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以前から、似てると思っていたトビー・マグワイアとジェイク・ギレンホールが兄弟役で共演。
トビー・マグワイアの奥さん役には、ナタリー・ポートマン。
トビー・マグワイアにとっては、「スパイダーマン」のピーターを立派に卒業出来る熱演。
あの眠そうな目が、この役に大きく貢献している。
ジェイク・ギレンホールとナタリー・ポートマンの演技派二人も、最初は全く折りあわなかったダメ義弟と堅物な義姉が、兄、夫の死を通して、心を通わせる危ないバランスを上手く演じている。
予告編を見たときは、これはサスペンスだろうと勝手に思い込んでいた。
デンマーク映画の「ある愛の風景」のリメイクらしいが、全くその映画に対する知識を持ち合わせていない僕には、これはハリウッドのオリジナル作だ。
親や親戚の誇りである米軍大尉のサム。そして彼の最愛の妻ブレースと2人の娘たち。
親からも家族の恥と見られている刑務所を出所したばかりのトミー。
親や妻がなんと言おうと、サムはトミーを唯一の兄弟として大切にし、トミーもサムには心をひらいた。
この序盤の、問題視トミーを中心にした家族のギクシャクしたところは、よく雰囲気が出ている。
彼らの親父のように、超保守で、堅物で、価値観の違う者に対するデリカシーのない人って、典型的な中部・南部の共和党支持のアメリカ人だ。
サムはアフガニスタンの戦場へ家族の誇りも背負って、胸を張って向かう。
ここから物語が2つに別れ、戦場で起こるサムへの悲劇と、トミーとグレースと子供たちとの心のふれ合い。全く相反するストーリーが展開する。
戦場でサムの戦隊が全滅し、サム自身も行方不明になったことから、サムの訃報がグレースに伝えられる。
この事がトミーとグレース、子供たちの距離を、より近づけることになる。
そして、グルースとトミーは気持ちの上で一線を超えてしまう。
捕獲されていたサムは、奇跡的に救出されるが、信じられないような心の傷を負う。
というか、心が壊れてしまった。
戦場では何でもあり、という残酷を観客は見せられる。
そしてその傷は、肉体は癒えた後にも、深く意識の中に潜んでいて、家族にも被害を起こす。
子供たちは、父親の変化を感じて嫌うようになる。妻も腫れ物にさわるようにしか夫に接することが出来ない。
サムは、グレースとトミーの関係を疑う。
全てが悪循環だ。
そして、サムの心の傷が一気に吹き出す終盤。
そんな時も、そばいにてサムを助けようとするのがトミー。
たぶん、トミーはサムの無事な姿を見たとき、少なからず嫉妬心を抱いたはずなのに。
最後は、未来に希望をもたせる終わり方だが、作品のテーマは重く後を引く。
サスペンスだと思ったのに、サスペンスじゃなかった。
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トリビア
トビー・マグワイアは、「スパイダーマン2」の主役を背中の手術の為、当初断ったがその時の代役のトップ候補がジェイク・ギレンホール。
サウンド/トラック