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はじめに言わせてもらうと、なんで全く必要のないサブをタイトルにつけるかな。
この邦題は、大の大人が何度も会議を重ねて付けたんだどと思うけど、その感性を疑う。
原題に何かつけないと、自分たちの仕事の価値がないと考えてるんじゃないかな。
「クリード」だけでいいから。
その余計な邦題通り、ロッキーの最大のライバルであり、一番の親友のアポロ・クリードの息子の物語。
主演は、「クロニクル」で超人高校生を演じたマイケル・B・ジョーダン。
つい最近、「ファンタスティック・フォー」にも出演したが、あまりにも面白くなさそうな作品だったので、僕は観ていない。
実は、僕は、予告を観た時に、この主人公に対して大きな勘違いをしていた。
予告編を観た時、この主役は、日本では未公開だが「ハウンテド・ハウス」という、「最終絶叫計画」シリーズと同じ路線のおバカパロディに出てた俳優が、大抜擢されたと思ってた。
そのおバカ作品の主人公が左の写真のマーロン・ウェイアンズ。 右が、今作の主演マイケル・B・ジョーダン。
似てると思うんだけど。
シルヴェスター・スタローンも、凄いところから、主役を引っ張ってくるなと、勝手に勘違いしていた。
アメリカヘビー級の伝説のチャンピオン、アポロ・クリード。
彼は、「ロッキー」、「ロッキー2」でロッキー・バルボアと壮絶な死闘を繰り広げ、「ロッキー3」で彼のトレーナーとセコンドを買って出て、「ロッキー4/炎の友情」でソ連のイワン・ドラゴとのエキシビジョンマッチでリングに散ったロッキーのライバルであり親友であった。
そんな元チャンプに、アドニスという隠し子がいた。
彼は、実母が亡くなるまで、喧嘩に明け暮れる荒れた少年時代を過ごすが、その後クリードの妻に引き取られて何不自由なく育ち、一流の金融会社に就職をしていた。
仕事も順調だったが、彼は密かに我流でボクシングのトレーニングし、メキシコでの裏の賭け試合で自分の力を試していた。
そしてとうとう会社を辞めて、ロッキーにコーチを頼むために、フィラデルフィア向かう。
ボクシングから長いこ遠ざかっていたロッキーは、最初はアドニスを相手にしなかったが、次第に彼の情熱にほだされてコーチを引き受ける。
アドニスはすぐに力その才能をみせ、最初の試合を何とか勝利するが、それまで隠していたクリードの息子という彼の素性がマスコミにリークされる。
対戦相手探しに行き詰っていたヘビー級世界チャンピオンのプロモーターが、クリードの息子という美味しい話題性を嗅ぎ付けて対戦を依頼してくる。
依頼というのは表向きで、もし対戦しなければ裏の賭け試合に出ていたことを告発し、ボクシング界から抹殺すると脅しをかけて来た。
アドニスが決意を固めて練習に励む時、ロッキーは医者に癌の宣告を受けていた。
久々に映画館ですすり泣き、鼻をすする音が聞こえた作品。
泣くよな、やっぱり。
チャンプとの試合前アドニスの育ての母親(クリードの妻)から、彼に贈られたプレゼントを見た時、試合が終わってロッキーがアドニスに言葉をかけた時、それまで徹底した悪役だったチャンピオンがアドニスに言葉をかけた時、そしてあのテーマソングがかかった時、涙が出て来た。
もちろん、迫力の試合のシーンもよかった。特にアドニスの第一戦目は、全てワンショットの長回しの様で一切カットなし。どうやって撮ったんだろう。
チャンプとの試合は、まさにアポロとロッキーの初戦を思い出させる。自然に体がスウェーバックしてしまう。
最初のロッキーを観た後、映画館を出ると、ボクシングのステップのような歩き方になっていたのを思い出す。これはブルース・リーの映画を観た時と同じ現象。
片手の腕立てがしたくて、少しだが腕立てに燃えた事を思い出す。
このシリーズの(特に最初の4作)と、それを観て単純に影響された自分が、走馬灯のように思い出された。
今年スターローンは69歳。なんとロッキーのコーチ、ミッキーが「ロッキー」に出演した68歳を超えちゃった。
もう、隔世の感あり。
今回スターローンは、シリーズ全作で担当していた脚本を書いていない。また監督もしていない。これはシリーズ初めて。
そしてその両方をしたのが、ライアン・クーグラーという、この作品が二作目という新人。
ただ、彼の一作目は、手錠をかけられ無抵抗なまま警官に射殺された、黒人の青年の実話を、淡々と描いてアメリカ中で話題になった「Fruitvale Station」という名作。彼はこの作品でも、監督、脚本を兼ねている。
「クリード」への大抜擢にスターローンが絡んでいるのは、間違いないし、ここでも、確実に若い才能がスターローンの後を継いでいる。
大満足な作品でした。
93%
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