5分咲きくらいでしたが、おそらく今週は満開に近いと思います。でも今日は雨風が強かったから大分散ってしまったかもしれないな… 桜の時期ってすごく短くて、ちょっと油断してると満開の時期を見逃してしまうけど、日本人が昔から愛して止まない桜の魅力は、その儚さにあるのかも知れませんね。去年は引っ越しでバタバタしていて、桜をゆっくり堪能することができなかったけど、今年はたくさん桜めぐりができそうです ちなみに地元の人の聞いた福江の桜の名所は、中央公園、内闇ダム、繁敷ダム、箕岳、只狩山、そしてこの翁頭池などなど。今日は奥浦の方に行ってきましたが、奥浦公民館の近くにも背丈の高~い桜の木が立ち並ぶ公園があって、とってもきれいでした きっと穴場だと思いますので、皆さんも探してみて下さい。オススメですよ~