物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

なぜ(-1)・(-1)=1となるか

2010-03-26 16:42:58 | 数学

明日の雑談会で「なぜ(-1)・(-1)=1となるか」を説明しようとしている。そのための準備をしているが、少なくとも複素数の極表示を説明しなくてはならないので、どうしようかと考えている。それには複素平面が必要だろうが、中学校ではその説明はされていないと思う。

高校に入ると複素平面は出てくると思うが、それを高校を卒業した普通の人が何十年後にもまだ覚えているだろうかという問題がある。これはまったく科学とかに関係がない普通の人にとってという意味なので、もちろん科学に関係した職についている人にはまったく問題にならないが。

雑談会の参加者は科学者だった人が多いが、一般の人も少数だがいるので、その人たちのためにどう説明をしたらいいかと考えている。こういうことを考えるのは久しぶりなので、頭が痛くなってくる。

それも説明に使える時間は約40分くらいなので、どうやさしく話すことができるか工夫のしどころではある。雑談会の全体の時間は2時間=120分だが、いくらか討論が必要なので、120分をすべて説明に使うことはできない。

その上、欲張って小川洋子さんの「博士の愛した数式」に出てくる関係e^{i pi}+1=0を説明したいと思っている。虚数単位iと円周率パイと自然対数の底eの間の不思議な関係と言われているものだが、私はそれほど不思議なものではないという思いがしている。

いや、もちろん不思議な関係だが、複素数z=x+iy=r(cos a+isin a), a=偏角を認めて、(cos a+isin a)の幾何学的に意味を知れば、その関係の導出はそれほど難しくはないというだけだ。

いつだったかアメリカの初等数学のサイトの質問コーナーに「なぜ(-1)・(-1)=1となるか」という質問の答えとして紹介したら、一人だけは面白いと評価してくれたが、他の人にはまったく無視された経験がある。

それまでそういう説明はまったくそのコーナーには載っていなかったのに。私は世の中には素直でない人は多いのだなとそのときに思ったものだ。もし私がその説明を知らなかったとしたら、素直に面白いと評価をしただろうに。