私の存じ上げていた、数学者のA先生が亡くなっていたと数日前にある方から伺った。
A先生はK大学出身の数学者であり、複素解析(関数論)を専門とされていた。80歳は越えておられた思う。
なかなか先入観の強い人で、自分はいつも迫害や攻撃をまわりの人から受けていると思われていた。
このA先生と晩年にはある程度理解しあえるようになった。
そしてこのA先生が考えるほどには先生のまわりの人々は先生を迫害したり、攻撃したりしているわけではないと納得させることに成功した。
若いときの先生のつらい経験が被害妄想的な感覚を倍増させていたのだと思う。
もっとも晩年は先生は数冊の数学のテクストとか数学エッセイ集を著されて、それがかなり売れたので、先生は自信を取り戻されていた。
私もそれらの著書の1冊を先生から頂いたこともある。また、先生の著書『応用関数論』(森北出版)からは分岐点の定義についてようやく納得できる説明を読んだ。
そしてその説明を自著『数学散歩』(国土社)で紹介させてもらった。
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