今回も実話。
僕の好きなマーク・ウォールバーグが主演。他にベン・フォスター、エリック・バナ等が共演している。
2005年に起きた、アメリカ海軍特殊部隊SEALSの「レッド・ウィング作戦」で、100人以上のタリバンに追いかけられながら一人生き残った奇跡の戦士の物語。
最初から最後まで、アメリカ兵士にとって救いようのない戦闘シーンの連続で、ずっと手を握り締めてみてた。
そして、山からの落下シーン。360度を山の上からタリバン兵士に囲まれて、どんどん山の下に落ちていく4人。
何度も何度も。
岩や木に激突し、枝が体に刺さり、「ボコッ」って鈍い激突音を伴って、痛いの一言。
何故、暗殺部隊の4人が100人以上のタリバンに追いかけられることになったかが、この映画の大きなテーマ。
作戦を実行する準備をしている4人の前に、突然地元の羊飼い達が現れる。
彼らは羊飼いたちを捕獲し、対策を練る4人。
民間人の羊飼いを殺すか、保釈するか。4人はしばらく議論をかさね、最後はリーダーのマーフィーが決断をした。「保釈」
生き残った主人公のマーカスも釈放を主張したという。
ここで羊飼いを殺していれば、任務を遂行し、成功の成否はともかく100人のタリバンに死の追跡をされることはなかった。
但し、アメリカに戻ってから、交戦規定違反で刑務所に入れられただろう。
それよりも、彼らの兵士としての誇り、モラルの高さが、この決断をさせたのだろう。
4人は、すぐにタリバンに囲まれ、山の下に落ちていく。
360度の集中射撃で、あちこちに銃弾をうけ、山を転げ落ち、打撲、骨折でボロボロになっていく4人。
電波がないので、助けを呼ぶこともできない。
そんな中、マーフィーは、無線機を持って、電波が通じる崖の上を目指す。
仲間を助けるために、タリバンの格好の的になるのを覚悟で。そして、基地局に連絡を取った直後に打ち殺される。
連絡を受け、SEALSメンバー16人を乗せたヘリが現場に駆け付けるが、待ち伏せしていたタリバンに撃ち落とされて全員死亡。
結局、19人の仲間を亡くし、自身もボロボロで、やっとたどり着いた川で水を飲んでいるマーカスを助けたのは、なんと地元のアフガニスタン人だった。
マーカスは、今でもあの決断について毎日考えるという。
民間人を殺して、刑務所に入っても、今も仲間が生きていてくれるのがいいのか。
どこかの首相が、憲法は解釈の仕方で云々とかいう次元の低い話じゃない。
長くなったけど、もう2つの信じられないエピソード。
マーカスは、治療が終わると2006-2007年にイラクに出兵している。
マーカスを助けた、アフガニスタン人のグーラブは、その後タリバンに家を焼かれたり、親類を殺されたり、彼自身も殺されかけているので、マーカスがアメリカにへの移住を誘うが、アフガニスタンを愛する彼はその誘いを断っている。
映画が終わると、ほとんど観客が立ち上がって拍手をした。
マーカスのインタビュー