kenharuの日記

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退去者の置きみやげ

2016-08-30 | 旅行記
コテージのご近所さんが退去の挨拶に来た。
「自分は下戸なので、来客用に買った缶ビールの残りを貰ってください」
「借りた農園の、最後の収穫だけを引き継いでくれませんか」
なんと・・・ありがたいお申し出である。
もちろん「はい、はい」。

ご近所さんの農園というのは、僅か数メートル四方の狭さだが、大変な苦労をして開墾した「ミニ新開地」である。

黄色い枠がご近所さんの畑。

コテージまわりの土地は、元が渓流の河川敷だから、石ころだらけの極端なやせ地。
耕運機を借りて固い土を掘り起こし、毎日のように石ころを拾っては取り除き、肥料を入れて耕していた。
畑の手前の、黄色矢印部分には、取り除いた石ころの山脈が出来ている。

しかし、蒔いた種が発芽しなかったり、出てもうまく育たなかったらしい。
サラサラした粉末状の土だから、団粒構造にならないのだという。
「今年は土づくりの年とあきらめるしかない」とこぼしながらも、手入れをし続けていた。
軟弱なボクとは違って、ご近所さんは負けず嫌いの努力家なのである。

そして驚いたことに、ご近所さんは「この畑をモノにするために、来年は3か月滞在します」と宣言して去った。
その後姿を見送りながら、かつての北海道開拓者を連想した。

農園全体は、ソーラーを電源とした、エゾシカ対策の電気柵で囲まれている。


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