2044年、アメリカは経済が破綻し、犯罪のはびこる治安の悪い国になっていた。
念力を持ったミュータントが発生し、人口の10%を占めるようになっていた。
一方、2074年に、全ての人間はトラッキングデバイスでその行動が管理され、殺人が出来なくなっていた。
その頃、タイムマシンが発明され、犯罪組織が悪用をしはじめる。
レインメーカーと名のる男が率いる犯罪組織が、殺人のターゲットをタイムマシンで2044年に送り、「ルーパー」と呼ばれる殺人者に次々に殺させていた。
レインメーカーの「ルーパー」管理は徹底していて、必要のなくなった「ルーパー」は、他の被害者同様、未来から過去に送り、但し殺させるのは過去にいる本人で、これを「ループを閉じる」と呼んでいた。
もしこの、仕事をしくじると、即刻2044年の組織の仲間に殺害された。
何れにしても、組織から狙われたら、2044年に殺されるか、2044年に2074年の自分を殺すかのチョイスしか残っていなかった。
毎日3時間の特殊メイクをしてブルース・ウィリスに微妙に似せた目元と鼻
少しだけ伸びた髪がちょっと気になる
2044年、「ルーパー」の一人のジョー(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、殺人で稼いだお金で、バーに入り浸り、酒と、ドラック漬けの生活をしていた。
いつもの様に、「ルーパー」専用の銃で、タイムマシンで送られてくるターゲットを待っていると、そこに現れたのは彼の30年後のオールド・ジョー(ブルース・ウィリス)だった。
一瞬、油断したすきにオールド・ジョーに叩きのめされる。
オールド・ジョー(つまり2044年のジョー)は、その後数十年、悪の限りを尽くしたが、のちに知り合った中国女性に恋をして、幸せな結婚生活を送っていた。
ある日、レインメーカーの殺し屋達がオールド・ジョーを捕まえに、彼の家の乱入して来た時に、最愛の妻が殺された。
復讐を誓った彼は、まだ子供のレインメーカーを殺して、2074年の妻を生き返らせるために、2044年にやってきた。
ジョーは組織に戻るため、オールド・ジョーを倒そうとするが、自分を知り尽くして、しかも経験も腕力もはるかに上の彼にはかなわない。
そこで、オールド・ジョーが、レインメーカーが生まれた病院で生まれた、同じ誕生日の子供を3人を追っているのを知って、その内の1人の子供の家にたどり着く。
そこには、シングルマザーのサラ(エミリー・ブラント)とシド少年が、ひっそりと暮らす農場だった。2人は、ミュータントだった。
特にシドの念力は強力で、まだ自分の感情を自制出来ない彼は、以前その念力で自分の叔母を殺していた。彼が未来のレインメーカーだった。
オールド・ジョーから2人を守るため、農場に住み始めたジョーとサラは、恋に落ちた。
いつの間にか、ジョーの2人を守る目的も、愛する人たちを守ると言うことに変わってくる。
2人のジョーが、愛する人を救うために、サラとシドを争うことになる。
その間にも、シドの念力は、母親を守るために、次第に強力になっていく。
実は、彼がこの後レインメーカーになっていくのは、母親を殺された復讐からだった。
どちらのジョーが、愛する人を救えるのか。
こうして未来からターゲットが送られてくる
ルーパーの暗殺道具
仕事が終わったら、きちんとここに片づけましょう
そして未来のドラッグ遊び、目薬
僕の好きなジョセフ・ゴードン=レヴィットとブルース・ウィリス共演。
ジョセフ・ゴードン=レヴィットは、ブルース・ウィリスと似せるために、特殊メイクをして、いつもよりワイルド感のある表情になっている。
ブルース・ウィリスは、少しだけ伸ばした髪は似合ってないが、お得意のタフガイで強いお爺さん。
ただ単に、過去と未来を描くタイムトラベルSFに加えて、過去の自分と未来の自分が殺しあう複雑なストーリー。
しかも、対峙する理由が、お互いに愛する人を救うため。
違うのは、未来の自分の目的が達してしまうと、自分の妻を殺したレインメーカーという怪物を生み出してしまうこと。
典型的な「親殺しのパラドックス」の世界。
そして、復讐の連鎖。
この複雑なストーリーが、かなりわかり易く描かれている。
アクションも迫力があり、とってもよかった。
ジョセフ・ゴードン=レヴィットに、今のところハズレなし。
ただひとつ、中国がスポンサーになっているので、やったら中国賞賛色が目立つ。
ストーリーはいいのに、その映像から、これからはアメリカじゃないよ、中国だよ、っという露骨なメッセージが伝わってくる。
星 /5
未来から来たオールド・ジョー
シドの母親サラ
彼女は簡単な念力しか出来ないが
シドはこんなことが出来る
シドが母親を救おうと、本気で怒りだした
撮影風景 その1
撮影風景 その2
見る前はどんな影響が出るのかと思ってましたが、良く考えたらあの辺がそうなんですね。
でも「中国行け」「絶対フランス」「いや中国いけって」「フランスって言ったらフランス」「中国!」「フランス!」辺りのやりとりは、精一杯の抵抗だったんでしょうか(笑)。
なかなか楽しめた一本でした。