アウト・オブ・ファーネス(原題) / Out of the Furnace

2014-02-26 | 映画






これといった大きな前宣伝もなく、地味で、興行的には失敗だった作品だが、役者陣がすごい。
「ファイター」、「バットマン」ののクリスチャン・ベール、本当の殺し屋の父を持ち、強面のギャング役をやらせたらハリウッド一のウッディ・ハレルソン、「プラトーン」をはじめ名脇役のウィレム・デフォー、渋いお爺さんサム・シェパード、「スタートレック」のゾーイ・サルダナ、名優フォレスト・ウィティカー。
この役者陣と「クレイジー・ハート」の監督スコット・クーパー、プロデューサーにディカプリオも入っているのに、ここまで受けなかったとは。
そんなにダメな映画でもなかったが、人間の描き方が少し薄っぺらくて、ちょっとハラハラ感が足りなかったかな。
上映の時期から言って、オスカーを意識した作品なのだが、完全にこけちゃった。
役者の使い方ももったいない、特にフォレスト・ウィティカー、ゾーイ・サルダナ夫婦の役者としての存在感と役柄のギャップが気になった。
それに比べて、すねたケイシー・アフレックの演技はよかった。

ラッセル(クリスチャン・ベール)は、アメリカの田舎町で溶接工として働く。
彼は、恋人のレナ(ゾーイ・サルダナ)と暮らし、豊かではないが幸せな生活を送っている。彼の弟ロドニー(ケイシー・アフレック)は、イラク帰還兵で定職もなくブラブラしているうえ、ギャンブルで借金を負って頭痛の種だ。
ラッセルは、ある晩酒気帯び運転で事故を起こし、相手を死なせて数年の実刑判決を受け刑務所に入る。
ラッセルが、刑期を終えて出所する頃、ロドニーは、金に困るとジョン(ウィレム・デフォー)が取り仕切る裏のファイトクラブでファイターとして戦っていた。
久々に再会した兄弟だが、兄にファイトクラブのことに触れられたロドニーは、家を飛び出してしまう。
また、恋人のレナは警察官のウェズリー(フォレスト・ウィティカー)と結婚して、お腹に赤ちゃんを宿していた。
ロドリーは、全ての借金を返すため、兄に心配をかけないため、最後のファイトとして、大金が動くファーラン(ウッディ・ハレルソン)という凶暴なギャングが仕切るファイトクラブに出向く。
ファーランの指示で、八百長試合をし、本来なら勝てる相手にボロボロになるまで殴られたが、無事報酬を手にする。
しかし、ロドリーの生意気な態度が気に入らなくて、ジョンのシマも乗っ取りたいファーランは、手下たちと二人を待ち伏せして殺害し、山に遺体を捨てる。
警察も迂闊に手が出せないファーランが取り仕切る田舎町に、ラッセルは弟の復讐に一人出かける。