事件記者のページ

遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

ヘレン・マクロイ2

2014-09-29 13:57:32 | ミステリ
暗い鏡の中に (創元推理文庫) 暗い鏡の中に (創元推理文庫)
価格:¥ 972(税込)
発売日:2011-06-21

「名のみ知られた傑作」だったとのこと、創元社版は2011年初出、そっか、未読なわけだ、改めてよろしく(誰に言ってる?)

ヒロインは20代の美術教師、校長から突然クビを宣告された、いったいなぜ?そう言えば何となくみんなに避けられてる感じはあったのだが・・・たまたま同僚の恋人が「逃げる幻」に登場した精神科医兼探偵なので相談すると早速学校へ話を聞きに行ってくれる
校長いわく「彼女はしばしば同時に2箇所で目撃される、つまりいわゆるドッペルゲンガーが出没してる、何を隠そう自分も一度見かけた、そんなことを本人に言えるわけはあるまい」、なるほど言われてみればその通りかも、いやそのドッペルゲンガーがホントに怪異であるのなら・・・
何とその日に教師の1人が死に目撃者の生徒はそこにいるハズのないヒロインが犯人だと言う、まさか怪異による殺人?そらないって

同時に2箇所で目撃されたのなら片方は本人によく似た別人なんだろと理性的な人間なら即考えるところだが、スレッカラシの読者もあっさり怪異の可能性へとミスリードされる、1つにはどうやら天涯孤独らしいヒロインにそんないたずらをしかけてどんな意味があるのかわからないから、もう1つには替え玉が勤まりそうな怪しいヤツが思い当たらないから、そのうち当のヒロインが死んでしまい、しかも死んだ後で(と思われる時間に)目撃される、目撃者はあの同僚で見間違いとも思われぬのだが・・・

タネ明かしを聞けばわりと単純な話だけど(もちろんドッペルゲンガーはよく似た別人)、やっぱり驚くのじゃあるまいか、そいつと被害者の接点が伏せられてる上に、何人かいる目撃者の1人がまさかな人物なので・・・(おっとネタバレ自粛)
ところが解決編を聞かされても(こいつしかいないハズの)犯人は断固自分がやったと認めない、証拠がないんだから無罪だと言い続ける、読者は探偵と犯人のどっちを信用するかと言うとこれが意外にむずかしい、証拠がないのもさることながらそも動機が薄弱、悪いヤツだから悪いことをするでは説得力が弱い、はてこれは本格なのか怪奇なのか、専門家の間でも意見が分かれるところなのでアル(とのこと)、このままでは被害者が気の毒過ぎだから犯人を罰してもらいたいのは山々だけど証拠不十分はマチガイないとこなのよね、いまいち納得行かず(フィクションにはよくあることじゃないかって?まーね)


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