事件記者のページ

遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

クリスチアナ・ブランド2

2015-07-09 16:11:42 | 本と雑誌
領主館の花嫁たち(こちら)、幼い姉妹のいる館に若い家庭教師がやって来た、どうやらここには幽霊がいるらしく、子供たちはその気配を感じている・・・と来れば「ねじの回転」の出だしだが内容はあんまし似てないと思う、確かに少女が幽霊に取り殺されるお話ではあるけど(おっとネタバレ、だけどさほど問題あるまい)
館の主人は独身で彼女に結婚を申し込む・・・と来れば「ジェイン・エア」だが残念ながら(?)そういうハッピーなお話ではない、何よりもこの彼女は根性悪過ぎ、根性悪ではヒトに負けないつもりの私が言うんだから相当なもんだ
読後感が「嵐が丘」に似ているというレビがあったが、そーかもしれない、主人公が失った恋人を思い続けて死ぬという意味では・・・ただ男女が逆だしこのヒロインはヒースクリフよりずっとかわいそう(と私は思う)

いかにもミステリ作家らしいホラーで(あんまし幽霊が怖くないけどアホラーというほどではない、いやホントに怖い幽霊のお話って読んだことある?気色悪い話とかものすごく痛そうな話ならいくらでもあるけどさ)十分楽しめたけど、一つ不満を言うなら悪人が罰せられたように見えないこと、法律に触れる犯罪者ではないけど、ヒトを不幸にして平然としてる彼女たち(複数)は文句なしの悪人だと思う、そらまあ生きてるだけで不幸って境遇はあると思うけどさ、これでは取り殺されちゃった女の子があまりにも浮かばれない、彼女こそ生きてれば生きてるほど不幸になるばかりだったとは言うものの・・・

なんてね、ヒト並みはずれた根性悪を自認する私が言うことじゃないかもしれんが