7つの贈り物/Seven Pounds ネタばれ反転あり

2008-12-30 | 映画
今回は、ウィル・スミスが見知らぬ7人に素敵な贈り物を届ける税務局員に扮した「Seven Pounds 7つの贈り物





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過去の事件により心に傷を負った謎の男ベン・トーマス(ウィル・スミス)はある計画を立てていた。親友のダン(バリー・ペッパー)にだけ打ち明けられた計画は、見知らぬ7人の他人に彼らの人生が変わるような贈り物をすることだった。そして計画実現のためには、その7人でなければならない特別な理由があった...(シネマトゥデイより)

     
     結構体重を落としたと思われるウィル・スミス

     
     仕事を失い心臓病にかかるが、強く生きる女性を演じたロザリオ・ドーソン

     
     冒頭ウィル・スミスに罵倒されながら電話オペレーターとして仕事を果たすウディ・ハレルソン

2007年と2008年は、アクション作品を中心に主演していたウィル・スミスの、「幸せのちから」以来のヒューマンドラマだ。
監督も、「幸せのちから」を作ったイタリア人のガブリエレ・ムッチーノで、ハートフルな作品に仕上がっている。
時期的に言っても、賞を視野に入れた事は間違いなく、前回ノミネートとされたアカデミー賞に食い込んでくるかも見ごろの作品だ。

     
     生きる望みを失っているボブ

     
     人を愛しはじめるボブ

     
     ピンクのポロシャツは彼女からの贈り物

ウィル・スミスの脇を固めるのは、先ずはロザリオ・ドーソン
彼女は、「RENT/レント」で歌と踊りで演技以外でも器用なところを披露してくれた。
ウィル・スミスとは、「メン・イン・ブラック2」で、共演している。

もう一人は、去年のアカデミー作品賞の「ノーカントリー」で、あっさり殺された殺し屋役だったウディ・ハレルソン
この人の出演する作品の量は凄い。「ノーカントリー」から数えて今作品が8作目。
2009年もすでに7作の作品に出演予定だ。

もう一人印象的だったのは、「父親たちの星条旗」でマイク・ストランク軍曹役で、硫黄島で死んでいった若者達のリーダーを演じていたバリー・ペッパー
この作品の中では、最初は何かいやな奴の役なのかと思っていたら、とんでもない間違いだった。

     
     ボブの親友を演じたバリー・ペッパー。最初はいやな奴だと勘違いした、ごめんなさい

     
     ボブの兄弟の本当のボブ

ストーリーは、主人公のベンが救急隊に自殺の通報をしている場面からはじまる。
オペレーターが、被害者は誰かと尋ねると、自分だとベンは答える。

フラッシュバックで過去に戻る。
そこには、どこかの会社の電話のオペレーターが盲目なのを知ったベンが彼を罵る場面や、宇宙産業らしい会社での会議でリーダーシップを見せるベンや、海岸沿いの大きな家で奥さんと仲良く暮らすベンの姿が、時間を越えて映される。

そして病院に行って、税金の滞納をしている医者に対して経営状況をインタビューする。この時、彼は国税局員だとわかる。
1度は、その医者に対して同情を示し、支払いの遅延を許可しようとするが、ある状況を知って態度を一変させるベン。

次にまた別の病院に行って心臓病を患う女性ロザリオ・ドーソン演じるエミリーに面会する。
彼女の経済状況と病気の事を聞き、今度は税金の支払い延長を許可する。

ベンと親しいホーリーの働く社会福祉事業所に行って、彼女の事務所に登録去れている中で一番助けを必要とするコーニーを紹介される。
彼女は、経済的にもひっ迫してその上、ボーイフレンドから常に暴力を受けている。
こうしてベンは、国税局の税金未払いで、なおかつ健康面でも困っている人たちを訪ねてまわる。

この間も、過去の出来事を少しずつフラッシュバックさせる方法で、ベンの悲劇を少しずつ明らかにさせていくが、終盤まで彼の行動の背景がはっきりされない。
途中でぼんやりとはわかってくるのだが、自分は彼が実存するのかどうかを疑ったりももした。

ここからネタばれ反転

ベンは、彼が助ける可能性のある人たちに会い。
彼等が、本当に助けるに値する人物かどうかを調べてまわっていた。

それは、彼が起こした事故で自分の妻も含めて、命を落とした7人の犠牲者に対する、彼なりの償いだった。
その償いとは、生きる望みを失った自分の全てを、必要とする人たちに譲ろうというものだ。

その譲るものとは、エメリーには心臓、エズラ・ターナーには角膜、兄弟のベンには肺、ホーリーには肝臓、コーニーには家、ニコラスには骨髄、ジョージには腎臓

そして自分は、元のティムになって、ペットのクラゲに氷を張ったバスタブで襲わせて、自殺する。

ここまで

     
     いいね、この2人のツーショットは

この作品の内容、特に結末については、賛否両論がおこると思うが、それについては個人個人の判断でいいと思う。
ウィル・スミスの演技は、相変わらずすばらしいし、体重も落としてゲッソリして見える。
役作りに時間をかけたのだろう。
そして、どうしようもない絶望的な目と愛おしい人、助けたい人たちに対する温かい目の表情も印象的だ。
ロザリオ・ドーソンは出ている時間も長いので、その熱演度も伝わってくるが、たまに2-3度出てくるウディ・ハレルソンとバリー・ペッパーもいい。
最後のバリー・ペッパーの姿には、こちらも思わずこみ上げてくるものがあった。

そしてもう一つは、謎解き。
フラッシュバックで少しずつ明らかになっていく、ベンの過去。
何があったかは割りと簡単にわかるのだが、何が起こるのかが終盤までわからなかった。

ウィル・スミスが賞を取るために出た作品という見方もあるが、それはそれで正解だろうし、だからこの作品の評価が変わるべきではないのと思う。
ちょっと内容がヘビーだが、謎解きと人間の優しさに触れるにはいい作品だろう。

     
     中央が監督のガブリエレ・ムッチーノ

     
     お茶目なウィル


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2 コメント

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こんばんは (象のロケット)
2009-02-13 20:31:14
TB有り難うございます。
gooブログにはTBが通りませんが、
記事は大切に反映させて頂きます。

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はじめまして (gonta)
2009-02-19 21:51:45
ウィル・スミス、、あまり好きではなかったんですが、この映画を見て見直しました。かなり良質の映画だと思います。バリー・ペッパーは「プライベートライアン」のスナイパー ジャクソン以来のファンです。最後、教会の塔で戦車にやられる上等兵です。蛇足ですが「Seven Pounds」見終わって疑問が一つ。
くらげの毒は臓器に残らないのかなって?
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