マイ・ブラザー / Brothers

2010-06-13 | 映画






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以前から、似てると思っていたトビー・マグワイアとジェイク・ギレンホールが兄弟役で共演。
トビー・マグワイアの奥さん役には、ナタリー・ポートマン。
トビー・マグワイアにとっては、「スパイダーマン」のピーターを立派に卒業出来る熱演。
あの眠そうな目が、この役に大きく貢献している。

ジェイク・ギレンホールとナタリー・ポートマンの演技派二人も、最初は全く折りあわなかったダメ義弟と堅物な義姉が、兄、夫の死を通して、心を通わせる危ないバランスを上手く演じている。

予告編を見たときは、これはサスペンスだろうと勝手に思い込んでいた。
デンマーク映画の「ある愛の風景」のリメイクらしいが、全くその映画に対する知識を持ち合わせていない僕には、これはハリウッドのオリジナル作だ。

親や親戚の誇りである米軍大尉のサム。そして彼の最愛の妻ブレースと2人の娘たち。
親からも家族の恥と見られている刑務所を出所したばかりのトミー。
親や妻がなんと言おうと、サムはトミーを唯一の兄弟として大切にし、トミーもサムには心をひらいた。
この序盤の、問題視トミーを中心にした家族のギクシャクしたところは、よく雰囲気が出ている。
彼らの親父のように、超保守で、堅物で、価値観の違う者に対するデリカシーのない人って、典型的な中部・南部の共和党支持のアメリカ人だ。

サムはアフガニスタンの戦場へ家族の誇りも背負って、胸を張って向かう。
ここから物語が2つに別れ、戦場で起こるサムへの悲劇と、トミーとグレースと子供たちとの心のふれ合い。全く相反するストーリーが展開する。
戦場でサムの戦隊が全滅し、サム自身も行方不明になったことから、サムの訃報がグレースに伝えられる。
この事がトミーとグレース、子供たちの距離を、より近づけることになる。
そして、グルースとトミーは気持ちの上で一線を超えてしまう。

捕獲されていたサムは、奇跡的に救出されるが、信じられないような心の傷を負う。
というか、心が壊れてしまった。
戦場では何でもあり、という残酷を観客は見せられる。
そしてその傷は、肉体は癒えた後にも、深く意識の中に潜んでいて、家族にも被害を起こす。
子供たちは、父親の変化を感じて嫌うようになる。妻も腫れ物にさわるようにしか夫に接することが出来ない。
サムは、グレースとトミーの関係を疑う。
全てが悪循環だ。
そして、サムの心の傷が一気に吹き出す終盤。
そんな時も、そばいにてサムを助けようとするのがトミー。
たぶん、トミーはサムの無事な姿を見たとき、少なからず嫉妬心を抱いたはずなのに。

最後は、未来に希望をもたせる終わり方だが、作品のテーマは重く後を引く。
サスペンスだと思ったのに、サスペンスじゃなかった。


マイ・ブラザー - goo 映画
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トリビア
トビー・マグワイアは、「スパイダーマン2」の主役を背中の手術の為、当初断ったがその時の代役のトップ候補がジェイク・ギレンホール。


サウンド/トラック

最近、一番ビックリしたこと

2010-06-13 | その他
今日のネットで拾った面白写真 - 割り込み駐車




先週、ロスに行った。
いつものようにブック・オフで本の買いだめ。
「愛と誠」を見つける。
全巻ではなく、悪の花園実業高校の序盤までしか揃っていないので、さんざん迷ったが誘惑に逆らいきれなく買ってしまう。

懐かしいストーリーを読んでいく。

ん...、ん...、驚いた。

当時、流行った名セリフ「早乙女愛よ、岩清水弘はきみのためなら死ねる!」と連呼していた岩清水弘って、中学三年生だったんだ。
愛海の2つ上だよ。
何が彼をそうさせたんだ。





今日の一言 
やれないと思うのは、したくないからだ。そんなことを考えれば、出来るわけがない。
(バルーフ・スピノザ)

管理人: 確かに信じれば、出来ないという思いは出てこないかな。


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スプライス / Splice

2010-06-13 | 映画






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とても不思議な作品だった。

監督は、「CUBE」のヴィンチェンゾ・ナタリってなっているけど、僕はまだこの有名な作品を見たことがなかった。

主演に「戦場のピアニスト」のエイドリアン・ブロディ。
最近では、去年公開された菊地凛子も出ていた「ブラザーズ・ブルーム」がお勧め。

もう1人の主演は、「ドーン・オブ・ザ・デッド」に主演したサラ・ポーリーというカナダの女優。

ストーリーはクライブとエルサという、薬品会社に働く2人の科学者が、違う動物のDNAを組み合わせて、新しいたんぱく質が取れるクリーチャーをつくっているところからはじまる。
夫婦でもあるこの2人は、会社にも同僚にも内緒で、人間のDNAと動物のDNAを掛け合わせた生き物をつくるところから、少しずつ歯車が狂いはじめる。

予告編を見たときは、この人間のDNAを持ったクリーチャーが人間を襲うホラー作品かと思っていたら全く違う展開をしはじめる。
序盤からずっとホラーではなく、コメディータッチのヒューマンドラマだ。
最初は、気持ちの悪いクリーチャーが、だんだん主人公夫婦と心をかよいあわせるようになる。
実験の対象だったクリーチャーはDrenと名づけられ、少しずつ知性を持ちはじめ、家族に一員になっていく。
モラル的に絶対に許されない禁断の親子愛が芽生える。
Drenの姿も、少女から女に変化していく。
そして実験に使われたDNAが妻のものだったために、夫はしだいにDrenに惹かれるようになり、その一線を越えてしまう。
思いもしない展開で、次々とタブーが破られていく。

アバター」の時と同じように、観客も最初はエイリアンのようだったDrenに親近感を持つようになる。特に成長するにしたがって動物から人間へと近づいていく過程で。

観ている最中、ずっとこの物語はどこに行くのだろうと考えていた。
そして終盤は、監督が変わったのかと思うくらいサスペンス、ホラー調になる。
本当に不思議な作品だ。

あと、CGが凄い。
あまりにDrenが自然でCGと意識させないくらい凄い。

ストーリーで一つ、納得いかなかったのは、エルサの生い立ち。
たぶん、途中か最後の編集でストーリーをカットした為、それまで張られていた伏線が何の説明もなく途切れている。観客にイメージを膨らませるための手段だとしたら、ちょっと失敗かな。

ともかく、不思議なリズムとテーマを持った、後に尾を引く作品だ。


トリビア
サラ・ポーリーは、社会主義に傾倒して高校を中退している。
その後も、左翼の運動に参加して警官と衝突して前歯を折るほどの乱闘に巻き込まれている。


可愛い頃のDren



大人になったDren