生成AIの話の続きである。英語と日本語の対訳の精度であるが、ある会社の翻訳ソフトが本当に精度が上がってきているという。
翻訳された英語の文章がおかしいなと思ってその部分の日本文を見たら、実は日本文がよくなかったという。これから察するに生成AIでほぼ完ぺきに日本文と英文の翻訳ができるようになったらしい。
もっともこれは実用の英文だから、小説とかの文学作品には話が及ぶのかどうかはわからない。私なども自著の四元数の本を増補改訂してどこかの外国の出版社で出したいと長年思っている。それが比較的簡単にできるような時代になってきたということだ。
ところがその翻訳に時間と手間とがかかるのが問題であったが、私の本当の問題はそういう時代ではないということになった。やはりいくつかの点できちんと納得しないと本の増補改訂版を書けないところがある。
もう一つは私の四元数の本についていえば、本として出ている分と同じか、またはそれ以上ではないだろうが、それに近いくらいの分量をその後かなり補遺として数学・物理通信に書いている。それも英語で出すつもりならなんとか統合しないといけない。だからまずは日本語の新しい改訂版をまず書きたいのだが、出版社はとりあえずもうすこし利益を確保したいであろう。
まず、私の本の定価はかなり安い。税込みでは2,200円であるのだから。そうすると出版社としてもちょっとくらい売れたとしてもあまり利益は出ないからだ。出版社として「もうちょっとくらいもうけさせてよ」と思うその気持ちはよくわかる。
ただ、著者である私はわがままである。そんな出版社の利益よりも自分気持ちを優先したくなる。これはお互いに立場が異なるから仕方がない。
しかし、私も出版社の事情がまったくわからないわけではない。いずれにしても第2刷が2022年10月だったかに出た。初刷は2,000部と聞いているから、初刷の2,000部がよく売れたものだと思う。初刷で絶版になっても文句を言える筋ではなかった。
第2刷の冊数を聞いていないが、500部であろうか。そうすると年に70部売れたとしても7年以上かかることになる。今年は3年目だからまだ在庫もたくさんあろうか。
その後、2007年に出版されていた、『ハミルトンと四元数』も私の第2刷の後だったかに、第2刷がでた。初刷が出てから10年以上経ってからである。
『ハミルトンと四元数』は私の本のようには簡単に読める本ではないが、価値のある本だとは思う。ページ数もあるし、定価も3,000円を超える。私もこの本は読み通すことはできていない。自分の本を書く以前はかなり読んではいたと思うけれども。それでもときどき引っ張り出してきて参照することがある。
いつものように話題にしようとしたテーマからの脱線が激しいが、ブログの読者にはその方がおもしろいかもしれない。