棋聖戦第1局は黒番の山下九段が逆転で中押し勝ちした。終始苦しい展開だったが、勝負手で執念の逆転勝利を呼び込んだ。
現地で行われた解説会は地元ファンで満員となり、ドイツの囲碁人気の高さを見せた。ベルリン囲碁協会会長のベルンハルト・ルンゲさんは「最高の戦いを間近で見ることができ、感激している。棋聖戦をきっかけに、さらにファンが増えるだろう」と話していた。
<山下九段の話> ずっと苦しかったが、決め手を与えないよう辛抱して打った
<羽根棋聖の話> 流れはいいと思っていたが、難しい碁だった。最後の見損じはひどかった
(読売新聞より抜粋)
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山下九段、序盤から劣勢との評価でしたが乱戦に引きずり込み、羽根棋聖のミスを誘いました。初戦を制し、気をよくして波にのるとタイトルも見えてくるでしょう。
一方の羽根棋聖、相手の挑発に乗ったきらいがあります。冷静さがウリの棋聖、次の対局では自分らしさを発揮してもらいたいと思います。
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日本の三大棋戦(棋聖・名人・本因坊)は二日制(持ち時間:8時間)で行なわれています。
国際棋戦の持ち時間は3時間が標準で、日本の棋士にとってはつらいところですが時間短縮は国際化の流れかもしれません。
ただ、三大棋戦は今まで通り、二日制(持ち時間:8時間)を残してほしいと思います。長時間にわたる緊迫感の勝負は二日制ならではの醍醐味があり、今までも名勝負を残してきました。
日本の囲碁は文化であり芸だと思います。時間短縮でゲーム化してほしくないと思います。