事件記者のページ

遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

ゴットフリート・ケラー

2015-07-31 11:42:51 | 本と雑誌
馬子にも衣装」(こちら)、新刊を入手可能だが短編一つにはいかにももったいないので古書を買ってしまった、¥1000也、もうけた気分(セコ)、いい服を着てるが一文なしで職を探す青年(仕立て屋だが腕のほどは不明)が宿屋で貴族と間違われ、女の子にもホレられて・・・というお話
飯沢の盗作もほぼそんな話だったと思う、ただ服は無断で借りたもの、ホテルを逃げ出そうとして女の子に捕まった・・・というところで終わってたような、元ネタは正体がバレて一時は深刻な事態になったがその後商売に才覚を発揮してハッピーエンド(というのかなあ、これ)
上っ面をマネただけのできの悪い盗作だったけど「升五郎と升六」が「赤い酋長」だと主張するなら、それよりははるかにわかりやすいマネ方だったんじゃあるまいか、正解がなかった(確か)とは解せぬ(これが「歓迎される客」だったのかなあ、さうかもね)

岩波文庫と文芸朝日なら読者層もかぶってそうなもんなのに、やっぱ知名度が違ったんだろか、中学生でもオー・ヘンリー、ワイルド、モーパッサンなら(名前だけとは言え)知ってたけどケラーは知らんかったもんね、というかこの3人以外の作者を全く思い出せんということはどれも知らない名前だったのじゃあるまいか、「馬子にも衣装」とはいかにも内容そのままな名訳、作者の名前は忘れてもタイトルだけは記憶に残ったわけでこれは訳者の手柄、ともあれ50年ぶりにナゾが解けてよかったということにしとこう、因みに原題は Kleider machen Leute=服がヒトを作る、まんまだね、全くドイツ語というヤツは・・・

それにしてもトルストイとかディケンズとかマンとかってなかったんだろか、今となっては確かめようもないことながら