事件記者のページ

遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

玉の井のナゾ

2015-07-19 14:59:13 | 本と雑誌
以前待合について書いた(こちら)、Wikiをよく読むと青山の小説にある定義もちょっと一方的で待合もピンキリ、上は芸者を呼んで宴会するところ(ついでにその芸者が色を売るかもしれないところ)で減ったとは言え今もないわけではないらしいし、下はラブホテルと名称が変わっただけで今も街中にあふれてるモノ、ただどちらも男と女が情事を行う場所に違いないけど微妙なニュアンスの違いはあるよね
飯沢の贋作では金持ちの夫婦が並の連れ込み(当時はこう言ってたハズ、あるいは温泉マーク?)より多少高級感のある「待合」で一夜を過ごして何故か寿司をとってもらい夫は「オレ何でこんなアホな女と結婚しちゃったんだろー」と(までははっきり書いてないけど)思う、因みにモーパッサンの元ネタでは結婚するまで男を知らなかった(らしい)奥さんが遊び人の亭主から「エロチシズムの個別性(女はみんな違って面白い)」を教えられて「男だってきっと面白いに違いないわ」と思う、やっぱ元ネタの方が上だよなあ・・・

いきなり何事って贋作の方にこんな会話があったのだ
妻「お女郎ってもういなくなったんでしょ」
夫「そうさ」
妻「玉の井ってのもないのね」
夫あきれる(らしい)がこの先しばし忘れた、「玉の井」が何なのか見当もつかなかったので、女郎と対になる言葉なら何やらその辺を指す職業じゃないかとは思ったものの(たぶんね)、中学生が公娼と私娼の区別など知るわけはなし、いやそもそも「女が体を売る」ことの意味ガホントにはわかってなかったハズなのだ(その証拠にこの頃「事件記者」のトッシャンが街娼の誘いに乗っておミッちゃんに「不潔」と言われる、何が不潔なのか全然わからなかった・・・やっぱ幼稚な子供だったんだなあ)

だいたいこの会話おかしいよね、待合が問題になってるのならそこは基本的に女郎(公娼)とも酌婦(私娼)とも関係ない場所のハズ、この奥さんは何で娼婦にこだわるのか、中学生じゃあるまいしともかくも成人した女性がつい数年前(この話は昭和40年のことである)まであった遊郭や私娼窟の存在を全く知らないなんてありうるのかね、ま、そこはちょっと微妙かもしれんがそも男が売春宿で女を買うことと、シロウトの男女が待合(あるいはラブホテル)へ行くこととは、そこでなされる行為は同じでもニュアンスは違うことがわからんほどアホな女っているのかね(そういう意味じゃなかったのかもしれんが、その辺の記述忘れたし)

という(どういう?)ナゾの言葉「玉の井」は地名、こういうところであった(ここで「え、名鉄の駅じゃなかったの?」とボケるべきところなんだろうが残念ながら忘れてた)、昭和40年には(私娼窟としては)確かになくなっていたらしい、他のことはともかくここに関して亭主があきれるスジアイはなかったハズなのである