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【心 de 経営】 徒然なるままに日暮パソコンに向かいて 第38段2 名利に使われて 名誉や利欲を求めることは? 

2024-06-27 12:03:00 | 【心 de 経営】 徒然なるままに
■【心 de 経営】 徒然なるままに日暮パソコンに向かいて 第38段2 名利に使われて 名誉や利欲を求めることは? 
 
 「徒然草(つれづれぐさ)」は、吉田兼好による随筆集の冒頭の文章です。作者は、兼好であるという明確な証拠はないようです。おそらく大半の方が、何らかの形で、この文章に接しているのではないでしょうか。
 徒然草といいますのは、清少納言の『枕草子』、鴨長明の『方丈記』とならび日本三大随筆の一つといわれています。
  高校生時代に戻った気分で、また、社会人として人生を歩み、自分の高校時代には理解できなかったり、誤解していたりすることを発見しながら、独断と偏見に満ちた、我流の解釈を僭越ながらお付けしました。
 徒然なるままに、日暮パソコンに向かいて、よしなしごとを、そこはかとなく書き付けてまいります。
 お届けも、徒然なるままにアップロードしますので、読者の皆様も、日暮パソコンに向かいて、末永く、徒然にご覧下さるよう、お願いします。
◆第38段2 名利に使われて 名誉や利欲を求めることは?
 第38段1に続きます。

【原文】 名利に使われて
 うづもれぬ名を長き世に残さんこそ、あらまほしかるべけれ。
 位高く、やんごとなきをしも、優れたる人とやは言ふべき。愚かにつたなき人も、家に生まれ時にあへば、高き位に上り、奢を窮むるもあり。
 いみじかりし賢人・聖人、自ら卑しき位にをり、時にあはずしてやみぬる、また多し。ひとへに高き官・位を望むも、次に愚かなり。

【用語】
 うづもれぬ名: 後世にまで残る、不朽の名声
 やんごとなし: 高貴である、尊い
 家: 名門の家柄
 いみじかり: 程度がはなはだしいことを意味する形容詞で、ここでは「大変立派である」の意
【要旨】 名利に使われて
 埋もれてしまうことない不朽の名声を長く後世に残すことは、誰もが願う望ましいことであります。
 しかし、そうは言いましても、位が高く、身分の尊い人ばかりが、優れた人であると言うことがてきるのでしょうか。いや、位が高く、身分が貴いからといって、その人が、必ずしも優れた人ということはできないでしょう。
 ところが、愚かでつまらない人でも、名門に生まれ、運良く時流に乗りさえすれば、高い位に上り、贅を極めた生活ができます。
 これとは逆に、優れた賢人や聖人でありましても、低い位にいて、時流に乗り切れずに一生を終えてしまう人も、また多いのです。ひたすら高位高官を望み、利欲に迷うことは、それに次いで愚かなことといえます。

【 コメント 】 名利に使われて
 伝統的な世界では、必ずしも実力主義とは言えなくて、自分が持てる実力を発揮しきれない企業が結構あります。
 人事採用などでは、有名大学であるというだけで、あるいは、親が社会的地位が高いからというだけで採用されることもまだまだ多いようです。
 一方で、就職氷河期に卒業した方に見られることですが、実力がありますのに、就職の機会を中々得られず、実力を発揮できることもなく埋もれてしまうことがあっては社会の損失です。

 ノーベル賞の受賞が続いてきました日本ですが、受章者が口を揃えて日本の将来を危惧していらっしゃいます。
 博士号をとった優秀な方が、大学や研究所・室などで、薄給や無給で上位研究者のアシスタントというより雑用係として働きながら、自分の研究を続けているのが現状のようです。それでは、研究者になろうという人の絶対数が減少してしまい、その結果日本の研究者層が薄くなってしまいます。そして、それが質の低下に繋がってしまうのではないかという懸念です。

 実力なり、希少性なりが認められ、それ相応の待遇がえられる社会でない限り、成長や発展の速度は低下してしまいます。公正な判断が為される世の中であって欲しいですね。
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