富山県在住の松田わこ梨子姉妹。ピアノも習っているらしくその話も出て来る。この小学生中学生姉妹は昨年末から朝日歌壇をにぎわせている。大物が消えていく中、若い子供が感じたままを文字にするとき言葉というものはこんなに弾けたりやさしく包んでくれたりするものなのか、僕は驚いた。
ぼくは、なんと多くの無駄な言葉を使っていたんだろう。なんと多くの優しさを見逃していたんだろう。今日の朝日歌壇で、馬場あき子が選んでいる。
わた雪が私のほっぺでとけてゆく私にちょっと甘えたあとで
きょうはTシャツ一枚でオープンにしてドライブしたが、富山はまだまだ寒いようだ。雪がくっついて流れだす時間差は、雪が甘えているんだ。わこちゃんすごいな。まだ習った漢字も多くないから平仮名が多い文だがそれがまたいいな。
ふわふわの羽根に包まれ目を閉じるああママの巣のヒナでよかった
お母さんがよく育てられていることがしみいるように伝わってくる。あったかいお母さんに抱かれてわこちゃんは眠くなったのかもしれない。よかったよかったと思いつつ眠られるなんて子供に必要な最高の幸せだと思う。梨子ちゃんはこんなふうに歌う。
合唱部5人でたっぷりわけあった第二音楽室の夕焼け
夕焼けも分け合っただろうが合唱も全員で一生懸命歌ったようだ。ふと気がついた強烈な夕焼けの光はその年齢だから感動できるものだ。
日常のほんの小さなこと。でもそれは精緻な観察力がないと見過ごしてしまう。姉妹はよく見ているんだ。大人にはあたりまえのことでも。そしてすべてにみなぎるやさしさと素直さと向上心。
誰もが思うはずだ。こんな家庭に育ちたかった。また、こんなふうに育てたかった。
毎月曜日の朝日歌壇が楽しみだ。わこちゃん。
土曜日は初めてに挑戦する日今日は初めてヤリイカをおろす日
Posted at 2013/02/25