物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

ips細胞

2012-10-12 11:58:26 | 学問

ips細胞をドイツ語でなんと言うかと昨夜のドイツ語のクラスで話題となった。それでips細胞の詳しい名をinduced pluripotent stemm cellsとホワイトボードに書いた。また日本語では人工多能幹細胞と言われていると付加した。

それにR氏のつけたドイツ語訳はk"unstliche (angeregte) mehrfunktional Stammzelleであった。これは英語と日本語の両方を参照しての訳語であり、ドイツで実際にはどう呼ばれているかは知らない。特にmehrfunkitionalのところは私が「多能」のところを間違えて「多機能」としたのでこういう訳となっている。

inducedを「人工の」と訳がついているが、私などはこのinducedとあれば、光の発生法の一つとしてのinduced emissionを思い出した。このときのinducedは普通は誘導と訳されており、induced emissionは誘導輻射と呼ばれる。

光の発生法としてはその他にspontaneous emissionというのもある。これは自発輻射と訳されている。

外から光がある物質に照射されて、それと同じ波長(周波数)で位相も同じ光がその物質から放出するのを誘導輻射induced emissionというが、そういう外部からの物質への光がないのに、物質が自発的に光を放出することがあり、これは自発放射spontaneous emissionである。

そして、前の方のinduced emissonはレーザー技術で基本となる、光の放出法である。大体、このレーザーLASERという語はLight Amplification by Stimulated Emission of Radiation の頭文字をとったのである。

ここで、stimulated emissionはinduced emissionの別のいい方である。

レーザーの基礎概念としては負温度分布(反転分布)とか、この誘導輻射とか光共振器とかがある。だが、一番の基本となるアディアは誘導輻射である。


核融合と核分裂

2012-10-12 11:00:46 | 物理学

核融合(nuclear fusion, Kernfusion)と核分裂(nuclear fisson, Kernspaltung)とは英語ではよく似た語である。普通に原発というときにはその出てくる熱エネルギーは核分裂によるものである。

この核融合を人工的に持続して行うことはまだ人類は成功をしていない。だから、核融合によって将来エネルギーを制御した形で取り出せるかは今もって明らかではない。

私が学生の頃、それは1950年代の終わりから60年代の初めの頃だが、核融合の成功の確率は50-50と言われていたが、その比率がそれより大きくなっているという感覚を私はもっていない。

もっとも私は専門家ではないので、知らないだけの話かもしれないが。もう十年以上前に聞いた専門家の話では核融合は原理的にできており、問題は融合炉をつくる材料屋の問題だとその専門家は言っていた。

ところが、私の記憶では融合炉の壁をLi金属で作るという話だったようだが、熱で一年に70センチも蒸発してしまうとか。それではなかなか融合炉をつくることは難しかろうと思う。

もちろん、直接に核融合の材料をLi金属の壁で囲む訳ではない。一般に強力な磁場で高温のプラズマを閉じ込めてその大分離れたところにLi金属でできた融合炉の壁があるのだろう。それでも一年間に70センチの金属の壁がその発生した熱で蒸発すると聞くと、これは材料屋の問題だなどと言って済ますわけにはいかないのではないか。

日本にも核融合研究所といわれる専門の研究所がある。そこで、地道に研究を続けることはたとえ制御核融合からエネルギーを取り出して使うことに関して、予想がネガティブでもするべきことであろうが、しかしそれにあまりに過大な期待をするべきではなかろう。

この核融合研究所はもともとプラズマ研究所といわれていたと思う。プラ研は名古屋大学の附置研究所であったが、いまでは独立の研究所になっていると思う。