京の四季 名勝散策 写真集

京都の観光、散策の参考にしていただければ幸いに思います。

木津川 浄瑠璃寺  06/28/2010

2010年07月04日 | 洛外 山城方面
           浄瑠璃寺は、京都市内から奈良方面に45㌔走ったところにあり、京都府木津市に位置しておりますが、地理的には奈良
           の平城京や東大寺の法が近くにあります。浄瑠璃寺の所在する地区は当尾(とうの)の里と呼ばれ、付近には当尾石仏
           群と呼ばれる、鎌倉時代にさかのぼる石仏、石塔などが点在しております。






           
           駐車場から参道を進んでまいりますと、左手に古寺を使った蕎麦や甘味がいただける店があります。趣きがあるので覗い
           てみましたが、なかなかいい雰囲気のお店でした。







           








           








           
           お店の前では、向かいの畑で採れた野菜が売られておりました。帰りに通りました時には、胡瓜は完売しておりました。








           
           山門 浄瑠璃寺の起源や歴史につきましては、当寺に伝来する『浄瑠璃寺流記事』(じょうるりじるきのこと)という14世紀
           の記録が唯一のよりどころであり、それによりますと、当寺は永承2年(1047年)、当麻(たいま、現・奈良県葛城市)の僧・
           義明上人を開基(創立者)、阿知山大夫重頼を檀那(後援者)とし、薬師如来を本尊として創建されたものであるとしるされ
           ております。






           
           山門をくぐり左手にあります鐘楼です。 義明上人、阿知山大夫重頼の2人の人物については、詳しいことはわかってい
           ないそうですが、重頼氏は地元の小豪族であろうと推定されております。








           
           後でも登場してまいりますが、境内では何匹もの猫に遭遇いたしました。 








           
           浄土式庭園の中央に位置する池です。左手(東方)に三重の塔、右手(西方)に本堂が配置されております。当寺は、中
           世から近世にかけては興福寺(奈良・南都七大寺)一乗院の末寺であったが、明治初期、廃仏毀釈の混乱期に真言律宗
           に転じ、奈良・西大寺の末寺となっております。







           
           池の中央に弁財天を祀る中島があります。 「真言律宗」とは、大和西大寺を総本山に大和・山城・伊賀・河内をはじめ四
           国・九州まで広がっている奈良仏教の宗派で、いわゆる西大寺流を伝える宗派のことだそうです。









           
           本堂 浄瑠璃寺は九体阿弥陀如来を安置する寺として知られておりますが、創建当初の本尊は薬師如来であったとされ、
           九体阿弥陀如来を安置する現・本堂の建立は創建から60年後の嘉承2年(1107年)のことであったそうです。1つの堂に
           9体もの阿弥陀如来像を安置するという発想は「九品往生」(くほんおうじょう)思想に由来いたします。






           
           石燈籠 本堂と対岸の三重塔の前に建つ燈籠は、阿弥陀仏と薬師仏のお光です。







                          








                     
                     猫の横では、可憐な額紫陽花が咲いておりました。







                          
                          







                     
                     拝観の受付をすませ、本堂に入ります。







           
           本堂への入口は裏側から周り、南側から入ります。








                     
                     南側の縁側では、人馴れした猫がピクリとも動かず涼んでおりました。ちなみにこの日は、
                     今年の京都の最高気温の34、5度を記録しておりました。







                     
                     本堂を入ったところに建つ四天王像の内の二体 手前、持国天と増長天です。(国宝) 堂
                     内は撮影禁止のためパンフレットから転載いたしました。四天王像の四体のうち広目天は
                     東京国立博物館、多聞天は京都国立博物館に寄託されております。








            
           九体阿弥陀如来像(国宝) 1つのお堂に9体もの阿弥陀如来像を安置するという発想の「九品往生」(くほんおうじょう)」
           とは「観無量寿経」に説かれる思想で、極楽往生(人が現世から阿弥陀如来のいる西方極楽浄土へと生まれ変わると
           き)のしかたには、人間の努力や心がけなど、いろいろな条件で下品下生からはじまり、下の中、下の上と最高の上品上
           生まで九つの往生の段階があるという考えから、九つの如来を祀っておられます。









                              
                              阿弥陀如来中尊像 中尊は右手を上げ、左手を下げる来
                              迎印、他8体は膝前で両手を組む定印(じょういん)をそれ
                              ぞれ結んでおられます。


           









                     
                     九体阿弥陀如来像の北側に安置されている不動明王三尊像は、元護摩堂の本尊でした。
                     力強い表情、鋭い衣紋の彫り、玉眼の光、見事な迦楼羅光景など鎌倉時代の特徴をよく顕
                     した秀像といわれます。向って右にやさしい矜羯羅童子(こんがら童子)、左に智恵の杖をも
                     った力強い制多迦童子(せいたか童子)を従えております。








                     
                     本堂前の手水鉢 1296年の刻印が残っているそうです。 池をはさんで、東側には三重塔
                     がありますが、残念ながら現在修復中で、今年いっぱいは見ることが出来ないそうです。






           
           鉢の中には、可愛らしい睡蓮の花が咲いておりました。







           
           本堂前を通り池を回り三重塔(此岸)に向かいます。







           








           








           








           








           








           
           本堂は、当時、京都を中心に競って建立された九体阿弥陀仏を祀るための横長のお堂で、現存する唯一のものです。
           太陽の沈む西方浄土へ迎えてくれる阿弥陀仏を西に向かって拝めるよう東向きにし前に浄土の池をおき、その対岸から
           文字通り彼岸に来迎仏を拝ませる形にしたものです。宇治の平等院も同じ形式になります。
           九体阿弥陀仏の一体一体の如来が堂前に板扉を持ちます。






           
           三重塔の前の薬師如来像のお光の燈籠には、鎌倉・南北朝時代の1367年の刻印があるそうです。







                     
                     修復中の三重塔には、東の本尊の薬師如来像が安置されており、この像は九体阿弥陀仏
                     より60年前に造顕されたこの寺のはじめのご本尊とされております。遠い昔から積み重ね
                     られてきたいろいろな力を私達に持たせてこの現実へ送り出し、さらに現実にある四苦八苦
                     をのりこえる力を薬としてあたえてくれる仏さまで、太陽の昇る東にいて遣送の如来ともいい
                     ます。






                            







                                 







            
            山門横の鐘楼







           








           








                     








           
           炎天下、灼熱の車へと戻っていきます。







           
           駐車場横のお土産やさん 信楽が近いこともあり陶器の焼き物が多数並べられておりました。







           








           








           

















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