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経営コンサルタントへの道

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■■【経営コンサルタントのお勧め図書】508 知っていたいIFRSの基礎

2020-08-20 16:33:50 | 【心 de 経営】 経営コンサルタントの本棚

■■【経営コンサルタントのお勧め図書】508 知っていたいIFRSの基礎

 「経営コンサルタントがどのような本を、どのように読んでいるのかを教えてください」「経営コンサルタントのお勧めの本は?」という声をしばしばお聞きします。

 

 日本経営士協会の経営士・コンサルタントの先生方が読んでいる書籍をご紹介します。

■ 今日のおすすめ

 

 『IFRS国際会計基準の基礎(第4版)』(監修:平松 一夫 中央経済社)

■ IFRSを知らないでは済まない時代に入った(はじめに)

 

 今日の紹介本は20153月の発行です。IFRS関連の著書では最新版に属するでしょう。しかし、この紹介本が発行されてからも、IFRSの適用に向けた流れは、その速さを増しています。その流れを追ってみましょう。

 

IFRSの適用に向けた日本の流れ‐任意適用される「修正国際基準」の公表】

 

 2015630日に企業会計基準委員会(金融庁の諮問機関‐主に上場企業向けの会計基準を策定)は「修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)」の公表をしました。公表の内容をかみ砕いて表現すると次のようになります。『当委員会は20121231日現在で公表されている国際会計基準(IFRS=国際財務報告基準:13本、IAS=国際会計基準:28本、IFRICIFRS解釈指針:17本、SICSIC解釈指針:8本計66本〈Full〉+「財務報告に関する概念フレームワーク」)のうち、「企業結合(IFRS3号)」「金融商品:開示(IFRS7号)」「金融商品(IFRS9号‐2010年)」「財務諸表の表示(IAS1号)」「従業員給付(IAS19号)」「関連会社及び共同支配会社に対する投資(IAS28号)」の5本については一部「削除又は修正」を加える(国際会計基準の「エンドースメント(修正適用)」と言う)。それ以外については、日本の会計基準として採用する。但し「財務報告に関する概念フレームワーク」についてはエンドースメントの対象から外す』。これに基づき、修正国際基準として、上記5本についての「削除又は修正」がなされた『企業会計基準委員会による基準:基準1号(「のれんの会計処理」)と基準2号(「その他の包括利益の会計処理」)』が公表され、同時に、金融庁は2016331日以降に終了する会計年度に係る連結財務諸表等に適用すべく、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」等についての改正案を公表し、コメント終了を経て、平成278月以降の早い時期に「同規則」を改正するとしています。

 

【日本における国際会計基準の任意適用会社の増加】

 

 2010331日以降に開始する事業年度から、必要性と対応力があると認められた企業が、「指定国際会計基準(アドプション=全面適用=と言う)」に準拠する連結財務諸表を作成し提出されることが認められました。

 

 任意適用上場企業は、201212月末現在では3社であったが、20153月末では73社に増加し時価総額の25%を占めるまで拡大した。「修正国際基準(エンドースメント)」による提出が認められると、任意適用基準が2つになり、任適用企業が300社、時価総額の50%を占めるまで拡大すると見込まれています。(2015628日日経新聞朝刊)

 

【国際会計基準のコンバージョンス=IFRSと日本基準の統合】

 

 IFRSに関し、意外と見過ごされている事があります。それは、企業会計基準委員会(ASBJ)と国際会計基準審議会(IASB)が、20078月「会計基準のコンバージェンスの加速化に向けた取り組みへの合意」(いわゆる「東京合意」)に基づき、コンバージェンス(統合)項目を決め、既に、全ての上場企業の連結財務諸表等への適用を図っている事です。

 

 その主なものは、「連結包括利益の表示(2013913日企業会計基準‐以下単に基準と表示‐第25号)」、「退職給付会計(2012517日基準第26号)」「固定資産の減損会計(2009327日基準運用指針第6号)」「新株予約権とストックオプション会計(2013913日基準第8号)」「企業結合会計(2013913日基準第21号)」「リース会計(2007330日基準第13号)」「四半期財務諸表(2014516日基準第12号)」「関連当事者の開示(20101226日基準第11号)」「賃貸等不動産の時価開示(2011325日基準第20号)」「資産除去債務会計(2010331日基準第18号)」です。(日付は最新改正日。)

 

IFRS適用に関する世界の流れ】

 

 アジア各国の状況は、2007年中国がIFRSをベースとする新中国会計基準を導入したことをきっかけに、2011年に韓国とタイが、2012年にマレーシアとインドネシアが、2013年には台湾が、IFRSまたはIFRSをベースとする自国会計基準を導入しました。

 

シンガポールは「『会計のハブ』国家戦略」のもと、2018年よりIFRSを導入の予定です。インドは2016年よりIFRSとコンバージェンスした自国会計基準を段階的に強制適用するロードマップを公表しています。

 

 アジア以外では、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、チリ、ブラジル、南アフリカ等が導入しています。EU諸国は当然導入しています。米国は、外国企業にはIFRS適用を認めていますが、国内企業には、IFRSに懸念事項があるとの表明をし、未だ強制適用には至っていません。

 

 2009年、2010年、2011年のG20の首脳サミットで「国際会計基準の各国会計基準へのコンバージョン(統合)を進めること」を決議しており、IFRSを会計基準の世界標準とする流れは変わりません。

 

【中小企業への対応】

 

 20097月に、国際会計基準審議会(IASB)は、「中小企業のための国際会計基準(IFRS for SMEsSmall and Medium-sized Entities)」を発表した。海外展開をしている中小企業の場合は、海外展開に伴う資金調達や諸取引(事業取引、企業提携、 MA等)にIFRSを適用した財務諸表等を求められるケースが予想されます。上場企業に適用されるIFRSに比し、簡易化(概念フレームワーク+35)されつつも、基本はIFRS(概念フレームワーク+66本〈Full〉)に添っている、「IFRS for SMEs」の存在を意識して置きたいです。

 

 

■ IFRSの適用のメリット

 

【海外売上高の多い企業にメリット】

 

 最近の上場企業の連結ベースでの海外売上高比率を見るとびっくりします。連結海外売上高比率が50%を超える企業は、全上場日本会社(3500社強)の39.2%です。輸出は横這いでも、海外売上高比率は年々上がっています。M&A等により海外事業所・子会社が増えているからです。このような企業にとっては、グループの決算日を同一にし、同一の会計基準で経営をすることは、メリットと言うよりは必須の課題ではないでしょうか。会計を通じたマネジメント・アプローチの共通化、内部統制に伴う業務プロセス管理の共通化は必須ではないでしょうか。

 

 2015415日に発表された、金融庁の「IFRS適用レポート」は、IFRS適用75社のうちの40社、20152月末までに適用予定を取引所に公表した29社合計69社のヒアリング調査の結果を纏めています。80ページ弱のレポートですが、メリットだけではなく、準備に必要な時間や費用も分かり参考になります。本レポートは、安部内閣の「『日本再興戦略』改定2014IFRSの任意適用拡大促進が掲げられている)」の閣議決定の一環として作成されたものです。

 

 

■ IFRSに関心を持とう(むすび)

 

 私の私見ですが、IFRSは世界標準会計基準としては、発展途上にあります。IFRS適用・適用予定各国の会計基準設定主体とIASB(国際会計基準審議会=在ロンドン)との間で議論が重ねられ、各国が同意適用できる基準へとシナジーしていくのではないでしょうか。

 

 また、連結、単体とIFRSの距離感の問題もあります。税法や自国会社法等各国の特殊性を配慮せざるを得ない単体と、国際的統一基準を目指す連結では、そう簡単に溝が埋まりません。EUのドイツやフランスでも単体は各国基準です。一方単体に日本基準を適用している日本では、IFRSの連結へのコンバージョンスにより、単体への影響(純資産の部の表示など)を見逃すことはできません。

 

 更には中小企業も、IFRSと無関係ではいられません。海外展開している中小企業では、現地での資金調達や事業提携・買収などでIFRSと係りを持つケースもあるでしょう。国内事業のみの中小企業であっても取引相手がIFRSの任意適用企業であれば、IFRS基準(売上計上など)での契約を求められることもあるでしょう。

 

 この様な点から、企業経営に関係する皆様にとっては、IFASに関心を持っておく必要が有ると思うのです。

 

 IFRSを完全に理解するのは簡単ではありませんが、基礎的なことを頭に入れておこうと思われる方は、今日の紹介本を開いて下さい。具体的な開示例や日本基準とIFRSとの比較表等で分かりやすくIFRSについて説明がされています。

 

【酒井 闊プロフィール】

 

 10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。

 

 企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。

 

  http://www.jmca.or.jp/meibo/pd/2091.htm

 

  http://sakai-gm.jp/

 

【 注 】

 

 著者からの原稿をそのまま掲載しています。読者の皆様のご判断で、自己責任で行動してください。

 

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■【経営士ブログ】2-4 日本経営士協会 入会・資格取得の手順

2020-08-20 10:03:02 | 【専門業】 日本経営士協会情報

【経営士ブログ】2-4 日本経営士協会 入会・資格取得の手順

 


日本経営士協会紹介

 


 日本経営士協会は、戦後復興期に当時の通産省や産業界の勧奨を受け、日本公認会計士協会と母体を同じくする、日本で最初にできた経営コンサルタント団体です。
 プロのコンサルタント集団であるとともに、プロのコンサルタントを育成する団体でもあります。
 経営やコンサルティングに関する情報はもちろんのこと、その他のジャンルについてもお届けします。
 経営やコンサルティングの参考にされたり、話材の一つとしてお使いくださったりしてくださると幸いです。

 

入会・資格取得の手順

 

 経営士・経営士補の資格取得をするには、当協会の会員になることが前提となっています。

 当協会には、主として資格会員・一般会員・研究会会員の3種類があり、 資格会員はさらに「経営士」と 「経営士補」とに分類されます。

 当協会に入会する方法としては、入会から資格取得までの流れを把握した上で、下記の5種類からお選び戴けます。

  入会から資格取得までの流れ
 【お薦め】入会申込による入会(一般的な入会申込)
 【事前準備派】資格取得講座受講による入会
 【実力派向き】学科試験受験による入会
 【ベテラン向き】推薦制度による入会
 【学生向き】研究会員としての入会


 入会するためには、まず「会員種・資格種」を決める必要があります。

  >> 会員種・資格種

 会員種・資格種が決まりましたら、上述のどの方法が良いのかを判断して、手続きに進んで下さい。

 

■ 入会から資格取得までの流れ


 経営士資格を取得するには、日本経営士協会に入会した後に、資格取得をしていただくことになります。

  ■  会員区分の決定  

  会員種は資格会員、一般会員、研究会員に分類されます。資格会員は、さらに経営士補および経営士に分類されます。

   >> 会員区分

 

   申込書の入手  

  当協会のWebサイトからのダウンロードする等して入会申込書を入手し、必要書類を整えて申込手続きをを行います。

   >> Webサイトからダウンロード

         入会申込書(pdf)

        入会申込書(Excel)

【 注 】
 資格会員(経営士・士補)として入会される場合も、同じ手続をして下さい。審査過程で、一般会員と資格審査の方法が異なってきます。

   入会審査  

  書類審査ならびに面談で入会審査を行います。この審査では、入会希望される方が、 当協会の会員として相応しいかをどうかを審査します。

   入会通知  

  入会審査に合格したら郵送にて、入会通知が発送されます。研究会員・一般会員として入会される方については、 手順書に基づき入会手続きを進めてください。

   資格審査通知  

 資格会員(経営士補・経営士)として相応しいと判断された方については、資格審査通知が発送され、 資格審査を受けて頂きます。

   会費・諸費用納入手続き  

 入会・資格審査が全て終了した時点で、各審査に合格した方は会費・諸費用の納付手続きを行って頂きます。

 

   会員証・徽章・資格認定書の送付  

 会費・諸費用の納付が完了しますと、会員証・徽章・資格認定書の送付が行われます。
  入会審査に合格したら郵送にて、入会通知が発送されます。研究会員・一般会員として入会される方については、 手順書に基づき入会手続きを進めてください。

 

 

 



 経営者・管理職の皆様 コンサルタントの先生方
イメージ 16 日本最古の経営コンサルタント団体・日本経営士協会とは
 
イメージ 17 資格取得についてや入会の手続等
 
イメージ 18 コンサルタントへの依頼、講師捜しに関する情報
 
イメージ 19 コンサルタントとして成功するための各種情報
 
イメージ 20 経営や管理などに関する各種有益情報
 
イメージ 21 経営コンサルタントによるセミナー
 
イメージ 22 お問い合わせや入会・資格取得のお申し込み
 
イメージ 23 会員専用のID/パスワードが必要です
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 


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■【経営知識】 管理会計03-01-2 03 管理会計活用の末広がり8項2 「2項 上位概念整合性」

2020-08-18 16:18:15 | 【心 de 経営】 経営のヒント

■【経営知識】 管理会計03-01-2 03 管理会計活用の末広がり8項2 「2項 上位概念整合性」

 管理会計を学んだことのある人は多いと思います。

 ところが、理屈ばかりで、今ひとつ面白みがない「学問」であると感じた人も多いでしょう。

 ビジネスパーソンは、管理会計を学問と捉えるよりも「経営実務のための経営思想」と捉えてみてはいかがでしょうか?

 ますます、わからなくなった!?

 と、お感じの方は、ぜひ、当ブログを参考にしてみて下さい。

■ 03 管理会計活用の末広がり8項

 

 前章で、管理会計を正しく理解するために経営と管理会計との関係を中心にお話してきました。

 ここでは、どのような視点で管理会計の導入に取り組んだらよいのか、その基本姿勢を8項目としてご紹介します。

■03-01 管理会計活用の末広がり8項

 管理会計を活用し切れていない企業が結構あります。

 その主たる原因は、管理会計の特質に沿った利用のポイントを押さえ切れていないことにあります。

 なぜ、その様な重要なことが理解されないかというのは、その「ポイント」が、誰でも知っている”やさしすぎる”知識だからです。

 誰でも知っているので、軽視してしまっているからです。

 そのポイントを、管理会計活用の視点から8項に絞ってご紹介します。

【 注 】 予告なく変更となることもあります

 

◆03-01-2 「2項 上位概念整合性」

 末広がり八項の第2項は「上位概念整合性」です。

 企業は、経営理念をトップとして、その実現のための戦略・方策やビジョン、中長期経営計画、それらに基づく年度経営方針・計画、それをになう部門別や担当者個々の計画と、階層化された経営思想が根幹にあります。

 それらが、その企業の「あたり前」の基準なのです。

 たとえば、営業パーソンが月次営業計画を検討するときには、その上位概念である、部門の月次計画や自分が立てた年度経営計画、その基本となっている部門の年度方針・経営計画などとの整合性がとれていなければなりません。

 管理会計の導入により、全社員が、常に上位概念意識を持てるようにします。

 その結果、全社のベクトルがあうことに繋がり、全社一丸で会社の方針に向かって、自分のなすべきことに全力を尽くします。

 すなわち、全体最適の方向に企業全体が、スパイラルアップして行くのです。

 

【 注 】
 一般的な「管理」とは異なる、「正調派管理」について、詳しくは「あたたかい管理のための管理会計の教科書(秀和システム・今井信行著)」をご参照ください。

出典: あたたかい管理のための管理会計の教科書(秀和システム 今井信行著) 

【 書籍紹介 】

 

 “真”の管理会計とは何かを初心に戻って見直してみましょう

 

 管理会計は、私たちに「気付きの機会」を与えてくれる魔法の力を持っています。たとえば、需要予測をして、売上計画を立案したり、営業部門の課題抽出に使ったりなど、管理会計は現場の実務にとても役立ちます。

 一方で、「管理会計は理屈っぽい」「実務とかけ離れている」などと敬遠されがちです。その背景には、管理会計関連書の多くがアカデミックな著者による執筆だからです。経営というのは、泥臭い部分が多いので、現場で苦労している経営者・管理職や担当者の求めているものとは異なるところが多いのです。

 筆者は、40余年もの長きにわたって経営コンサルタントとして現場に密着してきました。従来の管理会計がバランススコアカードとか損益分岐点分析とかという経営手法の横割り的な目次構成でしたが、本書は、そのメリットを活かし、かつ利用者が求めている縦割り的な利用法をマトリックスに組み合わせたコンセプトで書かれています。

 また、経営コンサルタント団体として最も歴史と伝統のある「日本経営士協会」による、日本を代表する会計学の権威者が培ってきたノウハウを継承して、昨今の経営現場に即する形に管理会計を焼き直しました。その結果、従来の管理会計とは「別物」といえるほど、現場に則した管理会計書になりました。

 本書は、「営業・マーケティング編」として記述されていますが、営業職だけではなく、ICTや経営企画などの現場でも役立つ管理会計のノウハウと、自分の仕事に生かす方法を解説した「きょうか書(教科書+強化書)」です。管理会計で「なにができるのか」「どのように取り組むべきなのか」を興味のある項目から調べましょう!

 

目次

 第1章 管理会計を正しく理解する

 第2章 需要予測で売上計画を立案

 第3章 社内データを活用した顧客戦略に管理会計を活かす

 第4章 商品戦略、地域戦略に管理会計を活かす

 第5章 市場戦略に管理会計を活かす

 第6章 温かい管理に管理会計を活かす

 第7章 温かいプロセス管理ができる営業設備

 第8章 管理会計で営業力を向上させる

 定価:1,800円(+税) A5判/ページ数 359ページ

■ 著者プロフィール

 アメリカで経営学、マーケティングを学び、日本の商社で事務機器、印刷機器の輸出入業務や新製品開発と市場導入などを担当。ニューヨーク駐在所長、アメリカ法人役員などを歴任後、経営コンサルタントとして独立。パソコン揺籃期から中堅・中小企業のパソコン活用の啓蒙、ICT活用による経営戦略の指導など、国内のみならずグローバルなコンサルティング活動を展開。現在、日本のコンサルタントの地位向上、若手育成に力を注ぎ、日本経営士協会会長他、各種の要職に携わってきました。

 ソフトバンク「営業管理職のためのパソコンノウハウ」、秀和システム「ロジカル・シンキングがよ~くわかる本」「クリティカル・シンキングがよ~くわかる本(秀和システム 今井信行著)」、アメリカ・マグローヒル社「アメリカにとって今が対日進出のチャンス」など、著書や論文・寄稿・講演など多数。

 
 ←クリック

 

 日本経営士協会は、戦後復興期に当時の通産省や産業界の勧奨を受け、日本公認会計士協会と母体を同じくする、日本で最初にできた経営コンサルタント団体です。

 経営に関する相談・診断・指導・調査・企画・教育訓練および管理について、経営者をコンサルティングし支援する人やそれを目指す人を育成しています。

 日本経営士協会は、「プロ集団+コンサルタント育成」の集団で、1951年に産声をあげ、1953年に第一号「経営士・経営士補」を誕生させ、その活動を通して社会貢献をし続けています。(http://www.jmca.or.jp)

■ 本書のご購入

 本書は、紀伊國屋書店をはじめ、その他の書店等でご購入いただけます。

  ご購入

【 注 】

 1送付先5冊以上のまとめ買いされる場合には、特別なメリットで、前払いの上ご購入いただけます。誠に勝手ながら送付先が分散して、5冊未満の送付先がある場合には、お手数でもその分につきましては書店にてご購入されるか、上記料金適用で、送料を別途追加してお申し込み下さい。(特別なメリットまとめ買い締切:2018/12/20)

 なお、お申し込みは、メールにてコンタクトをお願いします。


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■■【経営コンサルタントのお勧め図書】504 ランチェスター戦略誕生秘話

2020-08-17 16:25:53 | 【話材】 ビジネス関連

■■【経営コンサルタントのお勧め図書】504 ランチェスター戦略誕生秘話

 「経営コンサルタントがどのような本を、どのように読んでいるのかを教えてください」「経営コンサルタントのお勧めの本は?」という声をしばしばお聞きします。

 日本経営士協会の経営士・コンサルタントの先生方が読んでいる書籍を、毎月第4火曜日にご紹介します。

■      今日のおすすめ

 『ランチェスター法則のすごさ』 (著者:竹田 陽一 中経出版)

■      ランチェスター戦略の起源を知っておこう(はじめに)

 ランチェスター戦略は、現在も多くのビジネスマン、経営者が活用しています。  しかし、ランチェスター戦略のプロと称する人に、『「ランチェスター戦略」の基になっている「ランチェスター法則」とは何か』『「ランチェスター法則」はどの様にしてイギリスから日本に伝わったか』『「ランチェスター法則」から「ランチェスター戦略」を創出した日本の研究者は誰か』といった質問をすると、詳しく知っている人は一人もいなかったと著者は言う。

 私もその中の一人です。ランチェスター戦略を深く研究してみようと、幾つかの本を手にしましたが、ランチェスターの法則から説き起こし、そこからランチェスター戦略の戦略としての卓越性を説いている本はありませんでした。そんな時に、初版発行日は古いものの、私の求めている事にピッタリのこの本を見つけました。

 この紹介本を読むことで、ランチェスター戦略の理解が深まる知見を発見することができます。

■      「ランチェスター戦略」のポイントはこれだ

【「ランチェスターの法則」から「ランチェスター戦略」への創出プロセス】

 著者は言います。「ランチェスターの法則」は、ランチェスターが、イギリスの機械技術雑誌に、1914年9月から4ヶ月をかけて連載した19回の記事の、5回目の「集中の法則。N二乗の法則。」、6回目の「N二乗の法則の応用」の二つが「ランチェスターの法則」と呼ばれるようになったものである。日本では『ランチェスターは第一次世界大戦における空中戦のデータを集め、これを分析しているうちに法則を発見した』と言われているが、これは間違いである。なぜならランチェスターが記事を書いた開戦後5ヶ月の間に、空中戦は一度もなかったとされている。

 「ランチェスターの法則」を実用化したのは、第二次世界大戦に於いて、アメリカが対日作戦の一環として、国防総省が「オペレーションズ・リサーチ(OR)」チームを発足させ、対日戦略を統計的・科学的・経験的手法で策定した。これが「OR」と言う新しい学問を誕生させるきっかけとなった。数学者のクープマンやブラウン等の学者からなるORチームは、ランチェスター法則に着眼すると共に確率論・ゲーム理論などを組み合わせ、対日戦・戦略プランモデルを導き出した。その一つとして、国防予算を「戦略攻撃(兵站などの破壊)」と「戦術攻撃(兵力、武器などの増強)」の割り振りを決めるときに、ランチェスター法則(「N二乗の法則」)に着目し、3分の2は「戦略攻撃」に、3分の1は「戦術攻撃」に予算を振り分けた。(このモデル算出の計算式〈微分・確率などでやや難解〉は紹介本をお読みください。)この結果、日本は兵器、食糧の補給を断たれ、敗戦を迎えたのです。

 続けて著者は言います。アメリカのORチームが創出した「科学的・数学的」対日戦・戦略・戦術モデルは、実戦でその的確性が証明されたが、それが経営戦略・戦術に応用されることはなかった。戦後アメリカではOR学会が誕生し、ORを使いユニークな問題解決をした人に「ランチェスター賞」が贈られ、あるいは、ORチームのメンバーが一般企業において戦略・戦術的経営に寄与しアメリカ企業の強化に貢献したが、経営学としては成立しなかった。

 更に続けて著者は言います。経営戦略・戦術としての「ランチェスター戦略」として創出されたのは日本に於いてであった。ORチームのリーダー格のモース及びキムポールの二人は、クープマンやブラウン等のORチームの研究成果を、「オペレーションズ・リサーチの方法」と言う題名の本にして、1950年(昭和25年)に出版した。この本がデミング博士により日本に紹介され、昭和30年に翻訳本が日本科学技術連盟から出され、ベストセラーとなった。この翻訳本をスタートに、日本の経営学者が「ランチェスター戦略」を創出した。「ランチェスター戦略」を確立したのは、田岡信夫、釜田太公望と言われている。有名な市場占有率の三大目標値(強者の最低条件=26.12%、絶対優位の条件=41.71%、絶対的独占条件=73,88%)を開発したのは、この二人である。

【「ランチェスター戦略」のポイント①は「戦略」と「戦術」の区分】

 「ランチェスター戦略」の創出のプロセスから見えてくる重要なポイントは、直接競争する最前線のあり方である「戦術」と、最前線を支える支え方の「戦略」の区分を明確にしておくことです。経営に関して言い換えるならば、経営資源を、「戦略」に2/3、「戦術」に1/3を割くということです。

【「ランチェスター戦略」のポイント②は「顧客占有率NO1」】

 経営資源の2/3を投入する「戦略」とは何か。ORチームが作ったランチェスター法則モデルで、「戦略力」は食糧と兵器の補給でした。『これを経営に当て嵌めると食糧は粗利益、兵器は商品になる。粗利益がなければ生きていけない。粗利益はどうして確保できるのか。顧客に商品が渡りお金が入って来ることによる。それは競争市場で確保される。すなわち一定の「市場占有率」の確保が必要である。「市場占有率」は「顧客占有率」である』『ここでこれを「経営目的は何か」と言い換えれば、「ある特定の商品で顧客を創り出し、顧客占有率一位の地域又は業界を創り出すこと」になる』と著者は主張します。

【「ランチェスター戦略」のポイント③:”ランチェスター戦略”のオリジナリティー】

 「ランチェスター戦略」の「ランチェスター法則」「ORの研究成果」に依るところのオリジナリティーは何かと言えば、「集中の法則」と「N二乗の法則」です。

 「集中の法則」を経営に当てはめると、トータルで競争力が強いa社に、弱いb社が勝つ条件は、a社の競争力を一定に分断し、b社の総合力を「a社の一定に分断された部分」に集中攻撃する戦略・戦術を取るべしとの結論に到達します。つまり『「地域戦略・戦術」(「セグメント戦略・戦術」と言い換えても良い)』と『一点集中戦略・戦術』になるのではないでしょうか。

 「N二乗の法則」からのオリジナリティーは、『接近戦(一騎打戦)では第一法則(攻撃力=兵力数×武器性能〈質〉)が、間隔戦(近代兵器戦・確率戦)では第二法則(攻撃力=兵力数の二乗×武器性能〈質〉)が適用される』と言うランチェスターの法則から帰結されます。つまり「強者の経営戦略」は第二法則を応用すべきであり、「弱者の経営戦略」は、第一法則を応用すべきと言う事です。更に著者は加えて、「強者の経営戦略」を実行できる企業は0,5%位で、殆どの企業は「弱者の経営戦略」を実行して、「ある特定の商品で顧客を創り出し、顧客占有率一位の地域又は業界を創り出すこと」を実現すべきとしています。それはつまり「差別化戦略・戦術」と言う事になるのではないでしょうか。(著者の強者、弱者の定義は、紹介本をお読みください。)

■      「ランチェスター戦略」の原点を理解して読み直す(むすび)

 紹介本から、「ランチェスター戦略」の原点を理解できたと思います。紹介本の更に貴重な点は、「ランチェスター法則」「オペレーションズ・リサーチの方法」等の日本発の「ランチェスター戦略」の基となる、原典が掲載されている点です。やや難解ですが原典に触れることで、「ランチェスター戦略」のオリジナリティーを明確化することが可能になります。

 このような原点を踏まえ、「ランチェスター戦略」に関する諸説を読み直し、ポイントは何かを理解し、経営に役立てたいと思います。

【酒井 闊プロフィール】

 10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。

 企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。

  http://www.jmca.or.jp/meibo/pd/2091.htm

  http://sakai-gm.jp/

【 注 】

 著者からの原稿をそのまま掲載しています。読者の皆様のご判断で、自己責任で行動してください。

 バックナンバーは、下記で見ることができます。

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■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】026 機械×化学の技術・ノウハウで、有用な新規複合材料を開発 8207

2020-08-17 12:03:00 | 【心 de 経営】 成功企業・元気な会社

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】026 機械×化学の技術・ノウハウで、有用な新規複合材料を開発 8207

 経営コンサルタントを40年余やってきた経験から、すこしでも皆様のご参考になればとお届けしています。

 成功企業・元気な会社・頑張っている社長】は、皆様から寄せられたり、私が支援したり、見聞したりした企業の事例を紹介していますが、お陰様で、毎回拍手をいただいています。

 また、あなたのクライアント・顧問先やお知り合いの会社で、ここで紹介したい企業・団体等がありましたら、是非ご連絡ください。

■ 機械×化学の技術・ノウハウで、有用な新規複合材料を開発 8207


 新素材開発など材料科学の分野は日本の『十八番(おはこ)』といわれてきた。

 昨今は中国、韓国をはじめ諸外国の追い上げが激しく、横一線で開発競争をしている感もある。

 HSPテクノロジーズ(茨城県つくば市、清水博社長)は、機械×化学の、二つの分野をまたぐ技術とノウハウにより、さまざまな産業に有用な新たな材料を生み出すベンチャー企業。

「伸縮自在な電極材料を最優先に、製品化を進めている」(清水社長)という同社が首尾よく成果を収めれば、材料科学の研究開発で、日本が再び頭一つ抜きん出ることにもなる。

 同社は2011年に清水社長が起業した。

 清水社長は産業技術総合研究所の研究者として精密高分子技術に関する国家プロジェクトに参画した際、分子レベルで異なる素材を均等に混ぜ合わせる技術を編み出す。

 その混合技術を事業化するため、産総研技術移転ベンチャーとして同社が立ち上がった。
 混合技術のキーワードとなるのが高せん断成形加工で、高せん断成形加工の英語の頭文字を並べたHSPを社名に採用した。

*

 二つ以上の材料を化学的に混ぜ合わせれば、新たな特性の材料が創れることは昔から知られている。

 例えば、ゴムのような電気を通さない素材Aと電気を通す素材Bとの混合で、電気を通しゴムのように伸縮可能な素材Cを創り出せる。

 しかし、細かく均等に混ぜるのが至難の業で実用化を阻んでいた。

 そのブレークスルーを成し遂げるのがHSP=機械的なせん断力。

 HSPによりナノレベルの分散、混合を実現する。

 化学の領域に機械が踏み込む格好で、有用な新コンポジット(複合材料)を次々、開発していく。


 エラストマー(ゴム弾性のある工業用材料)にCNT(カーボンナノチューブ)をナノ分散させて創製する伸縮自在な電極材料、軽量・透明で自動車の窓やスマホなどのパネルに使えるポリマーアロイ(多成分系高分子)、自動車部品やロボット、パソコン筐体、スポーツ用品に適する新規CFRP(炭素繊維強化プラスチック)系材料…。

 同社では多種多様な材料開発をリストアップしており、「付加価値の高いものから手掛ける。一番手は伸縮自在電極のようにCNTを高分散しなければ材料化できないもの」(清水社長)と優先順位を示す。


 清水社長は「もともとの専門は化学系で、より厳密には物理化学」の研究者。

 そのため「機械は専門外なので、装置開発は常に装置メーカーとの共同研究を通じて進めてきた」という。

 同社では今後、自社生産やOEM(相手先ブランドの生産)による新規材料の量産に乗り出す計画で、装置販売に伴うロイヤリティー収入にも期待を寄せる。

 清水社長は自社技術について「産業界にイノベーションを起こせるだけの力を持っている」と語る。

 材料の混合に威力を発揮する高せん断力が、産業界もかき混ぜて、活性化させそうだ。

  出典: e-中小企業ネットマガジン掲載承認規定に基づき作成

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■【心で経営】 心づかいが人間関係を改善する15 プレゼントの選び方   A816

2020-08-16 13:43:54 | 【話材】 ビジネス関連
■【心で経営】 心づかいが人間関係を改善する15 プレゼントの選び方   A816
 
 
 日本経営士協会は、ご存知の方も多いと思いますが、戦後復興期に当時の通産省や産業界の勧奨を受け、日本公認会計士協会と母体を同じくする、日本で最初にできた経営コンサルタント団体です。
 
 会員は、それぞれ異なった専門分野を持っていますので、経営士同士が競合するというよりは、専門外の分野で補完し合っています。これを「共業・共用・共育」といっています。
 
 コンサルティングという実務を通じて、いろいろな体験をしています。その体験を通して、みなさまに情報をお届けしています。
 
■■【心で経営】 心づかいが人間関係を改善する
 

 人は誰しも、諍いや争いなどのトラブルを嫌うのではないでしょうか。

 そのトラブルの多くは、ちょっとした言動が原因であったり、それが契機となって人間関係がこじれたりしているようです。

 かねてより、【心 de 経営】ということを基本に、永年コンサルティングをして参りました。「de」は、フランス語の前置詞で、英語にしますと「of」に近い意味合いであり用法であると認識しています。

「de」を、英語の「of」の意味で用いますと「心 of 経営」、すなわち「経営”の”心」となります。「de」を、そのまま、日本語の「で」に置き換えますと「心で経営」となります。

 ここでは、後者の「心で経営」に重点をおいて、経営に限らず、人間関係における「心づかいのあり方」を、平素の体験から感じるがままにを徒然に記述してまいります。それにしても、他人に優しくするには、自分に厳しくなければならないことを痛感しています。

 期せずして日本経営士協会理事長の藤原久子先生も、心を大切にすることを常々口にされています。理事長とお話している中で出てきたことを中心にまとめています。ある意味では、藤原理事長との合作といえるブログです。

 物事や人の心には多面性があります。お届けするブログが正論であるか否かは、皆様のご判断にお任せしますが、参考にして下さいますと幸いです。

 
 
15 プレゼントの選び方   A816

 

 1980年代に、今や世界的な有名人になっている方とお会いした時に、「先生、パソコンに関する本を書いていただけませんか」ということを言われました。

 内心では、これは素晴らしいオファーですと大変乗り気になっていました。即引き受けますと、あまりにも軽薄すぎるような気がしまして、「いくら経営コンサルタントといいましても、文系出身の私には、ハードルが高すぎます」と応えました。

 ところが、当時は、まだ一介のベンチャー企業の経営者に過ぎない彼が、「失礼ながら門外漢だからこそ、先生のような方に書いていただきたいのです」と、今日、彼が成功できる片鱗を見せてくれたのです。

 もちろん、お引き受けすることになり、門外漢の私が、PC関連の本や雑誌に数十本もの原稿を書くことに繋がったのです。


 さて、本件の首題の「プレゼント選び」というのは、私の最も不得意とするするところですので、これをテーマにして書いたり、話したりすることは避けてきました。

 しかし、不得意だからといい、逃げているだけでは、経営コンサルタントとして恥ずかしいことだと、かねてから考えていました。

 上述の出版の件ではありませんが、贈答のプロ・アドバイザーの視点とは異なる、オーソドックスすぎるようなことをお話ししても良いのではないかと、考えるようになりました。

 恥をかくことを承知で、書こうと思いつつも、なかなか筆が進みません。その種の本でも読めばヒントを得られるのでしょうが、それでは、上述の出版の精神である、「門外漢だから、よいのです」という発想に反してしまいます。

 この文章の読者には、大変失礼ですが、短いですが、思い切って書いてみますので、ご容赦ください。

 私は、海外でのビジネスの機会が結構ありましたので、お客様の自宅に招かれることがしばしばありました。外国の人ですと、日本的なものが喜ばれますので、数多く経験していますことから、あまり、苦もなく、日本酒だとか、扇子や箸などの小物などで、お茶を濁してきました。

 ところが、手持ち在庫がないのに、急に呼ばれて訪問することになりました。何かないかと、思案しながら、捜し物を始めましたところ、盆栽の本が目に入りました。たしか盆栽の種もあったはずと、それを探しましたところ、すぐに見つかり、それを持参しました。

 私自身は、盆栽に関する知識も経験も、本でザッと見る程度のモノしか持っていません。盆栽の種も、外国人への話のネタとして、買ったものを、ただ、しまっておいただけです。

 わずかな知識も本や種の現物が目の前にありますと、結構説明できるモノですね。大変喜ばれました。


 しかし、この様な、例外的な成功は、特に日本人同士ですと、何の役にも立ちません。ここでは、失敗談を通して、平素、心がけていることをご紹介します。

 私のクライアントさんのお一人から、招待を受けました。甘党であるということを聞いていましたので、季節の和菓子を持参しました。ところが、その社長さんも奥様も、ダイエット中で、反って迷惑をお掛けしてしまいました。

 また、別のケースですが、アルコールが好きな社長さんにお会いすることになったときに、たまたま海外出張時に購入したワインがありましたので、それを持参しました。ところが、その社長さん、願掛けの最中で、アルコールを断っていたのです。

 この両者に共通することは、私が持っていた顧客の好み情報は、いずれも古く、役に立たなかったということです。

 それ以後、顧客の嗜好品や趣味など、仕事以外の個人情報も常に最新のものにするように努力をし、多少なりとも、的外れを減らすことができるようになりました。

  (ドアノブ)

 


【経営コンサルタントの育成と資格付与】
 
 
 日本最古の経営コンサルタント団体・日本経営士協会とは

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■【心 de 経営】 経営四字熟語010 ■ 合従連衡(がっしょうれんこう) 経営の高度化に立ち向かう

2020-08-16 12:03:00 | 【心 de 経営】 経営四字熟語・名言

■【心 de 経営】 経営四字熟語010 ■ 合従連衡(がっしょうれんこう) 経営の高度化に立ち向かう

本

■ 示唆の多い経営四字熟語

 四字熟語には、いろいろな示唆がありますので、経営やコンサルティングを学ぶという視点で連載をします。

 四字熟語というのは、漢字4文字で構成された熟語で、中国の故事などに基づくだけではなく、幅広い内容を持っています。
 読み方を変えますと、別なものが見えてきます。それを経営コンサルタント歴40年余の目で見ますと、経営やコンサルティングに直結する示唆の多いことに気がつきました。 単に、四字熟語の意味を知るだけではなく、経営士・コンサルタントの視点から感じ取ったことをご紹介します。

■ 合従連衡(がっしょうれんこう) 経営の高度化に立ち向かう

 「従」という字は「縦」、「衡」は「横」という意味で、各々が「南北」と「東西」を表します。合従連衡というのは、南北に合流し、東西に連携を図ることの意です。このことから強敵に立ち向かうための戦略を指します。

 類語に「合従連横」という言葉がありますが、ほぼ同意と考えて良いようです。

 今日「野党が合従連衡」などと表現しますが、「巧みな謀を巡らした外交政策」という意味でしばしば使われています。もともとは、史記に掲載されている中国の戦国時代の戦略から来ています。

 南北に6カ国が連合したのですが、それを「合従」と呼びました。ところがその合従が破綻すると東西に6カ国が連合し、それを「連衡の策」と呼んだことからあわせて「合従連衡」となりました。

 今日、経営環境は非常に厳しさを増しています。そのために経営も高度化を余儀なくされてきたことから、一人の経営コンサルタントでは全ての問題に立ち向かうことが難しくなってきました。

 かつては、一人の経営コンサルタントで全てのコンサルティングをできるようになってはじめて一人前と言われました。ところがこのような間口の広いコンサルティングでは、企業が抱える問題を本格的な解決することが困難なのです。

 日本経営士協会では「共業・共用・共育」という言葉を掲げています。経営コンサルタント同士が切磋琢磨し(共育)、ノウハウを蓄積してそれを相互で利用し合い(共用)、さらにそれを利用してともにコンサルティング業務に取り組む(共業)というユニークな発想でいます。

 そのために同協会は「士業の異業種交流会」とも呼ばれます。同協会に相談をかけると最適なコンサルタント(チーム)を紹介してもらえます。一つの声かけで、複数の専門コンサルタントが難問解決に取り組んでくれます。「ワンストップ・コンサルティング」を提供をする日本最初の経営コンサルタント団体なのです。

 特定非営利活動法人・日本経営士協会 ←クリック

 

プロコンサルタントとして、活躍している人は、自分の専門性が高く、他の人が追いつけない何かを持っています。その様な人は、関連分野の裾野も広いのが一般的です。

 そして、次第に、専門分野が複数になり、クライアントにとってメリットあるコンサルティングができるようになってきます。クライアントがメリットを感じるようになりますと、別の警官を紹介してくれたりして、経営士・コンサルタントとしての地盤が強固になってくるのです。

 

 

■ バックナンバー

 これまでの経営四字熟語のバックナンバーをブログで見られるようにしました。

  https://blog.goo.ne.jp/keieishi-kyokai/c/519a7840abf5dcf643227ecff6b01cef

 


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■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】029 板金加工の2代目女性社長が「かんざし」を世界に広める 8228-A819

2020-08-15 15:03:00 | 【話材】 ビジネス関連

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】029 板金加工の2代目女性社長が「かんざし」を世界に広める 8228-A819

 経営コンサルタントを40年余やってきた経験から、すこしでも皆様のご参考になればとお届けしています。

 成功企業・元気な会社・頑張っている社長】は、皆様から寄せられたり、私が支援したり、見聞したりした企業の事例を紹介していますが、お陰様で、毎回拍手をいただいています。

 また、あなたのクライアント・顧問先やお知り合いの会社で、ここで紹介したい企業・団体等がありましたら、是非ご連絡ください。

■ 板金加工の2代目女性社長が「かんざし」を世界に広める 8228-A819

 

 四季の花、猫に金魚、あるいは花札がモチーフの、切り絵のような文様が銀色の輝きを放つ-板金加工の山崎製作所(静岡市、山崎かおり社長)が世界に向け拡販に乗り出したのが、かんざしならぬ「KANZASHI」だ。

 しんちゅうや木、プラスチックが一般的な材質となるかんざしに対し、KANZASHIはステンレス製。

 リーマンショックで「瀕死の状態の時、経営を引き継いだ」という2代目女性社長が『3代目板金屋』のブランドのもと、KANZASHIを世界に普及させ、上昇気流に乗る同社を更なる高みへ導こうとしている。


 同社は1970年、山崎社長の父親が設立した。バブル崩壊時の大口顧客倒産など幾多の試練を乗り越えたが、2008年のリーマンショックのダメージは甚大で、廃業も考えた末、2代目に全てを託す。

 2009年にバトンを受けるまで「経理担当の母親をパートで手伝っていた」という山崎社長は「社員に下を向かせているのは経営者の責任。会社を絶対再生させ、景気に左右されない企業にする」と決意。

 全社会議を開きコミュニケーションを良くする、社員の良いところだけ見つめ続ける等々を積み重ね、経営を徐々に軌道に乗せていく。


 下請け、受託の板金加工はどうしても好不況の影響を強く受けてしまう。

 景気に左右されない手立てはないものか…。

 浮上したのが加工技術を横展開し、テ-ブル、ランプといったインテリア製品=消費財を自社ブランドで製造販売する事業。

 3年前、3代目板金屋として立ち上げて、その一環としてKANZASHIを開発した。デザイン、プログラム製作、レーザー切断、磨き、曲げ加工と何段階も経て、ステンレスの板材がシックなKANZASHIに変貌する。各工程は自動化されているが「磨きだけは手作業」(山崎社長)とのこと。


 猫好きで知られた浮世絵師、歌川国芳が描いた「踊る猫」、優雅に泳ぐ金魚をすくい上げ髪に放つ「金魚すくい」、梅にうぐいす、紅葉に鹿など花札の絵柄をあしらった「花鳥風月」…。

 同社では、これら“和のテイスト”がタップリのKANZASHIを、国内外で販売し手ごたえをつかんでいる。とくに海外ではクールジャパンのアイテムとして好評のようで、同社では、海外で広め逆輸入の形で日本市場を掘り起こす戦略も練っている。


 3代目板金屋のデザイナー兼営業部長として活躍する山崎瑠璃さんは社長の長女。

 今月初旬、東京ビッグサイトでギフトショーに出展した際には、百貨店、呉服屋やECサイトからコラボのオファーがあったといい「デザインの力と確かな技術で、板金職人を、よりカッコいいイメージに変えていきたい」と目を輝かす。一方、山崎社長は「板金技術の確実な継承のための事業を推進する。

 静岡のモノづくり発信拠点も設立したい」とビジョンを明かす。母娘コンビが板金の世界に吹き込む新風は、更に強まり、高く舞い上がりそうだ。

  出典: e-中小企業ネットマガジン掲載承認規定に基づき作成

 

 
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■■【連載 経営トップ15訓】  【附章2】 山岡鉄舟の名言 「人にはすべて不能あり」

2020-08-15 13:15:48 | 【話材】 ビジネス関連

■■【連載 経営トップ15訓】  【附章2】 山岡鉄舟の名言 「人にはすべて不能あり」

 
経営コンサルタント歴40年余を記念して、経営トップの皆様だけではなく、経営士・コンサルタント・士業の先生方にもご参考になると信じ、ここにまとめてみました。

 グローバルな視点の経営者・管理職 

 

経営トップ15訓 ”当たり前”が実行できる


 経営コンサルタント歴25年を経過した時点で、(特)日本経営士協会の理事長を拝命することになりました。その際に、自分自身を戒める意味で「理事長十戒」を作り、それを日々座右におきながら仕事をしてきました。

 私の経営に対する考え方の基本は「当たり前のことが当たり前にできる」「暖かい管理ができる」、その様な企業作りのお手伝いをしています。

 理事長歴も長くなり、そろそろ後任の選定やその人への傾斜引き継ぎを考える時期といえましょう。この十戒に加筆をして、企業や組織のトップ・管理職の方々に向けて焼き直したものを「トップ15訓」としてまとめてみました。経営トップの皆さんだけではなく、私自身にも必要なことなので「社員」という言葉と共に「会員」という言葉も使っています。

 まだまだ内容的には不充分ですが、今後もこれをベースに推敲・改訂を重ねて参りますが、その第一版として茲にご披露させていただきます。トップの方々や管理職で日夜ご奮闘されている方に、少しでもご参考になれば幸いです。

 

【附章2】 
山岡鉄舟の名言 「人にはすべて能不能あり」

 「経営トップ 15訓」とともに附章1の「電通鬼十訓」と附章2「山岡鉄舟の名言」もまた座右の銘としています。それも是非皆様の参考にしていただきたいと思います。

■ 山岡鉄舟とは

 「人にはすべて能不能あり。いちがいに人を棄て、あるいは笑うべからず」という言葉をお聞きになったり、見たりした方は多いでしょう。人というのは得意なこともあれば、不得意なこともある。だから人の一面を見ただけでその人の全てを判断してはならないという戒めです。

 この言葉は山岡鉄舟の「修身二十則」の中で説いている言葉で、人の上に立つ人には是非考えていただきたい言葉です。

 山岡鉄舟は、幕末から明治にかけての人で、江戸城無血開城を実現させた人物の一人です。

【NTTサイトより】 山岡鉄舟  http://www.ntt.com/bizit/contents/economy/manage/19.html

 1836年(天保7年)6月10日、江戸本所に御蔵奉行小野朝右衛門高福の四男として生まれる。9歳より神陰流(直心影流)剣術を学び、幼少時を飛騨高山で過ごす。弘法大師流入木道(こうぼうだいしりゅうじゅぼくどう)51世の岩佐一亭に書を学び、15歳の時に52世を受け継ぎ、一楽斎の名前を号する。16歳の時に父の死に伴い江戸へ帰る。浪士組(新撰組の前身)取締役などを経て、1868年(慶応4年)幕府の精鋭隊歩兵頭格となる。

 明治維新、最後のクライマックスともいえる江戸無血開城においては、西郷隆盛、勝海舟の会談に先立ち、西郷との談判を行い江戸開城の基本条件について合意を取り付けることに成功。その立役者となる。

 維新後は西郷のたっての依頼により、1872年(明治5年)に宮中に出仕し、明治天皇の侍従を10年間勤める。生涯、無私、無欲の人間として、多くの人物に影響を与えた。あの幕末・明治の侠客、清水次郎長に最も大きな影響を与えた人物としても有名。


■ 山岡鉄舟の名言

 山岡鉄舟の20の名言をここにご紹介いたします。

 1) 嘘を言うべからず
 2) 君の御恩忘れるべからず
 3) 父母の御恩忘れるべからず
 4) 師の御恩忘れるべからず
 5) 人の御恩忘れるべからず
 6) 神仏ならびに長者を粗末にすべからず
 7) 幼者を侮るべからず
 8) 己に心よからず事 他人に求めるべからず
 9) 腹をたつるは道にあらず
10) 何事も不幸を喜ぶべからず
11) 力の及ぶ限りは善き方に尽くすべし
12) 他を顧して自分の善ばかりするべからず
13) 食する度に農業の艱(かん)難(なん)(苦労)をおもうべし 草木土石にても粗末にすべからず
14) 殊更に着物を飾りあるいはうわべをつくろうものは心濁りあるものと心得べし
15) 礼儀をみだるべからず
16) 何時何人に接するも客人に接するよう心得べし
17) 己の知らざることは何人にてもならうべし
18) 名利のため学問技芸すべからず
19) 人にはすべて能不能あり、いちがいに人を捨て、あるいは笑うべからず
20) 己の善行を誇り人に知らしむべからず すべて我心に努むるべし

■ おわりに

 「経営トップ 15訓」を最後までご覧下さりありがとうございます。

 私の経営コンサルタントとしての35年の経験とともに、私の周辺にいらっしゃる方々の暖かく、時に厳しいお言葉があればこそ、自分自身でいろいろと考える機会を得られたのです。

 それを整理したら「十戒」にまとめられました。多少強引に10項にしたために、無理がありました。「はじめに」にも書きましたように再整理をしているうちに「15戒」になりました。

 経営者・管理職や経営士・コンサルタント、士業の先生方のために、「経営トップ15訓」としてまとめましたが、自分自身で新たに読み直してみると、やはりこれは自分自身への戒めであることを実感しています。

 附章1の「電通鬼十訓」と附章2「山岡鉄舟の名言」を加えてみて、さらに「15戒」が成長しそうな予感がします。

 私が活きている限り、「15戒」を成長させていきたいと考えています。皆様のご支援、ご声援を期待しています。

 


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■【信頼できる経営コンサルタントの選び方 10のポイント】7-1 信頼性から判断する

2020-08-14 07:39:14 | 【話材】 ビジネス関連

■【信頼できる経営コンサルタントの選び方 10のポイント】7-1 信頼性から判断する

 経営コンサルタントに依頼してみたいけど、「いくらくらいかかるのか?」「本当に効果があるのだろうか?」など、ご心配な経営者・管理職の皆様は多いかと思います。

 何万人という中から、自社に最適な経営コンサルタントを見つけ出すことは至難の業です。経営コンサルタントを選定せざるを得ないときにどのようなポイントに重点をおいたらよいのでしょうか?独断と偏見でまとめてみました。

 経営者・管理職向けですが、裏を返しますと、経営コンサルタントや士業の先生にも参考となると信じます。

本

7-1 信頼性から判断する

 

 「信頼できる経営コンサルタント」については、経営コンサルタント志望者向けのサイトにも既述してあります。そちらも合わせてご覧ください。 
  経営コンサルタントへの道
      http://www.glomaconj.com/consultant/3keikonhenomichi/keikon.htm
    
 
u 言うとおりに動かない経営コンサルタント

 企業には、顕在的な問題だけではなく、潜在的な問題もあります。経営環境の明日を見た新規課題もあります。

 一方で、企業経営者は、自分の会社を実力以上に見ていることが多いのです。

 そのために、マスコミを賑わしている新しい経営手法をいち早く取り入れて、自社を、最先端を行く会社にしたいと考えます。

 勉強することは絶対に必要なことですが、物事には手順というものがあります。

 砂上の楼閣という四字熟語があります。

 砂の上に城を作っても、すぐに傾き、崩れてしまいます。砂上の楼閣を避けるために、プロの経営コンサルタントは、企業経営者が望むことはひとまず後回しにしてでも、基礎固めを優先させます。

 依頼主の経営者の言うことをそのまま実行計画に作り込む経営コンサルタントがいたら要注意です。

 経営者が、自分の会社を全てわかっているというのは、自己過信です。経営者自身に見えない潜在的な問題点・課題に気がついていないかもしれません。

 人間が、毎年健康診断を受けますように、企業も経営診断を受けるべきです。正しく健康診断できる経営コンサルタントに、簡易診断を依頼してみてはいかがでしょうか。

 

■ バックナンバー

 このシリーズのバックナンバー(←クリック)をご覧いただけます。

 また、ウェブサイトでもご覧いただけます。

 


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■■【経営コンサルタントのお勧め図書】507 イスラム戦争から学ぶ

2020-08-13 21:03:00 | 【心 de 経営】 経営コンサルタントの本棚

■■【経営コンサルタントのお勧め図書】507 イスラム戦争から学ぶ

 「経営コンサルタントがどのような本を、どのように読んでいるのかを教えてください」「経営コンサルタントのお勧めの本は?」という声をしばしばお聞きします。

 日本経営士協会の経営士・コンサルタントの先生方が読んでいる書籍を、毎月第4火曜日にご紹介します。

■      今日のおすすめ

 『イスラム戦争―中東崩壊と欧米の敗北―』(著者:内藤 正典 集英社新書)

■      元ユネスコ学術アドバイザーの見る中東情勢と今に至る歴史(はじめに)

 まず、著者の次ぎの記述に注目しましょう。『第二次世界大戦終結直後に制定されたユネスコ憲章。その精神は、今、イスラムをめぐって世界中が争っている戦争についても、見事に本質を見抜いています』。

 ではそのユネスコ憲章の精神とはどの様なものでしょう。ユネスコ憲章の前文は次のように述べています。『戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和の砦を築かなければならない。相互の風習と生活を知らないことは、人類の歴史を通じて、世界の諸人民の間に疑惑と不信を起こした共通の原因であり、この疑惑と不信のために、諸人民の不一致があまりにもしばしば戦争になった』。そしてユネスコを、すべての人々に教育をと言うスローガンのもと、教育、文化、科学を通じて平和を希求する国連機関と位置づけています。(残念ながら、多くの日本人は世界遺産のユネスコにしか注目していませんが。)国連は領域国民国家群の共存を希求します。その一機関であるユネスコも同様に、戦争の原点は、領域国家の利害以前に「人の心」にあるとして、創設時の憲章を以って、「人の心」から生ずる戦争をなくし平和を希求しようと宣言していると著者は主張します。

 そして、イスラム戦争について著者は次のように結論付けます。『心の中に戦争を生み出しているのは、一見するとイスラム国の側に見えますが、そうではありません。何世紀にもわたる西洋の「力」をムスリムは理解しています。どの様な優れたものをもたらしたのか。どの様な邪悪なものをもたらしたのか。その両方をムスリムは熟知しています。しかし西欧世界はムスリムのことをいまだに知りませんし、知ろうともしません。私(著者)が本書で、イスラム・フォビア(イスラム嫌い)が重層的にムスリムを苦しめてきたことを指摘したのも、現在のイスラムをめぐる戦争が、やはり心の中に生まれたもの(戦争の原点はイスラム・フォビア)だと確信しているからです』。

 私も、「ムスリムのことを知らない、知ろうとしない」一人でした。紹介本を読んで、「イスラム国(IS)」に至る、イスラム世界と欧米の関係に係る、長い歴史の一端を知ることが出来ました。その一部を以下で紹介しながら、そこから何かを学び取ってみたいと思います。

■      中東情勢を客観的に概観し分析する

【現在のイスラム情勢が混迷に至った歴史の原点とその背景にあるメタ】

 紹介本は次のように、第一次世界大戦後の中東の歴史を語ります。『第一次世界大戦後、レバント(レバノン、シリア、ヨルダン等の地中海東部沿岸一帯を指す)一帯の国境はがらりと変わります。1916年英、仏が主体となって決めたサイクス=ピコ協定によって、現状の国境線を両国の利害を基に線引きしました。この為、民族や、宗派の分布は関係ありません。クルド人は、トルコ、シリア、イラク、イランにまたがって分断され、独自の国を持つ事ができませんでした。今日も続く民族問題、宗教・宗派問題の原点は、このサイクス=ピコ協定による線引きとシオニストにパレスチナを与えてしまう事になるパルフォア宣言(1917年)にあるのです』と。確かにその様に指摘されると、成程と納得する内容です。更に著者は続けます。『真相が明らかにされないままでの、アメリカのアフガ二スタン侵攻(2001年9月)、誤った情報に基づく、対イラク戦争(2003年3月)へと失敗を繰り返します。このような失敗の繰り返しの根底には、イスラムの基本を知らずにムスリムの人間像を誤認し、その果てに彼らと敵対し、攻撃を正当化し、多くのムスリム一般市民が犠牲となったのです。それはアメリカに限らず、中国のウィグル問題、ロシアのチェチェン紛争等も構造は同じです』。

 私達はこのような著者の主張を、真剣に考えてみる必要に迫られています。お互いの殺し合いが続いている状態が放置されて良い訳がありません。

【トルコ共和国のイスラム戦争への不参加から学ぶ事】

 トルコ共和国は、NATO加盟国にも拘らず、アフガン侵攻(2001年)、イラク戦争(2003年)への同盟国としての参戦を拒否しています。様々な理由があるでしょうが、同じムスリムとして、自らの参戦により、イスラム戦争が一層混迷を深める事を十分承知しているからではないでしょうか。

 トルコ共和国はアフガニスタンにISAF(国連治安支援部隊)を出しましたが、一人の死者も出していないとのことです。それは、アフガニスタンのムスリムの気持ちを理解して行動したことによると、著者は言います。又「イスラム国」から人質を無事救出した事も、同様の事が考えられます。相手の文化、相手の気持ちを理解する事が、対立を避けるため如何に必要か学ぶべきではないでしょうか。

【日本に集まったアフガニスタンの対立勢力】

 2012年6月同志社大学に、タリバンも含めた、アフガニスタンの対立勢力が集まり、和平会議が持たれ、その後、共に食事を囲んだとのことです。著者が同大学教授として、尽力した結果、京都において、未だ嘗て、世界中どこでも実現しなかった、アフガニスタン政府とタリバン代表者との会談が持たれたのでした(和平は成立しませんでしたが)。著者は、タリバンの代表が日本に来て和平会議に臨んだのは、仲介者の存在などの要因もありますが、なんといっても最大の要因は、日本がアフガニスタンに戦闘部隊を送っていないこと、及び、憲法第9条の存在を上げています。

■      日本がテロや戦争に巻き込まれないために(むすび)

 私たち経営に関る者にとって、経営理論・マネジメント理論も大切ですが、本書を読むうちに、悲しい殺し合い、戦闘からのアメリカの帰還兵の精神障害、多くの自殺者の発生等悲惨な事実を目の当りに知り、平和がビジネスの基本と改めて思いました。

 上記で見てきましたように、国連憲章51条で認められている集団的自衛権の名のもと、欧米がアフガン戦争に突入し、様々な国を巻き込み、母や子を含め多くの殺戮や難民を生み出してきました。現在に至るまでその流れは、悲惨さを増すばかりです。

 日本も集団的自衛権を容認する方向に向けて、走っています。しかし、憲法9条は厳然と残っています。

 憲法9条第一項の条文(「・・国際平和を誠実に希求し、・・戦争、武力による威嚇・行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」)には、ニューヨークの国連本部にある「イザヤの壁」に書かれている、聖書・イザヤ書2章4節『彼らはその剣を鋤に、その槍をかまに打ち直し、国は国に向って剣を上げず 二度と戦いの事を学ばない』の精神が、折り込まれたとされています。

 上記で見て来ましたように、憲法9条があり、アフガニスタンに戦闘部隊を送っていないが故に、アフガニスタンの対立勢力が日本に集まりました。

 私達は改めて、ビジネスの基本である、世界の平和を実らせる政治が行われるよう、見守って行きたいものです。

【酒井 闊プロフィール】

 10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。

 企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。

  http://www.jmca.or.jp/meibo/pd/2091.htm

  http://sakai-gm.jp/

 

【 注 】

 著者からの原稿をそのまま掲載しています。読者の皆様のご判断で、自己責任で行動してください。

 

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◆【経営コンサルタントの独り言】 「頑張れ、前畑!!」ママさんスポーツ教室の創始者

2020-08-11 17:35:00 | 【話材】 老いぼれコンサルタントのひとり言

【経営コンサルタントの独り言】 「頑張れ、前畑!!」ママさんスポーツ教室の創始者

 

平素は、ご愛読をありがとうございます。

経営コンサルタントのプロや準備中の人だけではなく、経営者・管理職などにも読んでいただける二兎を追うブログで、毎日複数回つぶやいています。

 

■ 「頑張れ、前畑!!」ママさんスポーツ教室の創始者 811

 

 東京オリンピック2020を控え、競技場建設や道路などのインフラ整備が進んでいるようですが、開催決定後のもたつきは、「本当に日本でのこと?」と疑りたくなるような恥ずかしいことが続きました。

 1936(昭和11)年8月11日、ベルリンオリンピックが開催されました。

 NHKのアナウンサーである河西三省氏の「前畑がんばれ」という連呼を思い出します。

 女子200m平泳ぎで前畑秀子氏が優勝したのです。

 NHKの大河ドラマでも放映されたばかりですね。

 

 

 何かで読んだのですが、「練習中、泳いでいながらプールの中で汗が流れるのがわかった」とおっしゃっていたとのことです。

 過酷な練習だったのでしょうね。

 引退後は、椙山女学園で後進育成に努めました。

 ママさん水泳教室を開き、その精神は、各種スポーツに引き継がれてきました。

 死してもその精神が生きているというのは素晴らしいことですね。

ドアノブ)

 

◆ ツイッターでのつぶやき 

konsarutanto

 

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■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】025 ゾーンに入った体験生かし、ゾーン&アイデア創発に挑戦 8131

2020-08-10 13:38:33 | 【心 de 経営】 成功企業・元気な会社

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】025 ゾーンに入った体験生かし、ゾーン&アイデア創発に挑戦 8131

 経営コンサルタントを40年余やってきた経験から、すこしでも皆様のご参考になればとお届けしています。

 成功企業・元気な会社・頑張っている社長】は、皆様から寄せられたり、私が支援したり、見聞したりした企業の事例を紹介していますが、お陰様で、毎回拍手をいただいています。

 また、あなたのクライアント・顧問先やお知り合いの会社で、ここで紹介したい企業・団体等がありましたら、是非ご連絡ください。

■ ゾーンに入った体験生かし、ゾーン&アイデア創発に挑戦 8131

 

 「ゾーンに入った」とは、何かに集中・没頭し、通常では考えられない成果を収める状態を意味する。スポーツの世界でよく使われるが、その言葉を社名に採用したゾーン(東京、近藤重和社長)は、アイデア創発をなりわいとするベンチャー企業。同社がアイデア創発のシンボルとして製品化したのがアトラクションシステムの、その名も「The Zone」。『亜空間に飛び込んで、超感覚を呼び覚ませ!』とうたう同システムと同社には、ポスト平成時代を先取りしたような新しさが感じられる。

 

 ゾーンは2014年に近藤社長が設立した。大手電機メーカー出身の近藤氏は、メーカー時代、“放課後”に社内外の有志を募り、組織を超えたモノづくりを実践する場を作るなど、自由な発想と行動力の持ち主。「10年間、勤めて、やり尽くした感があった」(近藤社長)ことと持ち前の行動力から独立、起業する。近藤社長は「ゾーン状態を切り口に、人間のポテンシャルを覚醒する。そんな仕事に取り組めないかと考えた」と、起業時を振り返る。

 同社の製品化第1弾となる「The Zone」は、公衆電話ボックス大の小部屋の6面すべてに映像を映し出して、360度映像に囲まれた中でゲームやカラオケが楽しめる装置。ユーザーが体を動かし映像に触れると新たな映像が表れるという双方向性や、音や振動で五感を刺激する仕掛けを備え、日常の生活空間とかけ離れた“亜空間”を創出。ユーザーにこれまで味わったことのない新感覚をもたらす。ITやVR(仮想現実)の最新技術の成せる業で、長崎県佐世保市の変なホテル・ハウステンボスに導入され、好評を博している。

 

 「The Zone」について、近藤社長は「娯楽系のほか、訓練やリハビリに使える。体を動かして体で覚えることは記憶力の増強に直結するので、例えば歴史の学習などにも役立つはず」と幅広い用途を見込んでおり、目下、記憶増強・学習バージョンを開発中。同社では、こうしたシステム開発の一方で、人々に気付きを与えアイデアが湧き上がるようにするメソッドなど、近藤社長がメーカー勤務時代に身に付けたアイデア創発に関するあれこれもサ―ビス展開している。

 

 現在、同社は親しいベンチャーや近藤社長の友人・知人らの協力を得てシステムを開発している。「面白いから」と無償で手助けする人もいて、既存の枠組みを超えたプロジェクトが進んでいる格好。近藤社長は「新しい未来を見たいと思っている人が少なくないのでは」とその背景を分析する。学生時代にテニスの試合でゾーン状態を体験し、その時、「試合相手をはじめ、周りのすべてと一体化したような幸福感を感じた」と近藤社長は振り返る。今、再びゾーンに入り、アイデアが次々と生まれ、形になる状況を迎えたようだ。

 

  出典: e-中小企業ネットマガジン掲載承認規定に基づき作成

 

 
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■【話材】 きょうのおすすめ 「経営コンサルタントのひとり言」

2020-08-10 12:43:00 | 【話材】 ビジネス関連

■【話材】 きょうのおすすめ 「経営コンサルタントのひとり言」

 

 

■ 二兎を追うブログ 

 

 経営コンサルタントのプロや準備中の人、経営者・管理職やビジネスパーソンにも読んでいただける、二兎を追うブログで、毎日複数回つぶやいています。

 

いろいろなカテゴリーに及んでいますので、その中でも、とりわけお薦めのブログをご紹介します。

 

■ 【話材】 経営コンサルタントのひとり言

 

 かつて、「経営コンサルタントって、何をしてくれるの?」という類いの質問をよく受けました。

 

 近年は、経営コンサルタントが処々で活躍していますので、経営コンサルタント業という業種の存在は広く知られるようになりました。

 

 しかし、それだけに、改めて「経営コンサルタントは、何をしてくれる職業ですか」と問うのが気恥ずかしくて、かえって問いづらくなってきたのかもしれません。

 

 1970年代から長年、経営コンサルタント業に携わってきましたが、私は、「お節介焼き」を信条としてきました。

 

 困っている経営管理やビジネスパーソンがいらっしゃいますと、黙っていられないのです。

 

 一方で、自分が商社マンとして、世界を駆け巡っていた頃、最も困ったのは、英語力でもなく、相手の国の慣習でもなく、「なんと言って、相手に話し掛けるか」という、もっと、素朴な問題でした。

 

 ビジネスパーソンとして、経験を重ねるうちに、いろいろな話材も知識として提供できるようになってきました。

 

 しかし、いまだに、二人だけの状態になることが怖いです。「話が途切れてしまったらどうしよう」ということが常に不安なのです。

 

 そこで「話のツマ集」ならぬ、話材のアンチョコを持つようにしました。

 

 

 お節介焼き経営士としては、私のような不安を持つビジネスパーソン向けに、ブログを使って情報発信をしたらどうかと思うようになり、当時まだブログが一般的でない時代からブログ発信を始めました。

 

 ジャンルを問わず、その日の【今日は何の日】をテーマに書いてみたり、【きょうの人】ブログをベースに、自分の思いを書いてみたりと、エッセーとも、論文ともいえない、【経営コンサルタントの独り言】として、お届けすることにしました。

 

 話材に困るようなことがありましたら、わたくしのブログの【経営コンサルタントの独り言】というカテゴリーを思い出して、ご利用くださると幸いです。

 

【 注 】 著作権にご配慮をお願いします。

 

 

◆ 【きょうの人】 バックナンバー

 歴史上で活躍したり、仏教など宗教関係の人であったり、ジャンルはいろいろですが、彼等から、学ぶところが多々ありますので、それをご紹介します。

  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/b57a13cf0fc1c961c4f6eb02c2b84c9f

◆ 【今日は何の日】は、毎日発信しています。

 一年365日、毎日が何かの日です。 季節を表す日もあります。 地方地方の伝統的な行事やお祭りなどもあります。 誰かの誕生日かも知れません。 歴史上の出来事もあります。

  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/b980872ee9528cb93272bed4dbeb5281

◆ 【経営コンサルタントのひとり言】

 経営コンサルタントのプロや準備中の人だけではなく、経営者・管理職などにも読んでいただける二兎を追うコンテンツで毎日つぶやいています。 

  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/a0db9e97e26ce845dec545bcc5fabd4e

【 注 】

 【きょうの人】は、【Wikipedia】・当該関連サイトを参照・引用して作成しています。

 

 

 

 

(ドアノブ)

 

◆ ツイッターでのつぶやき 

konsarutanto

 

 


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■【心 de 経営】 経営四字熟語009 下学上達(かがくじょうたつ) 経営コンサルタントの自己研鑽

2020-08-09 12:03:00 | 【心 de 経営】 経営四字熟語・名言

■【心 de 経営】 経営四字熟語009 下学上達(かがくじょうたつ) 経営コンサルタントの自己研鑽

本

 四字熟語には、いろいろな示唆がありますので、経営やコンサルティングを学ぶという視点で連載をします。

 四字熟語というのは、漢字4文字で構成された熟語で、中国の故事などに基づくだけではなく、幅広い内容を持っています。
 読み方を変えますと、別なものが見えてきます。それを経営コンサルタント歴40年余の目で見ますと、経営やコンサルティングに直結する示唆の多いことに気がつきました。 単に、四字熟語の意味を知るだけではなく、経営士・コンサルタントの視点から感じ取ったことをご紹介します。

■ 示唆の多い経営四字熟語  No.009 

 

     ■■ 下学上達(かがくじょうたつ) ■■

 

■ 下学上達(かがくじょうたつ) 経営コンサルタントの自己研鑽


「下学上達」とは、身近に起こっている日常のことに注意を払い、そこからいろいろなことを学び取ることから始めて、それに関連づけて次第に深いところまで突っ込んで行き、自分の知識を深め、学問の奥義にまで到達できるように努力し続けるという意味です。

 日進月歩、分進秒歩といわれるほど今日では、技術進歩の速度が以前とは比較になりません。経営士・コンサルタントは、時代の先を読んでコンサルティングを行うのですから、変化に追いつけなければ脱落してしまいます。

 溢れる情報から必要なものを中心に抽出できる「アンテナ感度」の良さが求められます。のほほんとしていては、おいて行かれるばかりです。平素の地道な努力なしには実現できず、プロになりきれない中途半端なコンサルタントで終わってしまいかねません。

 下学上達には、「日常のことに注意を払い」とありますように、基礎の大切さもうたわれていると思います。はじめは浅くても良いですから、経営士・コンサルタントに必要な、広い基礎知識や技術を身につけましょう。

 基礎的な知識や情報、スキルが身についていますと、それだけでもアンテナ感度が高くなってきます。

 その中から自分が関心を持てる分野を伸ばして行きますと、はじめは一つの小山にすぎない程度の専門性であったのが、やがて、それが伸びてきて、いつしか自分の専門分野として柱に成長するでしょう。

 プロコンサルタントとして、活躍している人は、自分の専門性が高く、他の人が追いつけない何かを持っています。その様な人は、関連分野の裾野も広いのが一般的です。

 そして、次第に、専門分野が複数になり、クライアントにとってメリットあるコンサルティングができるようになってきます。クライアントがメリットを感じるようになりますと、別の警官を紹介してくれたりして、経営士・コンサルタントとしての地盤が強固になってくるのです。

 

 

■ バックナンバー

 これまでの経営四字熟語のバックナンバーをブログで見られるようにしました。

  https://blog.goo.ne.jp/keieishi-kyokai/c/519a7840abf5dcf643227ecff6b01cef

 


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