か ら け ん


ずっと走り続けてきました。一休みしてまわりを見ます。
そしてまた走ります。

ばあちゃんの宝石箱修理

2020年12月15日 | 日用家庭用品修理

ガラスと鏡に囲まれた六角柱の小箱。その底が取れてしまった。

ばあちゃんはとっくに天国だし、家の者はもうこんなものダサくていらないという。

箱の底には鏡が乗っていて、固定は接着のみ。戦前の接着剤は質が悪い。

散らばる削りくずは磨いたときに出たニスのようなもの。鉄にニスを塗って金メッキに見せかけたのかも。

かがみも蒸着がわるく、パラパラとメッキが取れた。じつに薄いガラス。

同じことを今すれば完全な手抜きの騙し売りだが、教養があるひとならこの製品がいかに頑張って時代を生き抜いて来たかわかるはずだ。しかも寡黙に。

 

戦時中ぼくの家は金属供出に応じなかったため、見せしめに箪笥の金具まではぎとられてしまった。ばあちゃんは宝石箱を隠したようだ。

修理はきわめて困難だった。

ピカールで磨こうと思ったが、この時代のメッキにはピカールは強すぎ。プラ用のコンパンドがせいぜいのところ。優しく磨いた。ので、あまり変わり映えしない。

だけど、

手曲げしてヤスリをかけて…、物がない分手間をかけて一生懸命つくられていた。

 

 

このごろは、いちいちガラスをカットして組み合わせてここまで正確な手間をかけたりしない。そんなことしなくても強力で下品なステンでガラスを縛り付ける。

どうして物の「味」が出せようか。

 

 

古くなった接着剤を恐るおそる剥がした。(↓これは剥がす前)ガラスの接合部の正確さを見てほしい。

時代が経過する間には、どこかにぶつけたこともあったようだ。欠けや割れはこの宝石箱の価値を低めない。むしろいろんな想像をさせてくれる。

新品がどうしてもできないことだ。

 

 

花が描かれていた。

ぼくは、唯一のぼくのぜいたく品、腕時計のGSを入れることにした。GSはこの箱に負けている。

 

 

 


中華の電子レンジ修理  

2020年12月08日 | 日用家庭用品修理

日帰りキャンプに行こうとしたとき、レンジのチンがゴトッという音になった。買ったばかりだ。

それまで35年間、使ったレンジがあったがついにマグネトロンがイカレた。ので買い換えたら中華レンジは5000円。

とても後悔している。給料が10万円のころ18万もしたが、作りが頑丈で乗っても座ってもびくともしない。

一番のとりえはチンの音。その他スイッチのタッチとか人間工学を考えカネを惜しまずできている。ただし重たかった。20キロ。

チンはだぶるでハモっている。いつまでも続く余韻。

 

パナソニックがナショナルだったころのエレックさん。分厚い筐体、明るい庫内。庫内が明るくないと、オーブンとして使うとき困るのだ。

昨今の製品は必要ない機能までいろいろついている。たいていはごまかしだ。いたわるように使うなんて機械の本質を外している。

エレックさんは乱暴に扱ったが0.1ミリもひずまないドア。(35年間)

 

今作れば50万だろう。

 

それに引き換え中華レンジの下品なこと。セルフタップの下品な螺子(ねじ)。ふにゃふにゃ筐体。

片方の側面、ゆがんでる。(写真上部)一部はビスもない挟み込み。折り紙だ。

 

「チン」発見。ソレノイドではなく機械式タイマーに合わせてばねでチン。

なんとハンマーがアルミの薄い板。買って半年なのに曲がってチンに届かなくなっていた。

今日のところはキャンプ飯にも行くのでラジオペンチで無理やり元の位置に。

お粗末な直径3センチのチン。何事につけても粗チンはいかん。(電子音よりまし)いつか大工事をして仏さんのリンと間違えるようにしよう。

見ろよ、雑に締めて舐める寸前のネジ。↑

締めすぎるとすぐバカになるセルフタップ。↓

ぼくが言いたいのは中華製品の軽薄性についてではない。

いま日本の政治も企業もすべてがそのまがい物しか作れない中華に負けているということ。

 

 

 

基礎研究は今恐ろしいほど予算を削られている。下品な学のない総理が続くと基礎研究の重要性が理解できずに、ただの無駄にしか見えてない。

130兆円もアメリカの武器を買うのに、九州大学の核融合のレベルは世界レベルなのだが研究者はアルバイトに聖教新聞を配っている。

 

すぐ結果の出ないものこそ大事にしなくちゃあ。

 

今日はアメリカと戦争を始めた日だ。

その戦争の分水嶺になったガダルカナルでは、日本軍は15万人が戦病死して5万人が戦死した。戦病死の原因は餓死とアメーバー赤痢だ。

日本はイオン交換樹脂を世界に先駆けて開発しながらなぜか量産を怠る。三菱樹脂は必死に重要性を訴える。陸軍には理解者もいたが旧来の戦法にこだわってしまう。それがどれほどの画期的な発明家か誰も理解しなかった。理解したのは何と敵のアメリカだったのだ。

同じ場所で戦いながら、日本軍は15万人が進んで死んでくれた。

米軍のイオン交換樹脂はウイルスさえ破壊する優秀なものだった。

 

いちいち火を使わないと飯が食えない日本軍は、煮沸消毒しか知らない。

煙は格好の攻撃目標になった。そこで生水を飲みアメーバー赤痢で死ぬ。15万人。

 

話を戻して、

陳腐なレンジしか作れなくてもそれを5000円で作るから中国は脅威だと思われている。

 

間違い。

 

基礎研究を大事にしてきたからこそ電子立国Japanを一蹴する国になれたのだ。

 

「即戦力」なんてそこらの中小企業の親父が平日接待ゴルフをしたいがためほしがる人間ロボットだろ。そうして中華レンジに負けない陳腐なレンジでもつくれよ。

まさに目の前の10円を拾って明日は餓死する日本軍だ。

 

上場企業やお国がインスタントな人間を欲しがったら、日本の負けは致命的になる。

 

ぼくらは頭で勝つしかないじゃあないか。

同程度に低級な中国の三流企業をバカにして安心してはいけない。

 

中国はすでに勝っている。中国の基礎研究予算は日本の100倍だ。


ジャンクカメラ

2018年02月09日 | 日用家庭用品修理

今週の生け花。とてもよくできた。

この頃は写真機をジャンクで買ってきて、家でじっくり修理する。そんな事に凝っていた。すると写真機が20個ぐらいになった。

電子回路の故障であれば修理は不可能である。しかし、カメラの頭脳はそう簡単には故障しない。相変わらず故障はメカニカルな部分である。

修理をするのは楽しいがデジカメの変遷が分かるようになり悲しい気持ちにもなった。初期段階のカメラはFINDERがついているし筐体は金属である。画素は400万画素あれば上等だ。しかもなかには新品もあり、5万円ぐらいしたから今から15年前の5万はなかなかの出費だ。

ぜーんぶ200円。

会社は無駄と知りつつ画素競争を始める。しかも新しいテクノロジーは小出しにしてなかなか現実の製品まで降りてこない。

 

車もおんなじだ。車をカメラで囲んで当たり屋を防ごうという魂胆だが、腕力の弱いのがドラレコ程度で助かった話は聞かない。

こんなロードレイジは主として九州の田舎の人間だ。強がって追い越したの、ガンつけたの、バカらしいことで人生をつぶしている。生まれてこなければ本人も被害者も穏やかに生きたのに、生まれて人に迷惑だけをかけて死んでいく。

いつかこんなロードレイジがいなくなるためのブログを書く。

早い話が、バカに車を持たせ産業の奴隷として利用しようと考える国土交通省と警察庁がクルマを生産の手段にした。低賃金は人を短気にする。

 

技術者は精一杯メーカーの特色度出そうと悪戦苦闘している。ホワイトバランスは太陽光から蛍光灯に至るまで全体の光の波長の感度を調整している。それがメーカーごとに特色があって面白い。

別にCARLZEISSを使う必要はなかった。落ち着いたやや青い色調はTessarの色ではない。ほとんどのメーカーのカメラを修理したが、その会社の思想が表れていた。

NIKONはもはや小型デジカメに対するやる気はない。ただ歴史を持つ会社はつまみやボタンの位置、メニュウに出てくる順序などに頻度の高いものを合理的に並べている。それとシャッターの絶妙なストロークの深さ。

この点昨日今日始めた会社とは長日の差がある。同時期にできたカメラではないのでそのまま比較はできない。

マスキングテープを貼っているのは冷たいから。黒テープは光って鳥が逃げないように。私は女のパンツは撮りません。汚い。

 

重要な技術やほんものの設計思想は、時間がたってもそんなに変わらないのである。NIKONは撤退するので今は中華のおもちゃを作る。CANONは頑丈にできていてタスク深く入ると高級コンデジ並みの芸当ができる。色がきれいだ。カシオはモニターの色が汚い。どういう回路にしたらこんなに汚いカメラができるのか知りたい。

ここ2,3年のカメラはレンズが完全に本体に収納されない。これを本体内に収納しようとすると難しく部品が増えカネがかかるのだ。使いにくい。1ミリも出っ張りのないIXYの高級バージョンを作ってみろ。20万出しても買う。

画素は600万あれば十分だ。嘘だと思うなら撮り比べたらいい。

 

民間がひそかに技術上のカルテルを結びバカな消費者に技術を小出しにして何回も買わせて儲けようとする。

だが、社会主義のでたらめはそんなレベルではない。旧ソ連製のブリキを打ち抜いたようなカメラを見たとき、そして東独製の戦後そのままのcopyLEIKAを見たとき、東欧の崩壊を予感した。

 

ファインダーを残したカメラを見ると精密な技術を追求した技術者の苦悩が見える。

 

あとはそれぞれ色の好みだ。しょせんFILMではない。色の立体感はない。ただ民衆に受けようと使いもしない機能満載で、この頃出てきたメーカーが売れているのが嫌だ。

 

僕は40年以上NIKON党だった。銀塩(FILM)はいまでも他の追随を許さない。デジカメはCANONの勝ちだな。SONYのボタンが小さいのが残念だ。女性ならいいかな。CASIOはカメラを作ったのが残念だ。発奮せよ。子供だましをするな。CPUの能力をどうでもいいことに割くな。僕でも言えることがある。

カメラは写真を撮る道具だ。


s01

2017年07月05日 | 日用家庭用品修理

画素が多いとよく写る。800万画素より1600万画素。最近はバカも極まって3000万画素が出た。

技術者自身はいかにごまかしをしているかよくわかっている。しかし、画質を落としてでも画素を増やそうとする本末転倒なことをせざるをえない。そのほうが売れるから。

国民は、よく写るということは一体どういうことかを振り返らない。800万より1600万が数が多い、単純にそれを判断基準にする低能が、低能用カメラを自慢する。

僕のはリサイクルショップで200円。画質を落として画素を増やす気違いじみた競争が起こる前のカメラだ。記憶媒体も電池も内蔵だが全く支障ない。単純なだけにパキパキ動くVistaのようだ。

5年もすれば30万円もしたカメラはリサイクルショップに2万で出て、本人は火葬場の煙突から消える。

なぜ僕は口を極めてののしるのだろう。

① 字が読めると錯覚しているミーハーはこの程度の文も読めない。バカに薬はつけたくない。

② 企業の宣伝はまず疑ってかかろうとする姿勢は科学的な態度である。コギトエルゴスム。デカルトは疑うことを近代科学の土台にした。それをしないでわずかの退職金でカメラだけそろえシャッター押すことはできても、写真は撮れない。

当たり前じゃないか。今まで不必要にこびへつらい、周りの嘲笑にも気づかず、ひたすら会社のために何も考えず生きてきた人間が、いまさら何が趣味だ。写真に失礼だ。

 

スマホは600万画素程度だ。これで半切(はんせつ、全紙の半分)までなら十分に伸びる。400万画素でも手札大(アルバムの大きい写真)までなら差は出ない。

そもそも、よく写るとは多くの要素の総合力だ。色は、収差は、コントラストは、周辺光量は、レンズ、コーティング、画像処理、そんな中の一つに撮像素子がある。

画素が、馬鹿にわかりやすく簡単な数字であるために、その数字が多いほど良いと信じ込んだ。ああ、画素。

帆が広いとヨットは速い。馬力があるとクルマはスピードが出る。・・・なぜバカは一度信じ込むと加減を知らず突っ走るのだろう。

あ、そうか、それがバカなんだ。

 

 

 


やってみると難しい ふたたび悟る

2017年04月26日 | 日用家庭用品修理

 

雨といの水の出口が短くてブロックの上を伝って車庫の中に入ってきた。そこで少し継ぎ足せば雨水はぽたぽた下に落ち問題解決。

と思ったが、何事もそうだがこんな単純なことでさえ、やってみると思いもしないことが立ちはだかる。

↑の写真は出来上がりである。ところが、お前は帝国陸軍かということが起こった。およそ雨といとは、きわめて特殊な場合をのぞき普通の家の物は大きさが決まっていると安心していた。

たしかにMISAWAの家の雨といは、断面が四角であるが円と四角形ぐらい区別がつくし円形は一種類しか売ってなかった。雨といを継ぎ足すためのアタッチメント(160円)を買ってきてエクステンション代わりにしようと思った。小屋は後付けで増築したので円形雨とい。

何と径が違った。今時こんなことがあるのか。数ミリ違いのガパガパのアタッチメントを作って売るとは何事だ。いやいや既存の雨といのほうが規格外かもしれない。にしても規格外の雨といを作る意味はない。貧弱だったので得意の中国製のコストカットか。ばか。

緑のテープを巻いてごまかしたがなんとも気持ち悪い。手でつかんだほうをはめようとすると今度はちょうど同じ大きさでバカも極まったなと思った。↓

アメリカ軍のジープは車体に対してタイヤが大きい。ウイリスに発注されたものは良心的な作りで今は天文学的価格だ。フォードももちろんいい。車載工具にグリスガンが入っていた。

それが半端なく精巧にできていて、大きな日本製より良く入る。カツンとニップルをかんだ時、グーッとグリスが移動する時の快感を若い人が知るときはもう来ない。先に生まれてよかった。やがてグリスアップは死語になる。ニップルの大きさは世界共通だ

そのジープのタイヤだがトラックと共通にしたから大きくなったのだ。6穴だったと思うがその位置まで共通なのでいつでも付け替えられた。戦場でパンク修理はできんだろう。

4WDもどうでもいいことを宣伝するが肝心なのは全浮動式か、あるいはセンターデフかが問題だ。(だからJIMMNYの中古は高いのだ)

いかんいかん。今回は規格の統一がいかに重要かについて述べなくっちゃ。VHSとβに分かれたのは戦前の反省がないからだ。頭が悪いと両者の仕組みの違いについて言いたがるが、とにかく2種類あることの弊害が決定的だ。バカはBluerayで繰り返した。

仕方なく接着剤を塗って出来上がり。例によって素人独特のカッコ悪さがある。いやだ。↓

 

 

 

 


黄色いトースター

2017年02月11日 | 日用家庭用品修理

 

 奥にあるのは電子レンジ。パナソニックがまだナショナルだったころのもので37年前のものだ。大変重たく、一人でかろうじて持てるが移動するには二人いる。出力は低いが、優しくふわーっと出来上がるケーキに至福の時を味わっている。

故障はした。ターンベルト、電球、fuse。本質ではない。

今日はその手前にある黄色いトースター。

これもほぼ20年になるが、焼き加減の調節が一定しなくなった。よく見るとわかるがスイッチが一つ少ない。あるのは電源SWと焼き加減のためのスライドとパンを押し下げるつまみのみだ。

つまりタイマーがない。今の車のように、CPUをいれてセンサーの塊にして行くのとは全く逆行する考え方だ。バイメタルサーモスタットという金属の温度による膨張率の違いを利用した原始的な焼き加減調整だ。

蛍光灯のグロースターターにも入っている。

この利点は何かというと、時間が来たら焼きあがるタイマー式に対し、焼けたら焼き上がりなので夏と冬で調整する必要がない。温度が数百度になるところに電子機器を置いてないから故障が少ない。安い。

周りの人がやけどしないようにうまい工夫をしている。

大きいのだ。修理もしやすい。

巷では前に開くオーブンがよくつかわれるが、そこで茶わん蒸しをしたり目玉焼きを焼いたりするから焦げがついてとても汚い。

トースターはパンを焼くものだ。

たったそれだけのことしかできないのに、このトースターは、電子レンジに負けじと十分大きい。手前に比較のため黄色のBテープ(直径5cm)をおいた。

小さい中に機能が凝縮されているものを良しとする時代もあった。それは貧しい時代が要請したのだ。トースター一つ置けないのは、トースターに責任はない。そんな狭い家に住む自分の落ち度である。

「あれもこれも」を望む国民が本物を知ることはない。言ってしまえばトースターがなくとも死ぬことはない。ガスコンロでもパンは焼ける。「あれもこれも」と機能を満たそうとする限り本物を知る機会は来ない。

70年代、ラーメンをすすってスカイラインに乗る男がいた。僕はその男を笑わない。多くの「あれもこれも」の偽物を拒み彼の価値観は「本物」を求めた。

 

 

 

 

 


工作台

2016年09月11日 | 日用家庭用品修理

 

写真にある、斜めに置いた穴の開いた板。工作台の天板。こいつが雨に当たるとがたがたにふやけた。なぜ木で作らんのか。これは木に似せた紙だ。

 

こういう単純な構造だが、さほど一般の家庭にあるものでもない。だが、単純な構造のようで意外と多くの問題・課題を工夫・克服して出現している。問題は、この手の道具は改良のチャンスに恵まれないこと。

たとえば、どこにもあるものとしてクルマ。一台車を世に出すと、多くのクレームや酷評が待ちうけ、生産中止に怯え、生産者は狂ったように改善する。

ただの作業台にはそれほどの試練は無い。実際作ってみると外野で騒ぐ以上に困難があることもわかった上での話だ。

アマチュアは、時間をタダだと考える。労賃も計算に入れない。商売になるとそうは行かない。いろんなコストを考えたうえで消費者の満足を得ることは、生半可なことでは出来ない。

コストを考えないなら良いものを作るのは簡単だ。ベントレーに試乗したが、じつによく出来た車だ。人類社会にはこういうものも必要だ。世の中はひがみだけで生きている貧乏人ばかりではない。安いので2000万。

 

作業台の金属部分は、いつ考えたのか誰が考えたのかと驚くほど良く出来ていた。力のかかるところは3mmの鉄板、それ以外は2mm、1.6mmというように使い分けられていた。曲げ加工はふつうはしない方法だったが工作機械が少ない中小企業のすばらしい工夫だ。

天板は木製に替えた。天板にコストカットをして紙にしたもんだからせっかくのその他の工夫がパーになった。

 

ところが僕も素人だ。穴をあけてみると取付金具とぶつかった。ジスクで削ったが、かっこ悪くなった。

上から見るとわからないので、よしとしよう。今回はケガもなく、修理前より頑丈な作業台が出来た。

今見ると肉抜きまであって、憎い、憎い。

 

 

 

 

 


日用品修理

2016年07月06日 | 日用家庭用品修理

ひとつ何かを修理しても、そこにある知恵の多さにいつもおどろく。昔の人はなんて頭が良かったんだろう、と。

僕は、のぼせあがって賢いフリをする傲慢な馬鹿の前では必ずけんかを売るが、誠実で謙虚な人の前では、まじめである。

また、人はそうでなくてはならないと思う。先達は得がたい人たちである。ずっと旋盤を回して気がついたら定年になった人の言葉の重みを感じることは得がたい瞬間である。

必要ない技術は忘れられ、ロストテクノロジーとなっていく。世の中の生産力は加速度を持っているのだから、今後、ロストテクノロジーも加速度を持って増えていく。そんなことを嘆いてはいない。

ノスタルジーは僕がもっともバカにしたい言葉だ。そんならガスを使うな、火打石で火をおこせ。機織機で布をおり草木染をしてユニクロに負けない製品を作れ。

本当にそれをやる舞い上がった気違いエコがいる。そういうのにかぎって、勝手に人の畑を見て有機肥料にしろという。たいてい公務員を退職した本当に働いたことの無いババアだ。

僕が命がけでやってることを5分見ただけで文句いったら、殺す。

どういう技術があったのかは問題ない。今必要ないものばかりだ。ポイントは、なぜそれを思いついたか、その工夫は考えてのことか試行錯誤か、この工場だけが持つ技術か旋盤工の常識か、・・・僕がしたいのは質問攻めにして着眼点のすごさや飛躍した発想に感服したいからだ。

色を塗る。これもこのごろは、ほとんど水性になり、できばえもあまり油性に遜色ない。見えないところでの油性の刷毛返しはロストテクノロジーになった。上図、マスキングはいいがワイヤーブラシがけがきつい。養生8割。

もちろん僕に油性で刷毛目なくなんて出来るはず無い。10年も20年も一日中ペンキと格闘した人だけが持つ勲章だ。ママゴトみたいに家の勝手口の座板の色を塗り替えた。赤くないところはステインだ。

このごろは、円管服にいろんな色をつけた塗装工の兄ちゃんを見なくなった。

スーパーのレジ打ちのおばちゃんと同じだ。皆めくら打ちが当然だった。バーコードは遅くてイライラするとおばちゃんが言ってた。しかし、レジ打ちは消えた。

ここをわかってほしいけど。おばちゃんが素敵な正確なすばやいめくら打ちが出来たということは永遠に残る。

ステインを間に塗ってマスキングをはがし乾燥。最近は素人用の刷毛は使い捨てだそうだ。100円以下だからシンナー代の方が高いな。だがそういう問題じゃないんだけどな。

 

 

 

 

 


屋根に波板

2016年06月14日 | 日用家庭用品修理

ここ数年来最高に頭を使った。ふらっと眺めに来た奴が、いいも言いたり、「何だ、フツーじゃん。」

頭を使わない、思想のボンクラには、工夫というものがそもそも無い。蹴りだした。

一週間をかけて完成させた波板の明り取り。まず鉄骨に波板をどう固定するか。これが第一関門だった。あまり美しくないが、木材を鉄骨にはめ込みそこに、

木を渡してその上に波板をおく計画を立てた。上図はまだ雨樋が無い。

ちょっと大きい木を長方形の長辺に渡し針金で固定し・・・を繰り返せばまあ3日もあれば出来るな、となめていたが、問題が続出する。

雨樋用の金具の向きが、固定する予定の木と90度異なっていたし、波板の突端からの位置がおかしい。しかも金具のステーが長い。ジスクで切ってドリルで穴を空け万力で適当に曲げた。

その結果がこれ。

波板や止め金具は、高かったがポリカーボネートを使った。台風のときのエア抜き等、ほかもいろいろ工夫した。10メートルぐらいに波板をならべると、いざ固定の時にはかなりずれてくる。

素敵な道具が増えてきた。昔はワニ口ステップルをちぎり、パキパキ折れる貧弱な波板を使うしかなかった。

骨組みが出来た。

若干の微調整の後、雨の日が楽しみになった。

波板をしく前。

 

 

 

 

 


修理は発見と思考が連続する。こよなく楽しい。

2016年05月24日 | 日用家庭用品修理

 

靴修理(内縁の娘用)をした。物事は何でもやってみると難しい。傍から観ると、特にバカが見ると簡単に見える。

(一番左が新しい靴底 100キン 真ん中が古い靴底 右が削った靴底、新しい靴底にあわせて切っているところがポイント)

① 古く磨り減った靴底のゴムをはがす。15センチぐらいのカッターで靴底の劣化したゴムを水平に削り取る。

このときの困難は、古いゴムがなかなかカッターで水平に切れないことだ。しかもピンや石や釘が刺さっている。カッターの刃は一発でだめになり切れなくなる。カッターが思わぬ方向に動かないかも心配だ。(怪我)

(新しい靴底をあわせたところ)

② この水平をとるというのはかなり困難な技術だ。たとえ平面に削れてもその面自体が体の線=足の裏に平行であるか。

ここまでのこまやかさが無いと、履いた者は違和感を訴える。

③ 両面を削り合成ゴム形で着ける。

もっといいのがあるだろうが100キンをたっぷりつければ問題ない。軍手をしながら圧着し、はみ出た接着剤はその軍手ですばやく拭くと仕上がりがきれいだ。ぱみゅぱみゅの出来あがりだ。

④ 待てば接合出来上がり。

(左はまだ作業途中)

問題点  本来靴についていたゴムが発泡ゴムだったのでいちじるしく耐久性に劣る。石や釘がガンガン刺さる。磨り減る。クッションがいいとか言い訳するだろうが、これでは新しい靴を買いにいく途中で靴は磨り減る。かえすがえすも残念なのは日本製であったこと。

日本製が、価格やコストで中国と競争したら負ける。ほかに、競争の基準はいくらでもある。

 

カリフォルニアオレンジが自由化したら日本の農業が壊滅だ、といって反対ばかりしていた奴は、いま廃業している。

考えに考え、血を吐く努力をして活路を見出した者は、むしろアメリカに輸出している。costじゃないぞ。糖度だ。

その名もmikanだ。

 

 

 

 

 


SONYがSONYであったころ

2015年12月09日 | 日用家庭用品修理

奏者の名前につられて安いCDを買うと、録音がひどかったりする。LPレコードからダビングしたのは庭先に下げて猫よけにしかならない。

LP自体はそれなりに捨てがたい、つやのあるやさしい音をしている。バキーンと打ちのめすような音はしないが、楽器によっては生の音に近いときもある。

しかし、針が溝を走るときのプチプチざらざら音は完全に消すことは出来ない。MDはいかんがCDはよいメディアだと思う。MDは入れにくく音が悪い。

人の耳は不思議だ。雑音がなければそれでいいわけでもない。ララアンデルセンやマレーネデートリッヒの歌は、LPどころかSPの音になる。

 Vor der Kaserne Vor dem großen Tor.(兵舎の前の大きな街灯・・・)

むしろ雑音に負けじと歌うアンデルセンの声こそその時代を描く。SPは100回以上聞くと音声は雑音の中に消える。

 

さてさて、昔を懐かしむ暇もなくあっという間にCDはLPを駆逐した。今度こそこの軽薄なキラキラ媒体は長続きしてほしい。

が故障した。30年使えばそんなもん、と思い買い換えるのが頭を使わぬ低能だ。とことん修理するのが頭にもよくカネも節約でき知識も増える。日本人はなんでもすぐ消費したがるから考えることを忘れた。

CDデッキのくせにこれでもかと重い。30年前は抵抗やコンデンサーが見て分かる。しかも故障はたいていメカだ。

とっておいた輪ゴムをいろいろ並べ適当な奴と交換した。

この黒い輪ゴムが伸びていた。

軍手のたばを結んでいたみどりのゴムがちょうどよかった。

ただ、ばかたれSONYはこの基板の向こう側にゴムプーリーを置いていた。

馬鹿でしょ。この隙間に消耗品を置くなんて。

それでも、今これ以上の製品はない。

 

 

 

 

 


まがい物にあふれる平成

2015年03月15日 | 日用家庭用品修理

(クマノミ くるくる回るのは生殖行動だそうだ 僕はしない 近所の水族館で)

本論

 

1980年11月12日に電子レンジを買った。今まで、ベルトがキイキイいったのでシリコングリスを塗ったこと、室内灯の電球を交換したこと以外問題ない。

オーブン機能は温まるのに時間がかかるが、必要なことだ。土鍋だ石釜だと意味のないことを宣伝し、消費者をだまそうとメーカーはご焦心だが、つられるバカも悪い。

リサイクルショップには早くも新型が飽きられて並ぶ。中学の理科の時点で学習を放棄していたに違いない。

エレックさんありがとう。解説は100pages、All coloured。現在のメーカーは、売ったが最後、それ以上カネをかけたら損だという姿勢だ。分かるはずない不親切で手抜きで小さく薄い紙の取説。その分買う前のカタログはやたら親切。

このレンジで僕の子供たちは何十回Cakeにありついたことだろう。今はミルクをあっためるだけだが、後50年は働いてくれる。低脳たちは、35年前のレンジなんて省エネじゃないと言う。ほう。今のレンジは電源以外のところから熱が発生するわけだな。アッホ。

動く限りはとことん使え。それが最高の省エネだ。

チンがいい。その音が家中に響き渡る。貧乏を象徴する音を知っているか。電子音だ。ピーピープープー。これに貧しさを感じないのは本人が貧しいからだ。

35年前の電子レンジ、エレックさんには直径10センチのチンが入っている。お寺の木魚の横にある鈴(りん)の大きさだ。高く澄んだ音で5秒間は響く。

時計もそうだ。時報を告げるとき、気色(きしょく)の悪い粗雑なつくりの鳩まがいの鶏が電子音にあわせてかすれた声を出す家庭がある。貧乏人が買いたがる鳩時計と称するブロイラー時計。8時だ、と家族総出でゲームをやめてバラエティーを見る。脳がイカれないはずない。

僕の家は一ヶ月巻きの柱時計がある。実際は一度巻くと2ヶ月動く。これの時報がまたいい。50年間問題ない。

僕は人が指示する仕事というものが嫌いで積極的に働いたことはない。だがモノを使うときは全知全能を傾けて工夫しモノを大事に使う。それが最高にうれしい。

昭和。

塗装にしろ、歯車のひとつにしろ、ゆとりあるモーターにしろ、銭儲けのみを考えたあくどい素人だましの手抜き製品ではない。

 

 

 

 


Paloma ありがとう

2012年02月29日 | 日用家庭用品修理
40年ほど前、どういう根拠か分からないが町内でガス釜の方がおいしいと噂がたち、家もガス釜にした。たしかに当時の電気釜よりはガス釜の方がおいしくたけていたと思う。

以来パロマのガス釜は休むことなくご飯を炊き続けた。家族は多い時は10人を超した。今は僕一人だ。どんな状況になろうとも黙々とご飯を炊き続けた。

30年前一度だけ故障したことがある。炊飯器のふたのヒンジがモーメントに耐えきれずひびわれてきた。僕はなんとかしようと鉄板を加工して支えを作った。しかし熱で劣化したプラスチックの加工は素人の手に負えるものではなかった。

博多駅の近くのパロマの会社に持ち込んでみた。会社の一角に工作大好きのからけんがうずうずしそうな部屋があった。じつはぼくの予想ではアッセンでそっくり変え日産部品みたいに法外な部品代を要求すると思っていた。

修理のおじさんからしたら僕の修理なんてなんとぶざまな修理であったろうかと思う。ところがおじさんは僕の修理をほめ難しかったところを言い当て次の修理のコツを指導して最低限の部品を交換すると僕にこう言った。

これでもうわしと会うことはないな。パロマを長年使ってくれてありがとう。

おじさんは料金をとらなかった。大丈夫だったろうか。バーナーを磨いてエアをかけてまるで新品になった。かってにただにしておじさん無理したんだ。今も同じところにパロマのビルはある。薄汚れたビルは30年前と同じだ。だけどおおらかな気が流れている。

おじさんはもういないだろう。だけどパロマさん。ありがと。日産部品みたいなぼったくりのチンピラ会社からはもう何も買わない。パロマの炊飯器PR200Nの寿命が尽きたとき僕の家のガス製品はすべてパロマになる。キッチンも給湯機も炊飯器もすべてパロマに変えるんだ。

日産車の寿命が尽きたとき二度と日産車を買うことはない。
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Posted at 2012/02/13 21:54:23

車はマニュアル、時計は手巻き、カメラは銀塩に限るのか、but, 時代の波には逆らいがたし?

2012年02月05日 | 日用家庭用品修理
 オートマチックのクルマに始めて乗ったとき、こんな遊園地のゴーカートがはやるなんて僕とは異質の人間が多数はなんだなと思った。ところがゴーカートどころか時代は進み、ブレーキも自動化され「おさるの電車」状態になった。

いいことだと思う。

いちいちクラッチを踏むこともなくなり、構造に疎い人も上手に運転できるようになった。

ただ仕組みがわかって乗ると、あのオートマチックなるもののぬるぬる滑る感じは吐き気がする。そんなに楽な運転をのぞむなら、いっそバスの乗客になればいい。とにかく勝手にギアが変わるのは我慢ならん。

と、こだわってきたが、あまりかしこい生き方ではなかった。しっかりコペンのオートマに乗っている。それなりに面白い。大排気量のMT車よりはるかに燃費もいい。しっかりマニュアル気分を味あわせてくれるなんとかという装置まで付いている。ギアのつなぎ目のぬるぬる感をとろうと痛ましいほどの努力がわかる。

こだわりほど損なものはない。人生の時間は限られているのだ。

僕は、ほかのことにもこのようなむだなこだわりを繰り返している。

時計だ。

人それぞれに好みがあるので、こと自分に限っての話だが、電池がいやだ。ソーラーでも電池がいやだ。ましてやよそからの電波でコントロールするなと思う。私の時計だ。

便利さをとるならソーラー電波時計できわまったようだ。

ルイモネは月も日にちも曜日もわからない、たいした防水ではない。毎日ねじを巻かないと止まってしまう。正確さもクウォーツに劣る。

しかし、だからどうだって言うのか。

十万年に一秒違ったら困るような切羽詰まった人生を送っているつもりはない、それどころか月も曜日も時計に頼ることはない。長針と短針があれば十分だ。そんなことより、ルイモネでなければできないことが一つある。

ブレゲが培った上品さで私をつつんでくれる。

買いに行ったとき、となりにデビ夫人がいた。  モンテクリスト  2/250

Posted at 2010/10/12 15:07:43