「杉並近世絵図」(平成5年 杉並区教育委員会)には、上井草村(遅野井村)絵図が二枚収録されています。そのどちらにも、井草川に架かる橋は四か所描かれていますが、うち谷頭口(新町口)からの分水直後の青梅街道に架かる、「東京府志料」では新町橋となっているもの、及び現切通し公園前のものを除くと、本来の井草川に架かるのは二か所ということになります。これは→ 「東京近傍図」でも同様で、(名前は書かれていませんが)道灌橋と今回テーマの瀬戸原橋の場所に当たるものです。ただし、区画整理の結果、特に瀬戸原橋の位置はだいぶずれ、通りを観泉寺前から上井草駅の東口に向かって真直ぐにしたため、「近傍図」中央のクランクの手前にあったものが抜けた後に移動しています。なお瀬戸原は一帯の字で、「新編武蔵風土記稿」にも、「瀬戸原 これも北の方にて、下石神井村界によれり」と書かれています。瀬戸は狭い海峡、転じて内陸でも狭い谷あいを指すので、地形由来のネーミングと思われます。
- ・ 井草川遊歩道 前回の最後にUPした瀬戸原上橋(眼鏡橋)から、北に80mほどのところです。遊歩道は今度は右カーブで東に向きを転じます。
- ・ 瀬戸原橋 前を横切るのは荻窪駅、青梅街道から觀泉寺前を通り上井草駅の東口に向かうバス通りで、その井草中バス停が見えています。
- ・ 瀬戸原橋 旧井草川と書かれたこの種のモニュメントは、井草川遊歩道中、瀬戸原橋の前後の二ヶ所のみです。
- ・ 瀬戸原中橋 瀬戸原橋の先で左カーブ、再び北上する井草川遊歩道に架かる橋です。その先で右カーブすると、今度は瀬戸原下橋になります。