先日の9月30日シネ・ルナッティックでカナダ映画「灼熱の魂」を見た。内容はなかなか強烈なもので、ちょっとここでその筋書きをお話しする気が起きない。
しかし、これはカナダのケベック州の映画であるので、私のわからないアラビア語(?)だけでなく、フランス語がかなり話されていた。その中で特に気を引いたフランス語の二つ、三つを取り上げる。
一つはconciergeである。私などはフランスのアパートの管理人がconciergeであると思っていたので、この映画では学校の用務員という訳語が目新しかった。「私はただの学校の用務員にしか過ぎない」。双子の姉弟の弟が母の死後にその足跡を尋ねて、ある監獄の関係者を訪ね歩いたときに出会ったある男の言い訳である。このconciergeという言葉の響きがとても重たかった。
母はある中東の国の出身なのだが、その国では信じる宗教のゆえか民族の違いか、その経緯はよくわからなかったが、内戦になって、その一方の派の指導者を母はピストルで射殺するという行為を行ったので、15年の刑を受ける。
そのときの苦難と運命がこの映画の主題であるが、その監獄に捉われている人を励ますということとか自分が屈しないという証拠に歌をいつも歌っていた。それで「歌う女」というあだ名がつく。la femme qui chante(ラ ファッム キー シャント)と呼ばれるようになる。quiは英語でいうとwhoに当たるから、the woman who singsとでも訳されるだろうか。
それからもう一つはこの映画の原題である。「双子」という原題であるが、les jumeauxであった。ちょっと定冠詞が怪しいがお許しを願いたい。双子といえば、英語ならtwinであろうか。私のこのブログのURLはtwinではじまるが、これは私が双子座の生まれであることによっている。
ドイツ語ならZwillingeであろう。私の子どもは2歳違いであり、双子ではないが、よく同じコートを着せていたから、ドイツではよくZwillinge ? と聞かれた。親の私たちから見ると明らかに違って見えるのだが、着ている服とかによって双子かとよく聞かれた。