美濃屋商店〈瓶詰の古本日誌〉

呑んだくれの下郎ながら本を読めるというだけでも、古本に感謝せざるを得ない。

夢も併走する

2015年04月21日 | 瓶詰の古本

   夢もまた複層に夢見られている。別々に船出するものの、同時にいくつかの夢が併走していると仮説することができる。そう思いたいだけかも知れないが、ときどきに垣間見る複層の意識は、複層の夢の存在を暗示している。同時に進行する夢の中で、幾つもの役割を同時に果たし、同じ時間に多元の相を遊弋して矛盾を来さない。束のように観念の脈を揺動させながら、時間を編み直し、狭隘な意識の桎梏を解き放つ。複層多元な経験の振る舞いは、夢の中にまで滲み出して印を遺す思惟本然の奔放力によるものである。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする