I Love Nature

自然の中で見つけたステキなモノ

お大師さん

2008年04月30日 | 五島のお話

          柏地区のお大師様

4月26日(土)にkaoriちゃん&akemiちゃんファミリーと『お大師さん』という地域行事に参加してきました

3月から4月にかけて、ここ福江島では街角で『お大師さん』と書かれた張り紙を見かけるようになります。そもそも『お大師さん』とは一体なんなのでしょう?永冶克行著『知っておきたいちょっと変わった五島雑学事典』によると、

『お大師さん』

空海が入定した日が承和2年(835年)3月21日であった。このことから、島民はこぞって弘法大師像をこの日特別に祀り、朝から巡礼する。三井楽柏地区や嵯峨島など各家が室内に大きな壇をしつらえて季節の花を飾り、振る舞いを行う。…(中略)…近年は新暦の4月21日行われることが多くなった。…(後略)…

とあります。ちなみに入定(にゅうじょう)とは、生きたまま土中に設けられた石室に入り、断食をしながらお経を唱え続け、やがてそのまま声が聞こえなくなり、長い年月をかけて即身仏(いわゆるミイラ)となるという、真言密教の究極的な修行の一つなのだそうです。明治期には法律で禁止されたということですが、そのような命がけの修行が行われていたとは、この『お大師さん』という行事について調べるまで全く知りませんでした。昔のお坊さんは大変だったんですね 空海は62歳のときに入定し、それから86年後の延喜21年(921年)に醍醐天皇から『弘法大師(こうぼうだいし)』の諡号(しごう)が贈られ、『お大師さん』と呼ばれるようになったようです。

        

 

こちらが三井楽柏地区の各家庭に設えられた祭壇です。それぞれの家で弘法大師の像も祭壇の飾り方も違っていてましたが、たくさんの花でいっぱいにするのが共通の慣わしのようです。花は自分達で育てたものが主だそうで、どの家庭にも今が見頃のミツバツツジが飾られていました

                 

柏地区では、子ども達はお布施の10円玉を持って各家庭を巡り、袋に入ったお菓子やジュースをもらいます。大人にはお餅や饅頭を振舞ってくれます。本来はご馳走を作って巡礼してきた人たちに振舞っていたようですが、準備にたいへん手間がかかるため、お年寄りの多い柏地区ではお菓子との交換に変わってきているようです。子ども達にとってはたくさんお菓子をもらえる嬉しい行事のようで、袋一杯のお菓子を提げて歩いている子ども達をたくさん見かけました

        

こちらは岐宿川原地区のお大師さん。白石のとも綱石(遣唐使船を繋いでいたと言われる石)の横にあるお堂の中に祭壇が設けられていました。ここ以外にも周辺の小さな地蔵堂の中では人が集まり、話に花を咲かせていたようでした。地域の人が集まるいい機会にもなっているようです。

こちらの地区ではいまだにご馳走を作って振舞う習慣が続いているようです。やはり準備にはたいへん手間がかかるようで、数日前から仕込みを始めなければならないとのことでした。

 

こちらでいただいたお赤飯や桜餅はとっても美味しかったです 他にも山菜の天ぷらやツワの煮物、紅白なますなど、ヘルシーで美味しいお料理がズラリと並んでいました。誰でもお参りをしていいそうなので、他所から来た私のような人間には、地域の文化に触れ、地元の郷土料理も堪能できるとても興味深い行事だと思いますので、ぜひ一度『お大師さん』を体験してみることをおススメします。

        

とはいえ、一緒に行った子ども達は何軒もまわっているうちに途中で飽きてしまったようでした。お菓子をたくさんもらえて喜んではいたけど、ずっとおりこうさんにしてなくちゃならないし、4歳と6歳の子どもにはちょっとつまらなかったかもしれないね  最後に行った公園では、滑ったり転んだりしながら2人とも思いっきりはしゃぎ回っておりました。帰りの車の中で2人とも撃沈して爆睡していたことは言うまでもありません(笑)。

一緒に連れて行ってくれたkaoriちゃん&akemiちゃん、本当にありがとう!また何か地域行事があるときは声を掛けてくださいな♪好奇心旺盛のkero-keroはどこまでもお供させていただきます!今後ともよろしくお願いしまーす


ヒメオドリコソウ(姫踊子草)

2008年04月25日 | 植物のお話

          葉っぱが赤くて可愛いな~

ある晴れた春の日に近所を散歩していると、休耕田いっぱいにたくさんの小さな草花たちがそれぞれの花を咲かせていました。中でも上のほうの葉っぱが紫がかった野草が目に留まり、近づいてよくよく見てみると、その葉っぱの隙間から愛らしいピンク色の花が顔をのぞかせているのに気が付きました

         

緑色から赤紫色に変わっていく葉色のグラデーションもさることながら、そこからひょっこり顔をのぞかせるピンクの花もステキです 

さて、この不思議な植物の正体はいったい何でしょう?花の形やその並び方からシソ科の植物であることはすぐに分かりましたが、名前が分かりません。そこでインターネットでシソ科の植物を調べてみると、すぐにその正体が判明しました

この野草の正体はシソ科のヒメオドリコソウ。ヨーロッパ原産の帰化植物で、明治以降に日本に渡来し、今では全国各地でその愛らしい姿を見ることができます。去年紹介した同じシソ科のオドリコソウより小振りなので、ヒメオドリコソウという名前が付けられたようです。この時はブルーのオオイヌノフグリと仲良く群生していて、とてもきれいでした

春は『五月病』という言葉があるように、人によってはとても憂鬱な季節でもあるようですが、私にとって春はパワーが漲ってくる希望の季節です。確かに日本では学校や企業は4月からスタートするため、新しい環境でたくさんの人達と出会い、新たな挑戦を始める人も多く、不安や希望が入り混じる複雑な時期ではあると思いますが、私の場合、寒い冬を耐え忍んできた野草たちの芽吹きや開花を目の当たりにする度に、「私も頑張るぞ~!」って足元からチカラが湧いてくるのです。

長年(ってまだ30年そこそこですが…)生きていると思いもかけないような出来事に遭遇し、こんな私でもくじけそうになることもありますが、そんな時は目の前の出来事からちょっと離れて自然の中に身を置いてみるんです。そしてその美しさに感動することができれば「大丈夫!」って思えてきて、また現実を見つめなおすことができるようになるのです。私にとって自然はまさにパワーの源なのです。まぁ基本ポジティブな人間ですので、立ち直りと切り替えは早い方ではあるんですけどね(笑)。

さて、いよいよ明日からGWが始まります。今年は島を離れていろんな人に会いに行こうと計画中です。できれば山にも遊びに行きたいな~。皆さんもぜひ有意義な連休をお過ごしくださいませ!ではでは


今年2番目のお客さん 最終日

2008年04月24日 | 五島のお話

          鬼岳は今日も風が強かった!

長らく放置してすみません

かな~り時間が経ってしまいましたが、最終日をアップします

 

最終日は朝から少し晴れ間が出てはいたものの、風のほうは一向に収まらず、結局強風の中のドライブとなりました 

           

樫之浦のアコウ

福江島にあるアコウの中で最も巨大なここ樫之浦のアコウの木は一見の価値有り!枝から伸びる数々の気根の中には、地面まで伸び支柱根となっているものもあります。玉之浦のアコウは葉がほとんど落ちていたのに対し、樫之浦のアコウは葉が青々と茂っていました。この違いは一体何なのでしょうね!?

          

樫之浦のマグロの養殖場 

この時は餌やりの時間だったようで、おこぼれを狙う海鳥たちがたくさん群がっていました。すごかったねぇ

          

半泊(はんとまり)の浜

福江島の秘境(←私が勝手にそう呼んでいます)半泊の浜は、きれいな色と形をした石で一面覆われています。この日は風が強く、いつもより波も高かったので、波が引くときに石と石がぶつかって奏でるカラカラカラカラという音がより美しく聞こえました。ただ、すごく寒かったのであっという間に退散しちゃいましたけどね 海草もたくさん上陸していましたよ。この時期ならではかもしれませんね。

           

堂崎天主堂 駐車場あり

福江島で最も有名な教会で、外装はれんが造り、内装はこうもり天井(リブボールド天井)という美しい教会です。中は資料館にもなっているので、入場料が300円かかりますが、五島の隠れキリシタンの歴史を知ることのできる資料がたくさんありますので、一度は入ってみることをオススメします。昨年は、世界遺産暫定リストにもノミネートされ、さらに今年は献堂100周年を迎えるのだそうですよ

          

堂崎天主堂の見学をオススメしといて何ですが、shokoにとっては近くの浜の方に興味があったようなので、中には入らず、潮が引いた浜を散歩することにしました。

 

普段水に浸かっている場所には、細かくてきれいな石が一面に敷き詰められ、小さな貝がたくさん住んでいました。一方、いつも乾いている場所には同じ種類の貝の貝殻がいっぱい!近づいてよくよく見ないと白い砂のようにしか見えなかったものが実は小さな小さな貝殻だったとは驚きでした shokoが気付いてくれなかったらそのまま通り過ぎていたところでした。

          

堂崎天主堂付近の浜

潮が満ちているときには上半分しか見えてないこの2つの岩は、潮が引くとその全貌を現します。 大小(小っていっても結構大きいですけど)の丸い岩が仲良く並んでいるので、私はこの2つの岩を勝手に『夫婦岩』と呼んでいます。堂崎天主堂に行った際にはぜひ探してみてください。

          

『喫茶バイクハウス』

崎山にある私のお気に入りの喫茶店は、この日は臨時休業でお休みでした 久々に二輪車カレー(ハンバーグが2つのったカレー)を食べようと思ったのに~。残念!!とりあえず記念写真だけ撮らせてもらいました。この一枚、なかなか気に入ってます

          

鐙瀬溶岩海岸&ビジターセンター 駐車場あり

鬼岳が噴火したときに流れ出した溶岩が固まってできた海岸で、この展望台の他にも遊歩道が整備されているので、海岸線を歩いて散歩することができます。駐車場の傍らにあるビジターセンターには平日はほとんど人がいませんが(職員さんすら見当たらない)、中に入ってみると島に住む動物たちの名前や鬼岳が形成された過程などを知ることができます。意外と楽しめますよ~

鬼岳 駐車場あり

旅の締めくくりは、体力自慢の私たちらしく鬼岳登山へ!二人とも日頃からバスケで鍛えた健脚で、すたこらさっさと頂上まで登ってみました 鬼岳はもともと火山だった山で、臼状になっている火口の周りをぐるりと歩くことができます。

 

鬼岳山頂は普段でも風が強いのですが、この日は輪をかけて風が強く、足を踏ん張っていないと吹き飛ばされそうなほどでした 

       

向こうに見える山の稜線をたどって、火口をほぼ一周したあとは、火口のど真ん中へLet's go!人の通った跡らしきものをたどってどんどん下っていきます。      

        

火口の中心まで下って辺りを見回してみると、何やら洞窟のようなものを発見!中に入ってみるとコンクリートの壁があり、そこから空を見上げると、木の枝が絡み合ってまるで屋根のようになっていました。ここには一体何があったのでしょうね??他にも気になる穴のようなものが数箇所見えたので、草をかき分けながら近づいてみたのですが、草の中から野うさぎがぴょんっと飛び出してきたのにはびっくりしました この辺りにも野うさぎが生息しているんですね~。五島では初めて遭遇しました

          

16:40発のフェリー(最終便)

自然派&体育会系の2人の福江島ツアーは、体力任せのちょっと無茶っぽい旅となりましたが、島の自然をたっぷりと満喫できたことは間違いありません。 最後までオチがつきまとう雨女shokoの乗った最終便のフェリーは、時化のため30分遅れで出航し、航海中はかなり揺れたのだそうです それでもそのままバスケの練習に顔を出したshoko、あんたはえらい!shokoよ、これからもずっとよき師弟関係でいような。バスケも一緒に頑張ろなー

それにしても、ターミナルのお土産屋のおばちゃんに「お母さんですか?」って言われた時はプチショックだったなぁー なんせshokoとはたった9歳しか変わりませんからっ 一体いくつに見えたんだろう… まぁいいですけど。

 

今年2番目のお客さん(完)