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遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

ダフネ・デュ・モーリア

2014-09-06 11:39:36 | ファンタジー
破局 (異色作家短篇集) 破局 (異色作家短篇集)
価格:¥ 2,160(税込)
発売日:2006-05

解説によると長編と短編ではかなりイメージが違う、長編はロマンだが短編はホラーあるいはサイコスリラーとのこと(意訳)、なるほど、若い時に読んだんじゃわからなかったかも(というのもあり)、ジャクソンも読み直すべきかな

アリバイ-平凡な会社員を襲った狂気(だよな、これは)、一見無害に(でもかなり深刻に)進行していたが、貧乏で孤独な母子とかかわったせいである日突然のカタストロフが・・・主人公が(狂ってはいても)殺人犯のわけはないんだがなあ、考えれば考えるほどナンセンスなホラー
青いレンズ-孤独で金持ちのヒロイン、財産を(あるいは命も?)狙われてるのはマチガイない、だがヒトの顔が動物に見えるレンズってのはやっぱしナンセンスのよーな・・・妄想と現実の区別は意外にむつかしいという一例(あれ、これ前にもどっかに書いたにゃ)
美少年-これ一番わかりやすい、ヴェネチアでかわいい男の子に出会ったと言えばまず思い出すのはトーマス・マンだが趣は全く違う、この美少年、ヒトの好意につけ込むチャッカリ屋な上にタチの悪いヒモがついてて・・・パトリック・クェンティンの短編に似たのがあったと思う、無邪気なイタリア少年にはご用心ってこと、オチがまた(クェンティンとは違う意味で)秀逸、ずいぶん痛い目にあったのに懲りないね、オッチャン
皇女-公女って書くべきじゃないのかな?ということは別に関係なく、大公だけが異常に長生きできる(その秘密を握っている)ファンタスティックな公国、美しい観光地でそれなりに平和だったが革命を煽る(実は長生きの秘密を狙う)二人のアジテーターが現れたせいで流血の大惨事が起きる、さてそれで国民が得たものは・・・かくも見え透いたデマに乗せられるほどヒトはアホなのかと訊かれればそうと言うしかなさそう、誰も得してないという意味でこれが一番のホラーかも
荒れ野-なぜか突然荒れ野に引っ越した一家、言葉の出ない少年は放浪の一団を追って家出する、さて彼らの正体は?ナンセンスではないけどホラーかも、たぶん一番あっけにとられる結末
あおがい-男にホレると見境がつかなくなるヒロインは迷惑がられててもまるっきしの「気がつかない星人」(豊崎女史の表現)、とても他人と思われず、ホントどうしたらいいんだろね?

「レベッカ」が来た、なかなか読み進まない、何とこんな大長編だったとは、前に読んだのは映画公開を当て込んだダイジェストだったのだにゃ


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