いやあ、暑いですなあ~。
来週はセマナ・サンタ Semana Santa、一番暑くなると言われている時期ですから、まあしょうがないか。
昨日も、なんかやたら暑いなと思ったんですが、今日はとうとうクーラー入れてみました。
数年ぶりじゃないでしょうか。
ネットでカルメンの気温を見たら、現在34度とのこと。
そんなもんか~~。
私の部屋は西向きなので、午後暑くなるってのもありますかね~。
さて、今朝また停電しました。
こないだの大停電と同じところに、また修理の車が来てる……。
でも幸い一時間足らずで復活。
その停電中、できることがないので、本読んでました。
トラーベンの、次の短編、タイトル読んでも中身が思い出せん……。
読んだら思い出しましたが。
で、けっこう笑えたので、今日はまた続きで簡単にそのお話を。
Solución inesperada、『予期せぬ解決方法』です。
レヒーノ・ボレゴは結婚して間もなく、おかしな気分になった。
新妻のマノラがいつもご機嫌斜めで、文句ばかり言うのだ。
結婚生活がこんなものだとは、と彼は後悔した。
マノラのご機嫌を取り結ぼうと努力してもダメだった。
ふたりのあいだには言い争いが絶えなくなった。
さて、マノラの母親は、夫を亡くして娘が結婚して、
それでも姑などと呼ばれるには、自分はまだまだ若いと思っていたので、
ロサンゼルスへと新生活を求めて旅立っていく元気婦人だった。
しかししばらく経つと体を壊し、ひとりではどうにもならなくて、
娘のマノラを呼び寄せることになる。
マノラは急いでロサンゼルスへと旅立った。
さて、そのころレヒーノは結婚二年目だったが、
マノラが急にいなくなって、伸び伸びと自由な一人暮らしが戻ってきた。
最初の一週間は、マノラから毎日手紙が届き、
ここにいたときと同じように、あれをしなさい、これをしちゃだめよ、と
文句が連ねてあり、最後に「あなたの忠実な妻、マノラ」とある。
勘弁してくれ、って感じですね。
しかし次の週には手紙は一通しか来ず、
その次の週には三通来たが、もっとおとなしいものだった。
それから手紙は不定期になり、しばらく途絶えて、
再び届いた手紙には
「どうか、長いあいだお便り出さなかったことをお許しくださいますように」とあった。
レヒーノは目を疑って、その文字を眺めた。
母親の病気が悪くなって手紙を書けずにいたこと、
けれども持ち直してもうすぐすっかりよくなるので、そうしたら急いで帰ること、
そして「我が命、私の愛しい旦那さまへ」と結んであった。
レヒーノはすっかり取り乱して、マノラが狂ってしまった、
入れるための病院を見つけなきゃ、と騒いだが、友人たちは取り合わなかった。
「なあに、お前たちは幼馴染で今までずっと一緒にいたのが悪かったんだよ。
しばらく離れてみて有り難味がわかったんだろ。心配することはないよ」
そしてマノラは帰ってきて、レヒーノに抱きついてキスで覆いつくし、
掌を返したように物分りよく愛情深い妻になった。
レヒーノは、マノラの母親が感化したのだと思って感謝した。
しばらくしてマノラはレヒーノに妊娠を告げ、ふたりは息子を得た。
(この辺り、トラーベンのユーモアのある筆致でホントは全部訳したいくらいですが、省略します。
読める人はぜひとも自分で読んでみてください~)
さて、ふたりはその界隈でも「結婚は失敗に終わるばかりではない」ということの実例として有名なおしどり夫婦になった。
息子のクトベルトが大きくなって、近所のベラという娘と恋に落ちた。
ベラはオチョア医師の一人娘で、クトベルトと同じ年頃、
オチョア医師のほうは妻を数年前に亡くして、娘とふたりだったが、クトベルトを大変気に入っていた。
ところがクトベルトの両親、ボレゴ夫妻はこの結婚に断固反対。
クトベルトが、ベラのどこがいけないんだ、と両親を問い詰めても、
ベラは申し分ない、美人で気立てがよくて品行方正、だが結婚はやめておけ、とレヒーノ。
お父さんの言うとおりですよ、他の娘になさい、とマノラ。
とうとうオチョア医師が乗り込んできて、娘のどこが気に食わないんだ、と問い詰めても
ふたりは断固として反対。
とうとうオチョア医師は強引に二人を結婚させることにし、
クトベルトは次の土曜日に結婚式をあげる、お父さんとお母さんが出席してくれなくとも、と宣言。
その晩、頭を抱えたレヒーノは、
「もうダメだ、あの子に本当のことを言うしかない」と呻く。
「ベラはクトベルトの妹なんだ。
お前が母親の看病にロサンゼルスへ行っているあいだ、
オチョアも会議で出かけていた。オチョアの女房も寂しかったんだろう、
それでおれたちは……」
告白するレヒーノを呆然と見つめるマノラは、震える声で
「それ、間違いないの? 本当に間違いなく、ベラはあなたの娘なの?」
「間違いない。オチョアはもちろん知らないことだが。
ベラはおれの娘、クトベルトと血がつながってるんだ」
それを聞いたマノラ、深い溜息をついて、
「だったら大丈夫、あのふたりは結婚しても問題ないわ。
だって、クトベルトはあなたの息子じゃないんですもの」
そう、マノラがロサンゼルス滞在中、
オチョア医師もロサンゼルスで会議があり、ふたりはそこで出会って、
過ちを犯した、というのですな。
しかしそのことで却って、マノラは夫を愛していたことを悟って、
心を入れ替えて善き妻になった、というわけ。
呆然とその話を聞くレヒーノ。
そこへ、寝ていたはずのクトベルトが眠れずに、何か飲もうと起き出してきた。
「お前、ベラと結婚してもいいぞ。あれはいい娘だ」
父親の言葉と、頷いてみせる母親に、クトベルト君、パジャマのまんま家を駆け出し、
ベラの家まで走って行ってそのことをオチョアとベラに告げました。
まあ話のオチとしては、何も知らないオチョア医師が
「クトベルト、お前の両親って変だよなあ~、あんなに頑固に訳も言わずに反対してたのに。
まあおれが怒鳴り込んでやったのが効いたんだろう」
と自己満足に浸るわけですが。
pesado って単語に、不倫に絡めて二重の意味があるのかな?
ともかくそれで、めでたしめでたし。
ユーモアと言っていいのか、ブラックユーモアと言うべきか?
まあ、石を投げれば不倫体験者に当たる、ってなくらい多いらしいメヒコですから、
こんな事態もお話じゃなくて現実かもしれないですね~
しかし、このカラッとしたトラーベンのユーモア、やっぱり好きです
来週はセマナ・サンタ Semana Santa、一番暑くなると言われている時期ですから、まあしょうがないか。
昨日も、なんかやたら暑いなと思ったんですが、今日はとうとうクーラー入れてみました。
数年ぶりじゃないでしょうか。
ネットでカルメンの気温を見たら、現在34度とのこと。
そんなもんか~~。
私の部屋は西向きなので、午後暑くなるってのもありますかね~。
さて、今朝また停電しました。
こないだの大停電と同じところに、また修理の車が来てる……。
でも幸い一時間足らずで復活。
その停電中、できることがないので、本読んでました。
トラーベンの、次の短編、タイトル読んでも中身が思い出せん……。
読んだら思い出しましたが。
で、けっこう笑えたので、今日はまた続きで簡単にそのお話を。
Solución inesperada、『予期せぬ解決方法』です。
レヒーノ・ボレゴは結婚して間もなく、おかしな気分になった。
新妻のマノラがいつもご機嫌斜めで、文句ばかり言うのだ。
結婚生活がこんなものだとは、と彼は後悔した。
マノラのご機嫌を取り結ぼうと努力してもダメだった。
ふたりのあいだには言い争いが絶えなくなった。
さて、マノラの母親は、夫を亡くして娘が結婚して、
それでも姑などと呼ばれるには、自分はまだまだ若いと思っていたので、
ロサンゼルスへと新生活を求めて旅立っていく元気婦人だった。
しかししばらく経つと体を壊し、ひとりではどうにもならなくて、
娘のマノラを呼び寄せることになる。
マノラは急いでロサンゼルスへと旅立った。
さて、そのころレヒーノは結婚二年目だったが、
マノラが急にいなくなって、伸び伸びと自由な一人暮らしが戻ってきた。
最初の一週間は、マノラから毎日手紙が届き、
ここにいたときと同じように、あれをしなさい、これをしちゃだめよ、と
文句が連ねてあり、最後に「あなたの忠実な妻、マノラ」とある。
勘弁してくれ、って感じですね。
しかし次の週には手紙は一通しか来ず、
その次の週には三通来たが、もっとおとなしいものだった。
それから手紙は不定期になり、しばらく途絶えて、
再び届いた手紙には
「どうか、長いあいだお便り出さなかったことをお許しくださいますように」とあった。
レヒーノは目を疑って、その文字を眺めた。
母親の病気が悪くなって手紙を書けずにいたこと、
けれども持ち直してもうすぐすっかりよくなるので、そうしたら急いで帰ること、
そして「我が命、私の愛しい旦那さまへ」と結んであった。
レヒーノはすっかり取り乱して、マノラが狂ってしまった、
入れるための病院を見つけなきゃ、と騒いだが、友人たちは取り合わなかった。
「なあに、お前たちは幼馴染で今までずっと一緒にいたのが悪かったんだよ。
しばらく離れてみて有り難味がわかったんだろ。心配することはないよ」
そしてマノラは帰ってきて、レヒーノに抱きついてキスで覆いつくし、
掌を返したように物分りよく愛情深い妻になった。
レヒーノは、マノラの母親が感化したのだと思って感謝した。
しばらくしてマノラはレヒーノに妊娠を告げ、ふたりは息子を得た。
(この辺り、トラーベンのユーモアのある筆致でホントは全部訳したいくらいですが、省略します。
読める人はぜひとも自分で読んでみてください~)
さて、ふたりはその界隈でも「結婚は失敗に終わるばかりではない」ということの実例として有名なおしどり夫婦になった。
息子のクトベルトが大きくなって、近所のベラという娘と恋に落ちた。
ベラはオチョア医師の一人娘で、クトベルトと同じ年頃、
オチョア医師のほうは妻を数年前に亡くして、娘とふたりだったが、クトベルトを大変気に入っていた。
ところがクトベルトの両親、ボレゴ夫妻はこの結婚に断固反対。
クトベルトが、ベラのどこがいけないんだ、と両親を問い詰めても、
ベラは申し分ない、美人で気立てがよくて品行方正、だが結婚はやめておけ、とレヒーノ。
お父さんの言うとおりですよ、他の娘になさい、とマノラ。
とうとうオチョア医師が乗り込んできて、娘のどこが気に食わないんだ、と問い詰めても
ふたりは断固として反対。
とうとうオチョア医師は強引に二人を結婚させることにし、
クトベルトは次の土曜日に結婚式をあげる、お父さんとお母さんが出席してくれなくとも、と宣言。
その晩、頭を抱えたレヒーノは、
「もうダメだ、あの子に本当のことを言うしかない」と呻く。
「ベラはクトベルトの妹なんだ。
お前が母親の看病にロサンゼルスへ行っているあいだ、
オチョアも会議で出かけていた。オチョアの女房も寂しかったんだろう、
それでおれたちは……」
告白するレヒーノを呆然と見つめるマノラは、震える声で
「それ、間違いないの? 本当に間違いなく、ベラはあなたの娘なの?」
「間違いない。オチョアはもちろん知らないことだが。
ベラはおれの娘、クトベルトと血がつながってるんだ」
それを聞いたマノラ、深い溜息をついて、
「だったら大丈夫、あのふたりは結婚しても問題ないわ。
だって、クトベルトはあなたの息子じゃないんですもの」
そう、マノラがロサンゼルス滞在中、
オチョア医師もロサンゼルスで会議があり、ふたりはそこで出会って、
過ちを犯した、というのですな。
しかしそのことで却って、マノラは夫を愛していたことを悟って、
心を入れ替えて善き妻になった、というわけ。
呆然とその話を聞くレヒーノ。
そこへ、寝ていたはずのクトベルトが眠れずに、何か飲もうと起き出してきた。
「お前、ベラと結婚してもいいぞ。あれはいい娘だ」
父親の言葉と、頷いてみせる母親に、クトベルト君、パジャマのまんま家を駆け出し、
ベラの家まで走って行ってそのことをオチョアとベラに告げました。
まあ話のオチとしては、何も知らないオチョア医師が
「クトベルト、お前の両親って変だよなあ~、あんなに頑固に訳も言わずに反対してたのに。
まあおれが怒鳴り込んでやったのが効いたんだろう」
と自己満足に浸るわけですが。
pesado って単語に、不倫に絡めて二重の意味があるのかな?
ともかくそれで、めでたしめでたし。
ユーモアと言っていいのか、ブラックユーモアと言うべきか?
まあ、石を投げれば不倫体験者に当たる、ってなくらい多いらしいメヒコですから、
こんな事態もお話じゃなくて現実かもしれないですね~
しかし、このカラッとしたトラーベンのユーモア、やっぱり好きです
なぜ浮気相手にご近所さんを選ぶかな?
とか…
ずっと近所に住んでて、身に覚えのある医者なら、
計算が合わない事で「もしや?」って思わないかな?
とか…
オチョアって名前は、医者っぽくなくないか?
とか…って、これは違う?(笑)
とにかくついつい突っ込みたくなるお話ですね~。
確かLa Sonora Dinamitaが歌っていたと思うんですが、コロンビアのある夫婦の話。
二人には8人の子供がいて、9人目が生まれたら、夫婦には似てもにつかぬ肌の黒い子供が生まれたので、だんなは「もしや、浮気されたんじゃ?」と子供のDNAだか血液型だかを調べたら・・・
なんと。
本当の自分の子供はこの肌の黒い9番目だけで、あとの8人は全部奥さんの浮気相手の子供だったと言うすごい結果が・・。
これ、実話を歌ったものなんだとか。
ラテンアメリカはすさまじい混血なので、兄弟や親子でも肌の色も目の色も違ったり、何代も前の先祖の血が強く出たり・・。不思議ですが、でも、このお話、あながち「ありえん!」とはいえないところがラテン^^;
そうそう。
前回のお話ですが、la tigresaの映画のほうも勧められました。まだ観ていないですがメキシコに戻ったら観てみたいです。
今日のはとの写真、なんかかわいいですね~!こういうの好きです。
いやいや、これが「所詮お話」ではすまないのがメヒコの怖いところ(笑。
第一の疑問。
うーん、自分から進んで行ったわけじゃない、言葉もろくにできない異国で、ご近所さんにばったり出会ったら、気が緩んでしまって、ってことは充分ありうると思ったよ。
本当はその辺ももうちょっと(どこで出会ったかとか)原文には詳しいんだけどね。
第二の疑問。
そりゃあ医者だからその辺はわかってるだろうから、計算してもおかしいと思わない程度の期間の誤差だったと推測。
会議で行ったんならせいぜい一、二週間かそこらでしょ?
第三の疑問。
これは諸手をあげて賛成~~~(笑。
オチョアなんて、どうしたってちょっと生意気でヘアバンドつけた若造のイメージだよね?
もしくは若いくせにM字型にハゲかかった兄ちゃん。
いやいや、馴染みの薄い名前ばっかり(このオチョア医師の名前もヘナロなんて変な名前なんだよ)出てきて、時代の違いかなあ、と思ってたので、
実は知ってる名前はけっこう嬉しかったりしたんだけどね~(笑。
>chamoyさん
あははは、それいいですね>9人の子供
でも本当に、混血だと突然変異みたいな子供が生まれて、わかりませんよね~。
来たばかりのころ、完全黒髪の両親がド金髪の子供を連れて歩いててびっくりしたことあります。
でも子供のころ薄い髪の色でも、だんだん黒っぽくなるんですよね。
ドイツ人でもそうでしたけど。
ドイツでも少し前話題になってましたよ、「カッコウの子供たち」って。
何人にひとりかは、自分のじゃない子供を育ててるんだとか、
家庭で簡単にできるDNA検査キットができたとか……(笑。
La Tigresa、ここで紹介しようかどうしようか、ものすごく迷ってます(笑。
ハトの写真、お褒めに預かり、ありがとうございます~。
ちょっとオシャレでしょ?
本当はハトの角度がいまいちなんですが、シャッター速度の遅い私のカメラではこんなのになってしまいました(笑。