I Love Nature

自然の中で見つけたステキなモノ

雲仙霧中登山(長崎県雲仙市)その3

2012年12月26日 | 山のお話

立岩の峰までは細くて急な登山道を登らなければいけません。ふうふう言いながらも相変わらずのハイペースで登っていきます

この道の途中には湯気が出ている暖かい場所があったのですが、いつの間にか石で塞がれていました でも石の上に手を近づけてみるとちゃんと熱を感じることができましたよ。新道には空洞の中に溜まった冷気を感じることができる風穴と、大地の熱を感じることができる穴の両方があるのです。もしこの新道を歩くことがあったらこちらの方も探してみてくださいね 

登ること約10分、左手に大きな岩が見えてきました。 

その岩の上に生えている黒っぽい葉を持つこの植物はヒカゲツツジ(日陰躑躅)。 春にクリーム色の花を咲かせる常緑の低木なのですが、すでにたくさんの花芽を付けていました 

霧に包まれた立岩の峰までが見えてきました。晴れていれば目の前に平成新山が姿を現すのですが… 

立岩の峰に着いてもこの通りな~んにも見えませんでした 雪化粧した平成新山を見たかったんだけどなぁ~。

ちなみにこちらは9月に新道を歩いた時の写真です。晴れていればこのような平成新山の姿を見ることができるのです。平成新山は長崎の最高峰で、標高は1483m。まだ頂上に登ることはできませんが、いつかこの平成新山の頂上からの景色を眺めてみたいものです。 

ちょっとだけ休憩を取った後は、普賢岳の頂上を目指します。雨が落ちてこないうちに登頂しちゃいましょう 

ここまでくれば後は普賢の頂上は目の前です。 

立岩の峰から20分ほどで普賢岳(1359m)の山頂に到着~

登頂した時の気温は2℃。頂上は風が強く、山の中と比べるとかなり肌寒かったです。 

霧のため背景には何も見えませんが、とりあえず記念撮影。今までで一番もや~っとした写真になりました

山頂はご飯を食べるにはちょっと寒かったので、紅葉茶屋まで下って昼食を食べることに。今にも雨が落ちてきそうだったので、ごつごつとした急な岩場も足早に下っていきます 

 

霧のかかった山道は先があまり見えなくて、急に目の前に大きな木が現れたりします。ぼや~っとした景色が次第にはっきりと見えてくる感じもなかなか趣深かったです。

紅葉茶屋にて昼食タイム~「待ちに待ったご飯だー♪」なんて言いながら、ベンチにレジャーシートを敷いて腰を下ろしたところで、とうとう雨が落ちてきてしまいました

急いでご飯を食べてさっさと退却~ 雨脚はどんどん強くなっていきます

 

雨脚が強くなる中でも、オオモミの大樹が立ち並ぶ通りでは、またまた幻想的な風景に目を奪われてしまいました オオモミのシルエットがまるで水墨画のようです。雨の中でも美しい風景はたくさんあるんですね

仁田峠に到着し、早く車の中へ避難しなきゃ~と思いきや、濃霧で仁田峠循環道路が閉鎖されていたため、車はさらにその下にある池の原園地にあるのでした 仁田峠でトイレ休憩をして、さらに歩くこと30分ほどでようやく池の原園地に到着し、雨の中上着を着替えて例のごとく温泉へ。 

本日の温泉はいつものよか湯ではなく、雲仙スパハウス。温泉にゆったり浸かって、冬の雨にあたって冷えた体が芯まで温まりました 

それにしても、2012年の定例登山は雨に見舞われることが多かった。思えば年度初めの郡岳登山から雨模様だったし… あと3回の登山はどうかお天気に恵まれますように!

次回は1月13日に佐賀県の龍門ダム登山口から牧ノ山(552m)に登ります。その様子はまたなるべく早くアップしたいと思いますので、お楽しみに~ 


雲仙霧中登山(長崎県雲仙市)その2

2012年12月23日 | 山のお話

鬼人谷口から新道に入り、ハイペースで山道を進んで行く我らがT小登山隊。先頭を歩く健脚のTさん&Nさんコンビに負けじと、脇目も振らずに歩いて行くと… 

わずか10分弱で西の風穴に到着~ 夏場はこの穴からひんやりとした冷気が漂ってきてとても気持ちがいいのですが、冬場は外気温が低いので、特に何も感じることもなく… 冬場にも関わらず雪はないし、花が咲いている訳でもないし、途中の景色も霧で見えないし、なんだかただひたすら歩くだけの登山になってきました

しか~し そんな中でも発見しましたよ、このお天気ならではの幻想的な風景を。それがこのヤマグルマ(山車)の木。大きな岩にしがみつくようにしっかりと根を張り、前にせり出した枝には光沢のある青々とした葉をたくさんつけ、こんな霧の中でもひと際存在感を放っていました 

ヤマグルマはヤマグルマ科ヤマグルマ属の1科1属1種のちょっと珍しい植物で、トリモチが取れることで知られている東アジア特産の被子植物。なぜか岩の露出しがちな尾根など空気の動きのある場所を好むらしく、自ら好んでこんな風に岩にへばりついているようです。敢えてこんな厳しい環境に根を下ろさんでも…なんて思ったりする一方で、ヤマグルマのそのストイックな生き方に感動すら覚えてしまうkero-keroなのでした

新道ではこのように美しく苔が生した岩をあちらこちらで見ることができます。この岩、なんとなくリクガメみたいに見えませんか?

西の風穴から10分ちょっとで、今度は北の風穴に到着~ ここでも特に冷気を感じることはありませんでしが、霧のせいか夏に来たときよりも苔の色が艶やかで美しく感じられました

下界の景色はこの通りなーんにも見えません。でもなんだか雲の上にいるみたいで、天界から人々の生活を垣間みる神様になったような気分です

今回たくさん目についたのはやっぱり苔。ふかふかの苔の毛布をかぶった岩は冬でも暖かそうです。ちょっとピンぼけですが、まあるい水玉がたくさん付いて、とってもきれいでした 

さらにこれ。なんと苔がきれいに黄葉して、ぴゅーっと伸びた細~い針金のようなものの先っぽに、小さな水玉がプルプルと揺れているではありませんか ナウシカのラストシーンを彷彿とさせるこのコラボに、思わず目を奪われてしまいました この水玉に包まれた丸い物体は「さく」または「苔の花」と呼ばれる柄の付いた胞子嚢で、その中から胞子が飛び出して原糸体となり、苔本体の芽が出てきて、私たちがよく目にする苔の姿になるのだそうです。視界は悪いし遠くの景色はな~んにも見えないけど、苔を観賞するならこんな霧の深い日がベストかもしれません

いつもながらどこに源流があるんだ?とつっこみたくなる湯江川源流を過ぎて、次に目指すのは平成新山を間近に望む立岩の峰。 

が、その前に急な上りが私たちを待ち受けているのです 時刻は11:40を回り、歩き始めてから約2時間が経過したところ。小休憩の度にちょこちょこお菓子を口にしてはいるのですが、徐々にお腹の虫が騒ぎ始める時間となってきました

でもここで立ち止まってはいられません。気合いを入れてもうひと登り頑張りましょう 

雲仙霧中登山はまだまだ続きまーす

その3に続く


雲仙霧中登山(長崎県雲仙市)その1

2012年12月23日 | 山のお話

2012年も残すところあと一週間となりました。友人の紹介でT小登山隊のメンバーとなってから3度目の冬を迎え、山の歩き方も少しは分かってきた今日この頃ですが、この半年間は特にブログの更新が滞りがちな私… 広報部長としてこれではいかんっと自分に喝を入れつつ、昨日行われた定例登山の記事を早速アップしたいと思います

12月のT小登山隊の定例登山は、真っ白な美しい霧氷を観賞する『雲仙霧氷登山』…の予定だったのですが、結果から申しますと、霧氷どころか残雪すら見ることができず、タイトル通り『雲仙霧中登山』となってしまいました どうやら前日の雨で雪が溶けてしまったようなので、さらに気温の上昇によりが発生し、仁田峠循環道路は封鎖され、仁田峠より標高の低い池の原園地からのスタートとなってしまいました

池の原園地の駐車場もご覧の通り。辺り一面霧に覆われていましたが、とりあえず雨も降ってないし、9:30に予定通り登山開始~今回の登山は隊長とベテランのTさんを初め、健脚ぞろいの6名。Tさんを先頭にいつもよりハイペースで登って行きます

しょっぱなから急勾配が続くこのコース。ウォーミングアップというには少しペースが速かったので、ふうふう言いながら登りました体の中に溜まっていた前日のアルコールもどんどん抜けていきます 

歩き始めて30分で仁田峠に到着~ 背景には雲仙の山並みが写っているはず…なのですが、濃い霧のため全く見えません当然のことながら、この広~い駐車場に車も2~3台ほどしか停まっていませんでした。この霧だと山頂からの景色も全然見えないだろうし、こんな日に山に登ろうと思う人がいないのも無理はありません でもプラスに考えると、滅多に見られない霧に包まれた山を撮影するチャンスだし、雲仙山系を貸し切り状態で歩けちゃうなんてとっても贅沢なこと。広報部長としては少しワクワクしちゃったりもするのでした♪ トイレ休憩を済ませて、早速霧の向こうにある山の中へ入って行きましょう

普賢神社の鳥居をくぐって、まずはあざみ谷方面へ向かって歩きます。 お天気のよい時とは違って、先の方は白くぼんやりと霞んで見えますが、「景色は見えないけど、何か動物に出合えたらいいね~」なんて話しながら霧の中を進んでいきます。

山登りって全身を使いながら登って行くので、冬場の登山でもすぐに体が温まって、あまり衣服を着過ぎるとかなり汗をかいてしまいます。あまり汗をかくと立ち止まった時に冷えてしまうので、なるべく汗をかかないように、気象条件が変化するごとに上着を脱いだり着たりしながら体温調節をすることがとても重要です。なんと12月でも途中シャツ2枚とかで登れちゃうんですよ 家の中にいる時よりも薄着だなんてなんか不思議ですよね

 

このお天気ならではのステキな景色を発見 中の実が落ちて空っぽになった種子の殻にしずくがついて、よくよく見ると向こう側の景色を逆さまに映し出していました 左は何の木か分かりませんが、右はマユミだと思われます。この先では緑の美しい苔としずくのコラボも発見しましたので、そちらの方もお楽しみに~

仁田峠から約1時間で普賢岳山頂への紅葉茶屋に到着~ ここで少し休憩を取り、鬼神谷口から新道に入って普賢岳山頂に登り、またこの場所へ戻ってくることになります。この先天候が悪化しないことを祈りつつ、霧中登山はまだまだ続きます

その2へ続く


九千部岳登山(長崎県雲仙市)その4

2012年12月09日 | 山のお話

前回のちょっと変わった植物の正体は、キキョウ科のツルニンジン(蔓人参)でした~ 

 

最初に見つけたのはつぼみだったのですが、その後花が開いているのを発見し、その正体が明らかになったのです この花、とっても可愛いでしょう?釣鐘形の花といい、内側の模様といい、星形の萼といい、後ろ姿といい、どれをとっても私好みです スズランやドウダンツツジなど、釣鐘形の花を見るとテンションが上がるのはきっと私だけではないはず。どういう訳かこの形は女心をくすぐるのです 私の中でこのツルニンジンはこの日のMVP(=Most Valuable Player)ならぬMBF(=Most Beautiful Flower)でした

 

秋になるとキノコもたくさん姿を現してくれます 

再びシロヨメナに遭遇しました 下り始めて50分。空腹もピークを迎えます 早くお昼ご飯が食べたーい

というわけで、歩きにくいがれ場をどんどん下り、 

歩きやすい遊歩道をスタコラサッサと軽快に下山しますここまで来ればあともう少し! 

 

またまたツルリンドウ(蔓竜胆)を再び発見 花が小さいので見逃してしまいそうですが、私の高感度なflower sensorは見逃しませんよ~ 

こちらはキク科のオナモミ(葈耳)。私が幼い頃、このとげとげした実を採っては、友達とお互いの服をめがけて投げ、くっつけ合って遊んでました。でもこのとげとげの実は、子孫を残すためのオナモミなりの作戦で、動物にくっ付いて種子を遠くへ運んでもらおうという狙いがあるのです。幼い頃はそんなこととはつゆ知らず、たくさん実を採って遊んでいましたが、実は私たちもオナモミの子孫繁栄に協力していたのですね

 

九千部岳の頂上から約1時間50分で田代原キャンプ場に戻ってきました~なんと時刻は13:30。すでにお腹はぺっこぺこです キャンプ場ではとっても可愛らしいユリ科のギボウシ(擬宝珠)と満開のタデ科のミズヒキ(水引)が私たちを待っていてくれました 

キンポウゲ科のセンニンソウ(仙人草)もとってもきれいでした  他の木に巻き付いて、真っ白な花をたくさん咲かせていましたよ~

さてさて、お待ちかねのランチはキャンプ場の中のベンチにて頂くことに。頂上で食べるのも良いけど、たった今登ってきた山を眺めながらのランチもいいものです 

食後のデザートは、なんと隊長特製の豆乳プリン ほぼ毎回と言っていいほどスイーツを作ってきてくれるとっても器用な隊長は、トッピングの黒蜜ときなこまで準備してきてくれました 隊長、いつも美味しいデザートをありがとうございます

甘~いスイーツに合うのは、ほろ苦~いコーヒー これまた隊長がブレンドして朝から挽いてきてくれた豆を使っています アウトドアで淹れるコーヒーって何でこんなに美味しいんでしょうね~ 山に登って、美味しい空気を胸一杯に吸って、可愛らしい植物達にたくさん出合って、美味しいデザートを頂いて、今回も贅沢な時間を過ごさせていただきました

登山の締めは雲仙のよか湯にて温泉タイム~ 約2ヶ月前の登山ですが、写真をアップしたり、ブログを書いたりしながら「やっぱり山はいいな~」って改めて思いました。今月の定例登山は22日(土)に雲仙に登る予定ですが、どうやら変更になる様子。もしかしたら今月も行けないかも… ま、準備だけはしておこう!とりあえず、九千部岳登山はこれにて完結です!次回をお楽しみに~


九千部岳登山(長崎県雲仙市)その3

2012年12月09日 | 山のお話

辺り一帯を展望できる大きな岩のあった場所から再び山の中へ。頂上まであともう一踏ん張りです 

 

あともう少しで頂上なのですが、最後に急な上りが待っていました このコースはロープが下がっている岩場が多く、しっかりと足を上げて登らなければいけないので大変ですが、ずっとなだらかな道を歩くよりはるかに楽しいです

歩き始めて約2時間で九千部岳(1062m)の山頂に到着しました~ 九千部岳は雲仙岳の北西方向にある山で、温泉街やゴルフ場のある南山麓に対してこちらは奥雲仙と呼ばれ、ひっそりとした雰囲気を漂わせています。初夏にはヤマボウシ(山法師)の真っ白な花で埋め尽くされるそうですが、まだその時期に登ったことがないので、来年あたり初夏に登ってみようと思います

ブログのアップをサボっている間に季節はすっかり冬になってしまいましたが、この時はちょうどススキの花が咲き始めて、山登りにはもってこいの季節となっていました。でもこの後、10月は体調不良により不参加、11月は悪天候で延期になり都合が付かず不参加と、月一回の定例登山に全然参加できず、欲求不満が高まる今日この頃です どうか今月こそ山に登れますように

話は元に戻りまして、頂上でご飯…と思いきや、記念撮影を終えるとすぐに下山開始 時刻は間もなく正午になる頃でしたが、この日はスタート地点の田代原キャンプ場でお昼ご飯を食べる予定になっていたのです 私の食いしん坊なお腹の虫は今にも鳴き出しそうでしたが、もうしばらく我慢してもらうことにして、足早に山を下ります

向こうに見えるのは我々がよく登っている普賢岳(1359m)。いつも登っている山を別の山から望むとは、なんとも言えない趣がありますな

下山し始めて20分ほどで、田代原牧場の標識が現れました。ここからは行きがけには出合わなかったいろんな植物たちがたくさん姿を見せてくれましたよ~ 

 

まるで「から傘お化け」みたいなキノコを発見しかし、相変わらずキノコの名前は分かりません 傘がボロボロだったけど、スポットライトを浴びて気持ち良さそうでした右側の黄色い花はシソ科のキバナアキギリ(黄花秋桐)アキギリは紫色の花を咲かせるのですが、こちらは花が黄色いので「黄花秋桐」という名前になったようです。一ヶ所にたくさん群生してとてもきれいでしたよ~ 

 

左はキク科のシロヨメナ(嫁菜)で、薄紫色のヨメナに似ていて白い花を咲かせることから「白嫁菜」という名前が付けられたそうです。右はシソ科のアキチョウジ(秋丁字)で、秋に「丁」の字のような花を付けることに由来するのだそうですが、どこが丁の字形なのかよく分かりません。花の先っぽが丁の字になってるのかな?

ん?んんん!?これは一体何だろう?

つる性でピンポン球くらいの丸いつぼみらしきものが1つころんと付いていて、なんとも可愛らしい姿をしているこの植物。この時は誰もこの可愛げな植物の正体が分からず、みんなで「何だろうね?」って首を傾げていたところ、この後その正体が明らかになるのでした 果たしてこの植物の正体は

答えは次回発表しまーす

その4に続く