久留米市美術館。「芥川龍之介と美の世界 夏目漱石、菅虎雄」来年1月28日まで開催中。1000円。ちょっと高い。
この美術館は元石橋文化センター。そうです、ブリジストンの石橋さん。周辺を散策。ちょっとした公園。
出来てから年月が経ち植栽も風景にしっくりなじんでいる。
このごろはいたるところで体育館などスポーツ施設がどんどんできている。ところが、美術館や図書館が新設されることはない。選挙の票になるんだろう。とくに田舎は体育館ばかりゴロゴロある。かと思えば隣町に張り合って無理したホール。ストリップ小屋かと思った。
ポピュリズムの果てに何が待つのか。下品な国になった。
本来公共施設は行政の担当のはず。それがたかがタイヤ屋の道楽に頼るしかなかったのだ。
それでも現在のような脳が筋肉の輩(やから)が喜ぶスポーツ施設。そんな下品な市民受けを狙った施設よりもはるかにましだ。石橋財団。
そしてここで展示を見た。
漱石や芥川の小説原稿を見た。意外と字はへたくそでぼくのほうがうまい。
だが、気絶するほどの教養の蓄積の中からごくごく一部が結晶して作品になっていることを知った。彼らの天才性と同時に努力に感服した。
人は相手をよく知らないと大抵バカにする。相手をバカにしぐうたらな自分への言い訳を探す。
時々は文豪の遺品に触れ襟を正すことが大事だと思った。