昨日は珍しく妻が家にいて何か絵らしきものを描こうと準備していた。それで、午後には南部陽一郎さんの「素粒子の発展」(みすず書房)を取り出してきて読んでいた。夕方近くになったので「どこかへ気分転換のドライブに行こう」といったら、「そうね」ということで北条の海岸を見に出かけた。
ここは瀬戸内の人工の海浜ではあるが、白い砂がかなり多量に入れられていて、砂浜が結構広くてそれに海は波があまり来ないようにいくつかのきれぎれの防波堤ができており、サメ等が入ってこないように網も張られているらしい。しずかな夕方である。近くの海岸には南国らしさを演出するためだろうか、フェニックスの並木がある。
まだかなりたくさんの人たちが、特に小さな子どもが波打ち際でばちゃばちゃやっている。砂浜にはあちこちにテントが建てられてその中には自分たちのもってきた持ち物や飲み物等が置いてあった。あまりに静かな海浜なので、私たちも波打際のところまで降りていったが、川岸のような感じである。風は海からではなくすぐ後ろの山の方から微風が吹いてくる。
日も翳ってきたので、テントをたたんで帰り支度をする人たちもいる。その海浜の前の国道をわたる、歩道橋のところで上からその様子をしばらく見ていたが、近くのレストランに行って冷たい飲み物を飲もうということでIvyというレストランまで足をのばした。
むかし、このレストランの傍を車で通っていて妻に「Ivyってなんだっけ」と尋ねられたことがあった。そのときにすぐには思い出さなかったのだが、アメリカ東海岸にアイビーリーグというのがあって、それはそれらの大学の建物にはつたで覆われているところから来ているということだったのを思い出した。そういえば、このレストランもつたで覆われている。
その海辺のレストランで冷たい飲み物とアイスクリームを食べ、穏やかな瀬戸内の海と遠くにかすかに見える島を見ながら、思い出された知人のことを話したりして、しばらく気持ちのよいひとときを過ごした。
こういう日曜日は久しぶりだった。