I Love Nature

自然の中で見つけたステキなモノ

冬の雲仙登山 その2 仁田峠~あざみ谷

2011年01月19日 | 山のお話

風を遮るものが何もない仁田峠。容赦なく風が吹き付けるので、とにかく寒いとりあえず一旦トイレに避難


すると、トイレの前には風に吹き飛ばされた雪がこんもりと積もっているではありませんか!


と、そこに除雪隊(市の職員の方?)の方々が登場 トイレの前に50センチほど積もった雪をシャベルで掻いてくださいました。もしかして毎日ここまで来られてるのかな 本当にご苦労様です

木の枝はまるで粉砂糖をかぶったプレッツェルのよう。ちょっと美味しそうでしょ いつもテレビで見ていた『花ぼうろ』の様子とはちょっと違いますが、おそらくこれも霧氷の一つ。下界ではまず見ることはできません。


(T小ニコニコ登山隊+kero-kero, photo by Mr. Nishimura)

11:00

普段見ることのない真っ白な世界。さらには今まで体験したことのないような冷たく強く吹き付ける風。私を含めほとんどが雪山登山初挑戦の皆さんの顔に、「本当に大丈夫かな??」と徐々に不安の色が表れ始めます。とその時、リーダーN先生より「今回は風当たりの強い妙見岳へのコースを避け、普賢岳の方からあざみ谷を目指すルートに変更します」という指示が出されました。その言葉を聞いてほっとしたのは私だけではなかったはず(笑)。登山には気候の変化がつきもの。それに応じた臨機応変な対応もまた然り。ものを言わない自然とうまくお付き合いするには、どんな状況でも相手をよく観察し、それを受け入れる寛容さが必要なのですね


こちらはロープウェイの乗り場の横にある展望所。この左の方から再び山へ入って行きます。12月に訪れた時ははっきりと見えていた平成新山も、この日は視界が悪くよく見えません。なんとか晴れてくれないかな~

私たちの前に妙見岳へ登っていく人たちが数名いたのですが、こちらのコースはこの日人が辿った形跡は見当たりません。どうやらコース変更の真意はその辺りにもあったようです かくして、私たちは再びきらきらと輝く真っ白なヴァージンロードを歩くこととなったのでした

いつもは水が流れている普賢神社の手水鉢も、この日の寒さを物語るかのようにカッチカチに凍ってしまっています どうか何事もなく無事に戻ってこられますように!


もみの木の森を左手に見ながら緩やかな上り道をてくてく歩いて行きます。



標高1090メートル。
100メートル毎に気温が0.6度下がるから、下界と比べると約6度くらい低いということ。
この日の最高気温が6度だったので、おそらく氷点下だったとは思いますが、
このルートではほとんど風を受けなかったので、あまり寒さを感じませんでした



木の上にもベンチの上には雪がこんもり!
ベンチの下からだと70~80センチは積もっていそうです


この通りには立派なモミの木が何本も並んでいます。モミは常緑針葉樹なので、冬でも緑色の葉っぱを落とすことはありません。そのためヨーロッパでは伝統的にこのモミの仲間がクリスマスツリーとして使われてきました。ちなみに北米ではマツの仲間が使われることも多いそうです。クリスマスツリーの起源は17世紀のドイツにあるため、ヨーロッパではドイツに多いモミの木が使われるようになったのだとか。いずれにせよ、常緑樹じゃないとちょっと寂しいですもんね


目の前には平成新山の姿が見えるはず!
…なのですが、やはり顔を見せてくれません
空は靄がかかって真っ白です

(photo by Mr. Nishimura)
さあ、次の目的地あざみ谷までもう少し!
歩き始めて約1時間半。ちょっとお腹が空いてきたぞ~。

11:30

仁田峠から約30分で、あざみ谷に到着~まだお昼前だったけど、すでに腹ぺこの私たちは、ちょっと早めの昼食をとることに。腹が減ってはなんとやら、と言いますから、ここでしっかりご飯を食べて体力回復といきましょう







(photo by Mr. Nishimura)

ベンチに積もった雪をかきかき、腰を下ろして昼食タイム雪の中で食べるカップヌードルのなんとも美味しいこと前回はN先生が持ってきてくださったコーヒーを頂いたのですが、今回は事前にお湯を持ってくるようにとの指示があったので、カップヌードルの他にも粉末の生姜湯を持参し、食後に飲んで体を温めました。じっとしているとさすがに足の先から冷えてくるので、30分ほど休憩した後、再び霧氷を求めて出発します。予想に反して、お天気にも徐々に回復の兆しが見えてきました 続きをお楽しみに~!

冬の雲仙登山 その1 池の原園地~仁田峠

2011年01月16日 | 山のお話
(池の原園地にて)

この時期、雲仙では「霧氷」と呼ばれる着氷現象を見ることができ、気象条件のいい日にはたくさんのハイカーたちがその美しい霧氷をまとった木々の姿を観賞しに雲仙を訪れます。雲仙では霧氷のことを「花ぼうろ」と呼び、地元のテレビでは毎年のようにその神秘的な景観が紹介されます。私も数年前から「本物の花ぼうろを見てみたい!」と思っていたのですが、前述の通り(→『冬の雲仙へ』)、思いがけずそのチャンスが訪れました!

そもそも霧氷とは何か。ちょっと調べてみると、霧氷とは氷点下の環境で空気中の水蒸気が樹木などに衝突して凍結もしくは昇華することでできる白色または無色透明の氷層の総称で、樹氷も霧氷の一つであるということが分かりました。ただ寒いだけでは美しい霧氷を観賞することはできず、以下の3つの気象条件が必要であるとのこと。

1. 氷点下であること
2. 霧があること
3. 風があること


さてはて、これら全ての条件が揃い、我々は花ぼうろを観賞することができるのでしょうか 今回は登山の様子を時系列で紹介したいと思います

8:00

諫早にある長崎県立総合運動公園の駐車場に集合。あいにく天気は雨。チェーンを搭載した車3台に分乗し、一路雲仙へ出発 千々石のコンビニでお昼ご飯を調達し、別所ダム方面から雲仙へ上ります。途中から景色が一変し、真っ白な銀世界へ突入!次第に路面も凍結し始めたので、チェーンを装着し、再び上り始めます。


9:20

おしどり池近くの公園に到着。今回の登山の起点となる池の原園地にはトイレが一つしかないこと、また仁田峠のトイレはおそらく凍結していて使えないというリーダーN先生の的確な判断により、ちょっと手前にあるこの場所でトイレ休憩をとることに。車を降り、改めて辺りを見回すと、下界とは全く違う景色に一同騒然!同じ長崎県内でもこんなに違うんですね~



9:45

池の原園地の駐車場に到着!ここでトレッキングシューズに履き替え、N先生に貸していただいた簡易アイゼンを装着します。



10:00

さあ、まずは仁田峠に向かってレッツゴー!右手にはストック(←これもN先生からお借りしました)を握り、一歩一歩雪の感触を確かめながら歩いて行きます。私を含めメンバーのほとんどが雪山登山初挑戦だったので、いやが上にも興奮で胸が高鳴ります

本来なら階段があるはずの場所も、どこに階段があるのかさえ分からないほど真っ白な雪で覆われています。私たちの他には生き物の気配を感じないしんとした森には、神聖な雰囲気さえ漂っており、まるでこの森の主から私たちだけが森の中に入ることを許されたような、そんな気分になってしまうほどでした。

リーダーN先生を先頭に11人が連なって歩きます。どんどん雪深くなってきたぞ~!



時折森の中を吹き抜ける風が表面に積もった新雪を舞い上げ、まるで霧がかかったように視界が悪くなる時があります。これは下界の雪と違って水分が少なく、さらさらしている証拠。長崎でもパウダースノーに触れることができるなんて感激です


とある建物の上に積もった雪。軽く15センチはありそうですよ~

葉を落とした落葉樹たちは氷の衣をまとって美しい姿に変身 今しか見られない貴重な光景です。


ここで登山の装備についてちょっと。今回はN先生のご助言により、頭には毛糸の帽子、首にはネックウォーマー、上半身は下着(アンダーアーマー)・中着(フリース)・上着(ダウンジャケット)を着用し、下半身はスポーツ用のタイツと靴下、そして登山用のズボンを履いていたのですが、これで十分対応できました 今回準備できなかったのは、登山グッズの一つであるスパッツ。スパッツを装着すると、足首から雪が入ってこないし、ズボンの裾が汚れないし、何より温かいんですって。今後購入を検討したいと思いまーす


10:40

池の原園地から40分かけて仁田峠に到着~ ここは山の中とは全く違う世界。轟々と吹きすさぶ強い風、そしてその風に乗って舞い上がる雪が容赦なく私たちに体当たりしてきます。ここ仁田峠は、周りに風を遮るものがないので、とにかく寒いんです 果たして私たちはここから霧氷の名所である妙見岳に登ることができるのでしょうか ちょっぴり不安になってきたkero-keroなのでした

つづく

雪の雲仙へ

2011年01月15日 | 山のお話

(おしどりの池のほとりにある公園にて)

「強い冬型の気圧配置により、各地で暴風や大雪が予想されます」
なんて天気予報が流れる中、本日なんと雲仙へ雪山登山に行ってきました 今回のメンバーは、先月一緒に雲仙登山へ行かせていただいたメンバーを含む計11名(男性5名・女性6名)。実は当初の予定では、大分県の久住へ霧氷を見に行くことになっていたのですが、かなりの悪天候が予測されたため、昨日急遽目的が近場の雲仙に変更になったのです。今回は参加人数も多いし、何より安全が第一ということで、苦渋の(久住だけに)決断だったようですが、この変更が正解でした さらに現地でのリーダーN先生の柔軟な対応により、私たちは真っ白な雪に覆われた冬の雲仙を安全かつ快適に登ることができたのです この登山の詳細はまた後日アップしますので、どうぞお楽しみに~

2011年 卯年

2011年01月01日 | いろんなお話


新年明けましておめでとうございます

21世紀もいよいよ11年目に突入です。
なんだか早いですね~。
新しい年を迎えるたびに
1年があっという間に過ぎ去って行くような感覚が
どんどん増してゆくような気がしています。
だからこそ、1日1日を大切に過ごさなければと思うのですが、
根が怠け者なので、ぐうたらと過ごす日も多々あります。
でも最近は、そんなぐうたらな1日の中にも
思いっきり笑顔でいられる瞬間があれば
それでいいかな、なんて思ったりもして…。

そんな私の今年のテーマは
「焦らず、一歩一歩、着実に」

全てのことにおいて、結果を急いでしまう癖があるので
目の前のことを一つ一つきちんとやれるようにしたいと思います。

先のことはあまり考えすぎず、
今自分がやるべきことをきちんとやる。

心にゆとりをもって、
おおらかな気持ちで人と接する。

思いやりと感謝の気持ちを忘れない。

これらのことを心に留めながら、
この1年間を過ごしていきたいと思います


このブログの更新もなかなか思うようにはいきませんが、
今年もなるべくいろんな場所へ足を運んで、
皆様が笑顔になれるようなものをたくさん発見し、
できるだけ多く紹介していきたいと思いますので、
今後ともどうぞよろしくお願いします!

どうかこの2011年が皆様にとって幸せ多き1年となりますように