版画草子 All That Print Work

自作版画作品と日常の写真を日記形式で紹介してゆきます。
(画像の無断使用は固くお断りします。)

私を何処かへ連れてって その2

2014-02-02 11:26:20 | その他 Other




さてさて 前々回からの続きですが
どうも 口幅ったいことを書き始めてしまったと 少々後悔しております。

しかし 中途半端で終わるのも 居心地が悪いのでもう少し書き進めます。

丁度NORIKO先生から素敵な画像を送っていただいたので それと共にお送りします。


で......
思いがけない処へ連れて行ってもらうのは 子供も大人も楽しいものですが
それも毎回 似た様な場所であったら 飽きてしまいますし
もっと最悪は 中途半端に「置いてきぼり」されてしまう事でしょうね。
村上春樹氏の諸作を読んだ後に感じ始めたのは 正にそのような想いでした。

鮮明な言葉に導かれて イメージを膨らませ 
物語を紡いでゆく過程の「快楽」は とても新鮮ではあったのですが.....
暗喩・隠喩 もちろん直喩でもなく.....  
鮮烈なイメージも断片的になって 余情も余韻もさほど続かず  
そして.... そして..... いつしか退屈に.....

最新の著作2点が出ても もうほとんど関心は無くなりました。

最初は魅力的であった村上世界も 私にとっては色あせるのが早かったようです。



札幌芸術の森「雪あかりの祭典」


同じ小説であっても 村上氏とはかなり色合いが違って
並べてお話しするのは無理があるかもしれませんが
高村薫氏や桐野夏生氏の作品は 毎作何処へ連れて行かれるのか 皆目判らない
スリリングで ちょっと怖くて 危なくて 読後感の重さと余韻は独特なものがありました。






高村氏の場合
気楽にサスペンス物と思って 最初に手にしたのが「わが手に拳銃を」
次に「黄金を抱いて翔べ」「リヴィエラを撃て」「マークスの山」このあたりに来るともう夢中 
次々に「神の火」「照柿」と読み継いで
「晴子情歌」「太陽を曳く馬」へ来た途端  
何じゃこりゃ!  がらっと変わった心理世界へ連れてゆかれました。
あまりにも作風の落差の大きさに 戸惑いはありましたが 
一体この作家は何処へゆくんだ? という 興味は増々わいてきましたね。

桐野氏もしかり
「やばさ」感は 高村氏を凌ぐかもしれません。
「OUT」「グロテスク」「顔に降りかかる雨」「魂萌え!」etc

多分この先も お二人の作品は関心をもって読み続けることになりそうです。


(何だか 村上作品批判のための話になってしまいました......)






一作家の同傾向の作品を繰り返し読みたい 楽しみたい という読者の要望も一方にありますが
作り手側からいうと 出来たらいろいろな作品を書きたい・作りたい という 願望も強くあると思います。
作る方も 読む・観る方も 「次は何だろう?」 「どんなの?」 といった 
わくわくするような機会を求めているのは 間違いないのではないでしょうか。





たった三作家だけで「何処かへ連れてって」にことかけて 
小説の醍醐味をお話しするのは無理がありますし 私の力量も足りません。
それを補うために
一応専門の絵画に関しても書きたい所でしたが これまた対象素材が多すぎて まとまりがつきません。 
いづれ またの機会にでも.....


さて 今夜はちびちびお酒をやりながら
山本一力さんに江戸時代へ連れて行ってもらう事にしますかな。
これがまた たまらない愉しみです。






結局..... 
NORIKO先生の写真が 私のお話なんぞより 素敵な場面に誘って(いざなって)くれたようです。
先生ありがとうございました。 









最新の画像もっと見る

コメントを投稿