ミッション8ミニッツ / Source Code

2011-10-29 | 映画






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主演は、若手の中では演技力の評価が高いジェイク・ギレンホール。
彼の作品は、「デイ・アフター・トゥモロー」、「ゾディアック」、「マイ・ブラザー」と観たが、特に「マイ・ブラザー」で、以前から似ていると有名だったトビー・マグワイアとガチの演技合戦が印象に残っている。
共演は「ミッション・インポッシブル III」、「イーグル・アイ」のミッシェル・モナハン、「ディパーテッド」、「マイレージ・マイライフ」のヴェラ・ファーミガ、そして「007」シリーズ等で、なにか印象に残る脇役ジェフリー・ライト。
監督のダンカン・ジョーンズは、デヴィッド・ボウイの息子。

コルター・スティーヴンスは、アメリカ陸軍のヘリコプターのパイロットでアフガニスタンで任務に付いていた。
彼が目を覚ますと、電車にクリスティーナという女性(ミッシェル・モナハン)と向かい合わせに座っていた。彼女にショーンと呼びかけられている。
突然戦場とは、全く違う場所に出くわし戸惑うスティーヴンス大尉。
訳がわからず、車両をでて洗面所にいくと、そこには自分とは違う男が鏡に写っていた。
そして、状況を理解できないまま列車は大爆発を起こす。
もう一度目を覚ますと、彼はどこか狭い操縦室のような場所にいた。
通信機を通じて、ベェラ・ファーミガ演じるグッドウィン大尉と、ジェフリー・ライト演じるラトレッジ博士が、彼の任務について説明をしてくる。



安定した演技力のジェイク・ギレンホール


印象に残らない美人


大人の色気を制服で抑えて


この人の印象は強いよな


今朝、シカゴの通勤列車で爆破テロがあり、同じ犯人が予定している次の犯行を防ぐ為、軍の開発したコンピュータプログラムを使い、乗客の1人の意識の中に入り、犯人を見つけること。
それがスティーヴンス大尉に与えられた任務。
時間は、脳が死ぬ前の記憶を維持できる8分間だけ。
そして、すぐに同じ時間、同じ席にいるショーンという男の意識の中に送られる。

映画のオチに関しては、あまり感のよくない僕だが、この作品に関しては、最初のジェイク・ギレンホールとヴァラ・ファーミガのやり取りのシーンで(というか最初に見た彼の姿勢で)、彼がどういう状態にあるのかが分かってしまった。
そういう意味では、最後のサプライズはなかったが、この作品の面白さは変わらなかった。

スティーヴンス大尉は、また先ほどと同じ時間の同じ席に戻る。
今度は少し落ち着いて、まわりの状況を理解し、人間観察も出来るようになる。
但し、8分経つと列車は爆発し、また狭い操縦室に意識が戻ってグッドウィン大尉と連絡をとる。
こうして彼は、何度も列車の中に戻り、何度も吹き飛ばされて、現在に戻ってくる。



序盤のこのシーンで彼の状況が分かってしまった


この人達だけが現実にいる


犯人は何処にいる?


犯人みーつけた


犯人探しを繰り返しているうちに、クリスティーナに密かな思いを抱きはじめる。
そして、罪もなく死んでいく人たちへも感情移入してくる。
また、現実の世界では、自分がどういう状況になっているのかを知ってしまう。
仮想の中で、犯人の次の犯行を防げても、事件に巻き込まれて死んでいくクリスティーナや、他の乗客を救えない葛藤。
彼自身は仮想の中でしか生きられなく、関係がギクシャクしていた父親に謝ることももう二度と出来ない。
そんな彼は、最後のミッションで未来だけではなく、過去も変えてしまうことを試みる。そして、最後に父親に謝ることも...

スティーヴンス大尉の状況が、序盤で分かっても、終盤にくると過去と現在、未来の時間の変化とそれぞれの依存度がが複雑になってきて、混乱してくる。
でも、それはいい混乱で、たぶん作り手も意図していると思う。
この作品の評価の中に、何故か量子力学的にありえないとか、言っている方があるが、なんと野暮は事を言っているのか。
そんな物理学の観点から映画を観ていたら、面白くも何ともないでしょう。

何度も同じ場所に戻り、同じ時間を繰り返すというのは、ビル・マーレイ「恋はデジャ・ブ」と、アシュトン・カッチャーの「バタフライ・エフェクト」いう作品が思い浮かんだが、圧倒的に「バタフライ・エフェクト」よりは、よかった、「恋はデジャ・ブ」にはちょっとかなわなかったかな。

でもジェイク・ギレンホールはじめ、出演者の演技も素晴らしく、凝った脚本で、星は☆☆☆☆★ 



クライマックス


お父さんにはあまり似てないかな


恋はデ・ジャブ


バタフライ・エフェクト

カウボーイ&エイリアン / Cowboys & Aliens

2011-10-29 | 映画






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インディー・ジョーンズのハリソン・フォードと、007のダニエル・クレイグ共演。
それぞれの看板作品をそのまま足して2で割って、エイリアンを混ぜた作品。
監督のジョン・ファヴローは、コメディの脇役としてよく見かける、顔の大きな人としか知らなかったが、「アイアンマン」では2作とも監督をしていた。
それに総指揮スティーブン・スピルバーグ、プロデューサーにロン・ハワード。
キャストも制作側もオールスター作品。

場所は1873年アリゾナ。 僕が今住んでいる州が舞台になっている。
ダニエル・クレイグ演じる男が、荒野で目を覚ます。
男は過去の記憶がない。手には不思議な金属のブレスレットをはめている。
通りかかった3人の追い剥ぎ(って言葉、結構古い)を叩きのめし、近くの街に辿り着く。
その街では、親の権力を傘にパーシーというバカが、やりたい放題をしていた。
男は、因縁をつけてきたパーシーも叩きのめす。
それを見ていた保安官が、その男が賞金の付いたお尋ね者のジェイク・ロネガンだと気づき、謎の女エラ(オリヴィア・ワイルド)の助けもあって彼を逮捕する。

パーシーの父親のコローネル・ウッドロウ(ハリソン・フォード)が街に来て、パーシーを釈放させ、以前自分の金貨を横取りしたジェイクを引き渡すように保安官に詰め寄る。
そのイザコザの最中、突然宇宙船が街を襲い、何人もの人を拐っていく。
ジェイクは、腕に付いていた武器で宇宙船の一隻を撃ち落とす。

ここ一年くらい、「スカイライン-征服-」や「世界侵略:ロサンゼルス決戦」のように、宇宙船がやってきて人間を拐っていくと作品がよく出てくるのだがなんでだろう。



汚い衣装でも、渋さいっぱいのダニエル・クレイグ


ちょっと緩むと優しさが出てしまうハリソン・フォード


謎のエラ、僕は、あまりよく知らない女優オリヴィア・ワイルド


典型的な西部劇のセットに飛来する円盤、アニメの世界に近いシチュエーション。
ダニエル・クレイグは、007そのまま。渋くて言葉少なく、それでいていつも薄笑いをしているような口元。カウボーイハットにベスト姿もよく似合ってる。
余談だが、日本でよく使われるテンガロンハットは、その帽子に水を入れると10ガロン(44リットル)入る、少しノッポなあまりカッコの良くない帽子だ。
西部劇でよく見る帽子は、キャトルマンというそうだ。

ハリソン・フォードは、何か一生懸命悪役をしている感じだ。
表現も必要以上に大げさに見えた。
最近の、「恋とニュースのつくり方」(こういう邦題、大嫌い)とか、「小さな命が呼ぶとき」でも、ちょっとオーバー目で頑固オヤジ役を演じていたが、そうしないと、人のいいハリソン・フォードが出てきてしまうのか。

コローネル・ウッドロウと子分達、そして街で家族を拐われた有志に、保安官、エラが加わり、さらわれた人達を救うために宇宙船を追跡する。
一方、ジェイクは廃屋になった元の自分の家に行き、妻のアリスと自分に何が起きたか、ボンヤリながらもフラッシュバックする。
ジェイクは、エイリアンが自分とアリスに何をしたのかを知るために、一行に同行する。
エイリアンは、一行が泊まった小屋を襲い、その時保安官が子供をかばって殺される。
翌日、ジェイクがリーダーだった昔の盗賊グループと遭遇するが、彼が金貨を独り占めした事を恨んでいる男たちの復讐に合う。
その時に、またエイリアンが攻撃してくる。
エラが拐われそうになり、ジェイクが必死で飛行船に飛び乗って助けようとするが、結局、エラは命を落とす。



アリゾナの荒野で目覚める


カウボーイ達をエイリアンが襲う


こいつがドラ息子。この序盤はSF無しの西部劇


この辺で、何故エイリアンが地球にいて、人間をさらって何をしていて、ジェイクと彼の妻に何があって、何故彼は金属のブレスレットしていて、謎の女エラが誰なのかが、一気に解き明かされる。
そして、一行は拐われた人を救うため、エイリアンの巨大な要塞に忍び込んでいく。

エラが亡くなるシーンから、終盤のキーになるアメリカン・インディアンが出てくるが、エイリアン対人間、白人対アメリカン・インディアンが、対比されてる。
白人は、アメリカ本土を西へ、西へと開拓して、アメリカン・インディアンから土地を奪い、何年にもわたって絶滅に近い大虐殺をしてきた。
白人は、アメリカン・インディアンにとっては、エイリアンそのものだ。

ちょっとマンガ的なプロットに(後から知ったが、やはり原作はコミックだった)、新旧の二大アクション俳優の共演と、彼らの体を張った演技が観れて、星☆☆☆★★ 



歳を感じさせないハリソン・フォードのアクション


何度も予告で見るシーン


練習シーン 隣で演技指導するのが顔の大きなコメディ俳優で監督のジョン・ファヴロー


トリビア
ロバート・ダウニーJrがジェイク・ロネガンにキャストされていたが、スケジュールの関係で変更された。

最終的にダニエル・クレイグが選ばれたのは、スティーブ・マックイーンに似ていたから。

ジョン・ファヴローは、この作品を3Dでという要求を受けたが、ウエスタンムービーはフィルムとこだわった。

最後のシーンで、「サウスランド・アイス・カンパニー」というアイスクリームを売るバンが出てくるが、「サウスランド・アイス・カンパニー」は「セブン・イレブン」の前身。


もう一つの予告編