さてさて、パンクで立ち往生して、もはやこれまで、
サッカーを見ることもなく、ただ大金を費やしてとぼとぼと帰るしかないのか。
しばらく、びゅんびゅんと通り過ぎる車を恨めしげに眺めつつ思案しましたが、
ふと見ると、ちょうど停まった向かい側に斜面を登っていく白い道と
その上に採石場らしきトロッコ、それにトラックが。
そう言えば、停車したすぐあとで、後ろから来たトラックがあそこへ入っていったような。
てことは、人がいる!
十中八九、たぶん、強盗さんじゃない人が。
というわけで、ダンナが登っていってSOS発信。
戻ってきたダンナに、どうだった?と訊ねると、
「うん、もうちょっとしたら行くって言った」
うーむ、そういう場合、本当に来てくれる確率と、
本当は行きたくないから言い訳でそう言っちゃってそれっきりの確率と、
どっちかというと後者のほうが高いわけですが。
でも待つしかない。
そして、さほど待たずにやってきました、
トラックに乗ったたくましいおじさんがふたり!
いやあ、さすが、よろよろの私らとは違います。
相当の力が必要だったようですが、ふたりがかりで五本のボルトを見事に外し、
ささくれタイヤを取り付けてくれました。
ありがとうぅぅぅぅっ!
「もうちょっと行ったらタイヤ屋がこっち側にあるから、そこでちゃんと整備してもらいな。
そこまではだいじょぶだいじょぶ、悠々行けるよ。
がっちりつけてやったからな」
頼もしいお言葉に、これでビールでも飲んでくださいとちょっと多めにお渡しして、
はぁ~、やれやれ、とあと10kmの町へ向かいました。徐行で。
さて、土曜日の午後でもあるので、閉まる店が多いだろうってことで
一番に見つけたタイヤ屋に飛び込んで新しいタイヤを買い、
整備所でしっかり取り付けてもらいました。
ま、あのタイヤで何キロ走ったんだか、車軸のディスクがやや歪んじゃってるねえ、と言われ、
でもそれまで修理するだけの時間的・金銭的余裕はなく。
ホテルへ向かい、頭から足先まで真っ白、掌真っ黒の格好で入っていって、
とにかくシャワーを浴びて、チケット買ってくれた人に電話をかけて、
時刻は4時。
あ~~、ぎりぎりだったねえ。
もうダメかと思ったよ~。
でもちょうど前に採石場があって、ちょうど人がいて、ちょうどそれがいい人たちで、
ちゃんと助けてもらえて、いやあよかったよかったよかったよぉ~~。
というわけで、先月モンテレイで買ったばかりのティグレスのシャツを着ました。
こんなの。
左が当日撮った私のシャツ、右は後日撮って足したダンナのシャツです。
ダンナはこれにさらに、青いティグレスのジャージ上下です。
いやあ、悪目立ちするよこれは。
ホテルのレストランで急いで食事を済ませましょう。
入っていくとボーイが背後で「ティグレス」と呟く。
うあ~ばれてるよ(当たり前)。
もしや、応援に間に合わないよう食事をなかなか出してもらえないとか、
などということもなく、
出かけるときには「これからスタジアム?」と声をかけてもらいました。
通りに出てタクシーを停めると、運転手がニヤニヤしながら「スタジアムかい?」
ばれてるよ~~?
運転手さんももちろんサッカーマニアで、
ハグアレスがアメリカ戦ですごかったこととかテコス戦はとんでもなかったとか
いろいろと盛り上がりました。
楽しんできてね~と運転手さんに見送ってもらって、
さて、いよいよチアパススタジアムの前に立ちます。
……なんか、暗雲立ち込めてますが。
おまけに、すごい人、人、人、それがみんなハグアレスのオレンジ色。
入り口には長蛇の列、これまたオレンジばっかり。
老若男女、みんなハグアレスですか。
その後ろについてゾロゾロと歩く。
うーん、駐車場には車だけじゃなく馬も停まってます。
馬で来る人もいるんだねえ。
というのはもちろん冗談で、これはお巡りさんの馬ですね。
身体検査を受けて(ここでもやや紆余曲折ありましたがすっ飛ばして)、
中へ入り、親切に教えてもらいながらチケットの指定する席へ。
スタジアムは小ぢんまりとしていましたが、
その中でもおそらく最高の位置であろう、フィールドの真横中央、
前から四列目というところ。
席はごくちっちゃなプラスチックの椅子で、座るのがやっとというくらい。
で、どのくらいハグアレス(ホーム)の応援が来ているかというと、
こんくらい↓
ホーム席とかアウェイ席の区別がないです。
で、四方八方オレンジ色のみです。
スタジアムの向こうの入道雲まで迫力です。
ちょっと、ティグレスの応援団は、どこ!?
いませんです。
いやはや。
ヒョイと後ろを振り返ると、テレビ局のメインカメラが。
ああ、なるほどねえ。あそこからいつも映してるんだねえ。
あとでホテルに帰ってテレビを点けたら試合の再放送をしてました。
私らの席から見えるのとほとんど変わらない画面でした。
ま、もちろんリピートやアップや別アングルもテレビではありますがね。
そして、まあすっかりおのぼりさんで辺りをさんざん見回したあと、
選手たちがウォーミングアップしてるのを双眼鏡で覗くと、
なぜか選手もこちらを見る。
慌てて目を逸らす。
とかアホなことやってましたが、
考えたら向こうからだってこっちが見えるし、
おまけにド目立ちティグレスシャツがふたりですよ。
なんか変なのがいるなあ、と選手たちも思ってたでしょうか。
手を振ってみたらよかったな~、と思いついたのはホテルに戻ってから(遅い。
で、試合が始まりました。
ちょうどそのころに、向かいに立ち始める、虹。
最初はうっすらと、下のほうだけ。
試合が進むにつれ、どんどん伸びあがって天高く。
問答無用、見てください。
ボールは虹のえくぼのように、右の空に高く飛んでいます。
連載はこれで終わり~。
読んでくださった皆さま、長々とお付き合いくださりありがとうございました。
お帰りはあちらから~。
え、これのどこが「観戦記」なんだよ!?って?
あは、あははは、だって試合についてはあっちでもう書いちゃったんだも~ん。ぴよぴよぴよ~
サッカーを見ることもなく、ただ大金を費やしてとぼとぼと帰るしかないのか。
しばらく、びゅんびゅんと通り過ぎる車を恨めしげに眺めつつ思案しましたが、
ふと見ると、ちょうど停まった向かい側に斜面を登っていく白い道と
その上に採石場らしきトロッコ、それにトラックが。
そう言えば、停車したすぐあとで、後ろから来たトラックがあそこへ入っていったような。
てことは、人がいる!
十中八九、たぶん、強盗さんじゃない人が。
というわけで、ダンナが登っていってSOS発信。
戻ってきたダンナに、どうだった?と訊ねると、
「うん、もうちょっとしたら行くって言った」
うーむ、そういう場合、本当に来てくれる確率と、
本当は行きたくないから言い訳でそう言っちゃってそれっきりの確率と、
どっちかというと後者のほうが高いわけですが。
でも待つしかない。
そして、さほど待たずにやってきました、
トラックに乗ったたくましいおじさんがふたり!
いやあ、さすが、よろよろの私らとは違います。
相当の力が必要だったようですが、ふたりがかりで五本のボルトを見事に外し、
ささくれタイヤを取り付けてくれました。
ありがとうぅぅぅぅっ!
「もうちょっと行ったらタイヤ屋がこっち側にあるから、そこでちゃんと整備してもらいな。
そこまではだいじょぶだいじょぶ、悠々行けるよ。
がっちりつけてやったからな」
頼もしいお言葉に、これでビールでも飲んでくださいとちょっと多めにお渡しして、
はぁ~、やれやれ、とあと10kmの町へ向かいました。徐行で。
さて、土曜日の午後でもあるので、閉まる店が多いだろうってことで
一番に見つけたタイヤ屋に飛び込んで新しいタイヤを買い、
整備所でしっかり取り付けてもらいました。
ま、あのタイヤで何キロ走ったんだか、車軸のディスクがやや歪んじゃってるねえ、と言われ、
でもそれまで修理するだけの時間的・金銭的余裕はなく。
ホテルへ向かい、頭から足先まで真っ白、掌真っ黒の格好で入っていって、
とにかくシャワーを浴びて、チケット買ってくれた人に電話をかけて、
時刻は4時。
あ~~、ぎりぎりだったねえ。
もうダメかと思ったよ~。
でもちょうど前に採石場があって、ちょうど人がいて、ちょうどそれがいい人たちで、
ちゃんと助けてもらえて、いやあよかったよかったよかったよぉ~~。
というわけで、先月モンテレイで買ったばかりのティグレスのシャツを着ました。
こんなの。
左が当日撮った私のシャツ、右は後日撮って足したダンナのシャツです。
ダンナはこれにさらに、青いティグレスのジャージ上下です。
いやあ、悪目立ちするよこれは。
ホテルのレストランで急いで食事を済ませましょう。
入っていくとボーイが背後で「ティグレス」と呟く。
うあ~ばれてるよ(当たり前)。
もしや、応援に間に合わないよう食事をなかなか出してもらえないとか、
などということもなく、
出かけるときには「これからスタジアム?」と声をかけてもらいました。
通りに出てタクシーを停めると、運転手がニヤニヤしながら「スタジアムかい?」
ばれてるよ~~?
運転手さんももちろんサッカーマニアで、
ハグアレスがアメリカ戦ですごかったこととかテコス戦はとんでもなかったとか
いろいろと盛り上がりました。
楽しんできてね~と運転手さんに見送ってもらって、
さて、いよいよチアパススタジアムの前に立ちます。
……なんか、暗雲立ち込めてますが。
おまけに、すごい人、人、人、それがみんなハグアレスのオレンジ色。
入り口には長蛇の列、これまたオレンジばっかり。
老若男女、みんなハグアレスですか。
その後ろについてゾロゾロと歩く。
うーん、駐車場には車だけじゃなく馬も停まってます。
馬で来る人もいるんだねえ。
というのはもちろん冗談で、これはお巡りさんの馬ですね。
身体検査を受けて(ここでもやや紆余曲折ありましたがすっ飛ばして)、
中へ入り、親切に教えてもらいながらチケットの指定する席へ。
スタジアムは小ぢんまりとしていましたが、
その中でもおそらく最高の位置であろう、フィールドの真横中央、
前から四列目というところ。
席はごくちっちゃなプラスチックの椅子で、座るのがやっとというくらい。
で、どのくらいハグアレス(ホーム)の応援が来ているかというと、
こんくらい↓
ホーム席とかアウェイ席の区別がないです。
で、四方八方オレンジ色のみです。
スタジアムの向こうの入道雲まで迫力です。
ちょっと、ティグレスの応援団は、どこ!?
いませんです。
いやはや。
ヒョイと後ろを振り返ると、テレビ局のメインカメラが。
ああ、なるほどねえ。あそこからいつも映してるんだねえ。
あとでホテルに帰ってテレビを点けたら試合の再放送をしてました。
私らの席から見えるのとほとんど変わらない画面でした。
ま、もちろんリピートやアップや別アングルもテレビではありますがね。
そして、まあすっかりおのぼりさんで辺りをさんざん見回したあと、
選手たちがウォーミングアップしてるのを双眼鏡で覗くと、
なぜか選手もこちらを見る。
慌てて目を逸らす。
とかアホなことやってましたが、
考えたら向こうからだってこっちが見えるし、
おまけにド目立ちティグレスシャツがふたりですよ。
なんか変なのがいるなあ、と選手たちも思ってたでしょうか。
手を振ってみたらよかったな~、と思いついたのはホテルに戻ってから(遅い。
で、試合が始まりました。
ちょうどそのころに、向かいに立ち始める、虹。
最初はうっすらと、下のほうだけ。
試合が進むにつれ、どんどん伸びあがって天高く。
問答無用、見てください。
ボールは虹のえくぼのように、右の空に高く飛んでいます。
連載はこれで終わり~。
読んでくださった皆さま、長々とお付き合いくださりありがとうございました。
お帰りはあちらから~。
え、これのどこが「観戦記」なんだよ!?って?
あは、あははは、だって試合についてはあっちでもう書いちゃったんだも~ん。ぴよぴよぴよ~
この二色はティグレスのチームカラーってことで、
ほら、レイノーサの甥っ子の部屋もこの色ね。
選手ユニ、手に入るかどうかわからないけど、
チャンスがあったらそのうち。
もしかしたら直接選手の写真とか撮る日も来るかも!?
ま、期待せずに待っててね
ホームとアウェイの違い?
それともサポーター用だけのもの?
ユニのレプリカもそのうち着て写してください。
でも虹も、天使が登っていきそうですよね。
書き忘れたけど、この虹、はじめは二重だったんですよ。
内側にうっすらともう一本。
でも外のがどんどんはっきりして高くなっていくにつれて、内側のは消えてしまいました。
私の住んでるところは海辺だからか、よく二重の出ます。三重を見たこともあります。
またいろいろ写真頑張って撮って、アップしますね~。
いつもありがと~
いやー絶景です。東京ではとてもお目にかかれないような大きな虹ですね。
というか、メヒコはどこを撮っても異国情緒溢れてて(←当たり前だけど)いい写真が撮れますね。色使いが鮮やかだからかな。
これからも綺麗な写真をたくさんアップして下さい~
えーと、裏には模様ついてたっけ?
今確認したら何も無しでした。
ダンナとふたり並んだ写真(首無し)撮っとけばよかったよね。
でもそんなん、人に頼んでる余裕がなくって。
また次のチャンスにね♪
まあそりゃ、ディスクが歪んだままの車軸で7時間の走行に耐えるか!?
ってドキドキハラハラの帰路とか、
ホテルに戻ったら再放送してたけど、別の試合を見ててハーフタイムに別のチャンネル見たら「再々放送」してたとか(さすが地元……)、
いろいろ話は尽きないけどもさ~。
まあ一応(?)こっちではサッカーの話は控えめにしとこうかな~と思ってやす。
ここを読んでくれててあっちを知らない人の中で、サッカー好きって人、いないと思うし。
で、ほら、あっちに南米杯のレポ(?)アップしといたから、また読んでね
もっと読みたいなーと思わせるところでやめるのが手?
しかし、写真だけでもかなりの値打ちもんでしたね。
澄んだ空気の下のオレンジのサポーターたち。
試合を応援する虹と、挨拶しに飛んでいくサッカーボール。
首なしティグレスさんのユニもなかなかいい。
このシャツは背中にも模様がありますか?
ついでに色違いのほうもアップしてくれると良かったです。
この観戦旅行で、亀さんがますますサッカーファンになって、あっちにもこっちにも観戦記を書いてくれるといいですね~。