千百余年の伝統がある真言宗の最高儀式「後七日御修法(ごしちにちみしほ)」が1月8日から京都市南区の東寺(教王護国寺)で執り行われま
した。真言宗各派の高僧が14日までの7日間、計21回の法要を15名の僧侶が非公開の道場で営み、国家安泰や恒久平和を祈願いたします。
真言宗開祖の弘法大師空海が835年に始めた儀式であり宮中の正月行事として、当時は元日から7日までを神事、8日から14日までを仏事
で営まれてまいりました。明治維新後に一時中断いたしましたが、1883年から式場を東寺に移し、今もなお伝統を守り続けております。
8日の正午前に宮内庁京都事務所(上京区)から天皇の御衣が届けられた後、導師の大阿闍梨(だいあじゃり)を務める僧侶ら15名が本坊を出
発し朱傘を差し掛けられて厳かに練り歩き、道場の灌頂(かんじょう)院に入り7日間21座の法要が始まります。
この日は、二日目の二回目の法要が終わった後、灌頂院から本坊に戻られる時の様子です。
雅楽の演奏が流れる中、厳かな雰囲気の中行列が進みます。
朱傘を差されておられる方が、今年の大阿闍梨をお勤めになられている醍醐寺座主の仲田猊下です。 その他、真言宗18宗派から仁和寺、智
積院、長谷寺、泉涌寺、大覚寺、朝護孫子寺、西大寺、金剛峯寺、善通寺、隋心院、根来寺等の5名の猊下や10名の僧正の方々が参加なされて
おります。
今回、東寺に伺わせていただく御縁を中央の白い法衣をまとわれた豊山派の根岸僧正にいただきお見舞いに寄せていただきました。
お一人だけ白い法衣をまとわれているのは、法要中護摩供養をなされるためだと伺っております。
各宗派の僧侶の方々が沢山お見舞いにお越しになられておられました。
本坊では、法要と法要の間の時間を個々のお部屋で過ごされます。 その間各方面からのお見舞いの方々のお相手もなさるので早朝から夕方ま
で大変な一週間を過ごされます。 各僧侶には若い僧侶の方が一人ずつ付きっ切りでお世話をなさるそうです。
本坊の東側に建つ食堂
食堂から見た本坊
食堂の南側に拝観受付がありここから有料になります。
春を彩る枝垂れ桜
瓢箪池の西側に金堂と講堂が建ちます。
国宝 五重塔 東寺の象徴として広く親しまれている五重塔は、826年弘法大師の創建着手に始まりますが、
しばしば災禍に会い焼失すること四回におよび、現在の党派1644年徳川家光の寄進によって竣工した総高
55メートルの現在する日本の古塔最高の塔です。
心柱を囲む四仏座像
天邪鬼 五重塔の一層目の屋根の内側四隅に天邪鬼が塔を守っていると言われております。
金堂
金堂 薬師三尊 金堂本尊の薬師如来坐像と日光、月光両脇侍菩薩像です。光背上には七体の化仏を配して七仏薬師をあらわし、
台座の周囲には十二神将像を配しています。
台座に配された十二神将像 これら三尊像は桃山時代の大仏師康正の
作で密教的な薬師心仰の形をとどめています。
講堂
講堂・立体曼荼羅 堂内の白亜の壇上には大日如来を中心とした五智如来をはじめ、五菩薩、五大明王、
四天王、梵天、帝釈天の二十一体の仏像が安置されており、これは弘法大師の密教の教えを表現する立体曼
荼羅です。
14日の法要最終日の三座目の法要は、一般の方も参加することが出来るそうです。