版画草子 All That Print Work

自作版画作品と日常の写真を日記形式で紹介してゆきます。
(画像の無断使用は固くお断りします。)

新作紹介 その2

2013-12-04 10:37:02 | 作品 Works


さてさて 「運用」を誤ると大変な事になる というのは
2年前にも経験して 未だに苦しんでいる状況があるのに
またも 一歩「運用」を間違うと 危険この上ない法律が 妙に急いで作られようとしている昨今
皆様いかがお過ごしでしょうか。


今回は引き続き 新作のご紹介
五大おとぎ話の一つ「花咲か爺」をテーマにした「花咲か爺と木伐り爺」です。

(ちなみに五大話とは 桃太郎 金太郎 浦島太郎 花咲か爺 です。
 その後につづくのは さるかに合戦 一寸法師 舌切り雀 鶴の恩返し 笠地蔵
 誰が決めたのかは判りませんが.....)


「ここ掘れワンワン」で始まる「花咲か爺」は皆さんも良くご存知と思いますが
このような 良い爺ぃと悪い爺ぃ(あるいは婆ぁ)が出てくる話として
「瘤取り爺」「舌切り雀」などがあります。

共通するのは
正直で 欲は控えめ 文句も言わず 優しくて 我慢強い 良い爺・婆
方や 嘘つきで 強欲 人を羨んで 意地悪 楽して生きようとする 悪い爺・婆
そして 結果 良い爺・婆が幸せになる。

仏教的・儒教的な影響が大きいのでしょうが
いかにも時の権力者に都合のいいモデル達です。

でも現代では このままではちっとも面白くはありません。
そこで今回の作品では ひとひねりした爺達を登場させました。


2013年制作 SIZE 540×455mm ED 70部 23色29刷 赤貝箔使用



枯れ木に花を咲かすなんて 誰もやった事がない 成功したらみんな驚くだろう 
無駄かもしれないけど ひとつ試してみようと想う 夢を追いかける浪漫的な爺




一方 
咲かない木なら 伐って薪に替え 跡は畑にした方がよっぽどいいと想う 
無駄が嫌いで 実利追求の現実的な爺




さてさて どちらの爺がいい結果を得るかは...... 判りませんな......



本来の話からは 随分かけ離れた構想ですが
私的に現代の「花咲か爺」として制作してみました。

そもそも昔話・おとぎ話は時代と共に人と共に かなり変えられてもいます。
そこが私にとっては創作上大きな魅力になっています。
これからも昔話をベースに 大胆に変容させつつ 納得できる作品を制作したいと想っています。



来年の制作予定として 次作は昔話とはちょっと違いますが「牛若丸と弁慶」
そしてまたまたかぐや姫をテーマにした「MELANCHOLYかぐや」
の2点を構想しています。
今からワクワクしながら原画を描いています。