事件記者のページ

遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

バルガス=リョサ

2015-07-16 16:31:26 | 本と雑誌
緑の家」(こちら)、とりあえず通読終了、ホントはもう一度読み直して確認した上で書くべきなんだろが、とりあえず第一印象を(書かんでいいって?まーいーじゃない)

舞台はペルー、アンデス山脈の太平洋側にあるピウラという砂漠の町とアマゾン河沿いのサンタ・マリア・デ・ニエバという密林の町、行き来するのにいったいどのくらいの時間がかかるのか見当もつかない、2つの町で起きた様々な事件が時系列というか因果関係を無視して語られる、「え、それ何の話?」と思ってたことがずいぶん後になってから「あ、なるほど」(になることもあるが前に読んだことを忘れててわからずじまいになったことも少なくないと思う、たぶん)

中心人物の一人はボニファシアという女の子、ある事情でサンタ・マリアの尼僧院を追い出され、沿岸警備隊の軍曹と結婚して彼の出身地ピウラへ移ったがいろいろあって(略)娼婦に身を落とす、彼女は元々密林の原住民出身で保護者(実父かもしれない)が行政官を怒らせて(これも面倒なので事情略)リンチに遭い、一人だけ尼僧院へ引き取られたのだったが・・・(ということらしいとエピローグでようやく推測がつく、これは解説でもバラしていない)

もう一人の重要人物はラリータという女性、イキートス生まれだが日系ブラジル人のならず者に買われてサンタ・マリア近くの密林で暮していた(モデルありとのこと、解説ではこの女性をボニファシアと書いてるかラリータの間違いだと思う)、その後別の男と駆け落ちして行き所のなかったボニファシアを引き取り嫁入させる、諸般の事情(略)で亭主が捕まると沿岸警備隊の兵卒と再々婚、子沢山でとにかくたくましい

タイトルの「緑の家」とはボニファシアが勤めることになったピウラの娼館、一度焼けて別の場所に再建された、なぜ焼けたのか(焼き打ちにあった)、今の女主人と前の主人とはどういう関係なのか、実はこれラストまで秘密だったらしいのである、解説が見事にバラしてくれてるので周知のこと(登場人物のほとんどにとっては大昔のことだし関係者が口を割らないのでナゾだが)だと思って読んでいた、何人かのレビュアがラストであっと驚いてたから「え、そんな・・・」、驚きそこなったじゃないか、いやまあよくあることだけど

というわけでこれから読むヒトは解説を最初に読んじゃダメと言いたいとこだが読まないと道に迷って途中でやめちゃうかも、親切な解説もよし悪しだ、いや私にとっては「よし」だったね、たぶん

さてでは読み直すとするか